朝鮮半島情勢が緊迫し、来年2月の平昌冬季五輪に暗雲が立ち込めている。海外メディアは不参加の可能性を示唆する国が相次いでいる、と報道。韓国紙は「金正恩の思うつぼ」としている。写真は平昌五輪でアルペンスキーの会場となる龍平リゾートスキー場。

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2017年9月30日、朝鮮半島情勢の緊迫化に伴い、来年2月に開催される平昌冬季五輪に暗雲が立ち込めている。海外メディアは欧州を中心に不参加の可能性を示唆する国が相次いでいる、と報道。韓国紙は「機敏に説得せよ」と政府に対応を促す一方、「金正恩の思うつぼ」と危機感をあらわにしている。

ロイター通信などによると、平昌五輪についてフランスのフレセル・スポーツ相は21日、「北朝鮮の核兵器開発によって安全が確保できない場合、フランスの選手団は参加しない」と表明した。フレセル氏はフランスのラジオ局による取材に対して「状況が悪化し、安全が確保できなければ、フランス選手団はフランスにとどまる。選手団を危険にさらすことはしない」と答えたという。

これが欧州各国に飛び火。22日にドイツとオーストリアも同様の声を上げた。オーストリア五輪委員会のカール・シュトース会長は「朝鮮半島情勢は悪化している。選手団の安全が保証されない場合、われわれは韓国には行かない」とコメント。ドイツ内務省は「適切な時期に検討、判断する」としている。

聯合ニュースによると、韓国の都鍾煥・文化体育観光相は26日、「米国のトランプ大統領と北の金正恩・朝鮮労働党委員長の激しい言葉の応酬を見ると、予測できない状況に流れていくのではないかという強い懸念が出る」と指摘。「懸念を解消するため、国を挙げて危機管理をして五輪を安全に開催できるという点を知らせることが重要だ」と述べた。

欧州各国の動きについて、朝鮮日報は「北の脅しに屈し平昌五輪不参加、金正恩の思うつぼ」との社説を掲載。「北朝鮮の核・ミサイル問題は世界の平和と国際社会全体にとって大きな脅威だ」としながらも、「安全への懸念からオリンピックに参加しないというケースは過去に一度もなかった」と指摘した。

その上で「もし安全上の懸念を理由に各国が平昌五輪に参加しないとなれば、これは北朝鮮の脅迫に屈することになり、金委員長が最も望む結果となる」と強調。「現在、北朝鮮の核問題が最悪の状況に向かっているのは事実だが、そのような時ほど国際社会は結束して北朝鮮に断固たる態度を示してほしい」と論じた。

東亜日報は社説で「一部の欧州国を機敏に説得せよ」と主張。「一部の欧州諸国から出始めた不参加検討がこれ以上広がらないように、徹底的に危機管理をしなければならない時期である」として、韓国政府に「いかなる安保や政治的状況に見舞われても、各国選手たちの安全に万全を期す一方、不参加国が出ないようにスポーツ外交に力を注がなければならない」と注文している。(編集/日向)