右サイドハーフで不動の地位を築く伊東。柏の攻撃に欠かせない“切り込み隊長”だが、甲府戦では敵の対策に遭った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ28節]柏0-1甲府/9月30日(土)/日立柏サッカー場
 
 リーグ3位につける柏が、残留を争う16位の甲府に0-1でまさかの敗戦を喫した。

 
 敗因のひとつは、サイドアタックがうまく機能しなかったことだ。特にこれまで柏の攻撃を牽引してきた伊東純也と小池龍太の右サイドはこの日、いつものスピード溢れる突破が鳴りを潜め、甲府の守備陣を崩すに至らなかった。クロスにしても、余裕がなく無理やり放っていたようで、精度を欠いていた。
 
「後半はサイドからクロスを何本も上げたけど、決定的なチャンスにはならなかった。さらにCBを1枚自分についてこさせて、中央のディフェンスを薄くするというのは意識したんですけど、それもうまくいかなかったですね。コンビネーションもなかなか出せなかったし、崩し切れなかった印象です」
 
 こう振り返る伊東の言葉が、甲府戦の出来を端的に表している。
 
 この日の甲府は、柏のサイド攻撃に対して徹底した対策をとってきた。3バックの中央で先発した新井涼平は「J・I(ジェイ・アイ/伊東純也)への対応は(松橋)優さんに負担してもらって、3バックがなるべく釣り出されないようにやろうと(話していた)。たとえ釣り出されても、優さんかシマ(島川俊郎)がそのスペースを埋めることを徹底していたのが大きく崩れなかった要因。さらにクロスに対しても、深い位置まで運ばせて、無理な体勢にさせて蹴るコースを限定させることを意識していた」と、その守備戦術を明かした。
 
 伊東はこの包囲網に絡めとられた。ウイングの松橋を突破しても、すぐさま3バックの一角であるエデル・リマに対応される。それもE・リマは無理に飛び込んで来ないスタンスをとっていたため、伊東のスピードを殺され突破する回数は限られた。“柏の切り込み隊長”は、甲府の術中にはまってしまっていたのだ。
 
 また、いつもなら後方からサポートするはずの小池も、「龍太と伊東純也の右サイドは怖さがありました」と警戒を強めていた島川や小椋祥平ら運動量豊富な相手の中盤に消されていた。
 いいように封じられた伊東と小池のサイドアタックだが、実は甲府戦以外にも、潰される場面は少なからずあった。前節のFC東京戦、前々節の横浜戦でも、相手からかなり警戒されていた印象で、距離を保ちながら時間をかけさせられると、手詰まりになることがあったのだ。
 
 実際に小池は、前節のFC東京戦の後、「(ふたりのサイド攻撃は)だいぶ研究されてきていて、警戒されているのを感じる」と危機感を強めていた。
 
 チャンスメイクからフィニッシュまでこなす右サイドの攻撃は、レイソルにとって生命線といっても過言ではない。
 
 とはいえ、小池はさらに「そこをどう崩していくか。クリス(ティアーノ)や(キム・)ボギョンとか、3人目が加わったりとか、逆にふたりでこじ開けていかなきゃいけない場面もある。残り数試合しかないですけど、そこは突き詰めていきたい」と話していた。
 
 果たして、伊東と小池は強まる警戒網を破れるのか。この終盤戦は正念場となりそうだ。
 
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取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)