ワイン好きな人たちにとっては衝撃の事実。日本人ひとり当たりのワイン消費量は年間4本だけなのだ。大分少なく感じるが、バブル時代はたったの年間1本。確実に日本においてワインはより身近なものになってきた。

しかし、本場フランスでのひとりあたりの年間消費量と比べると、その違いは歴然。ヨーロッパとのEPAが大枠合意というニュースも聞いたし、これから日本のワインがどうなるかその道のプロに聞いてみた!




Q.日本も海外みたいに「毎日、ワイン!」な日は来るんですかね?

――ジャッ、ジャジャンジャン(ギターかき鳴らす音)、オレッ!

柳「おお、今日はご機嫌だね。そういえば、バカンスでスペイン行ってたんだって?」

――はい、夏休みもらってスペインにいってました。もう昼間からカバでシュワッと。夕方はバルに入りびたり。ピンチョス摘みながらコップで赤ワイン。

お酒の切れる日がなかったけど、翌朝も気分爽快でした。柳さんの言いつけを守って、ワインと同量のお水を飲み、何かしら食べながら飲んでたおかげだと思います。

柳「それはたいへん殊勝な心がけ。」

――それにしても、向こうの人はごく日常的にワインを飲んでるじゃないですか? 日本でワインが飲まれるようになったと言っても、まだまだ敷居が高い感じ。なぜでしょうね?

柳「う〜ん、これでも僕が業界に入った30年前と比べれば、ワインはだいぶ浸透してきたんだけどね。バブル期でも日本人ひとり当たりのワイン消費量は年間たった1本。それが今や4倍の4本だよ。

まあ、消費が減ったと騒がれてるフランスでさえ年間60本ほどだから、それと比べりゃまだまだだけど。」

――ひとり当たり4本じゃ、お正月と誕生日、それにボジョレ・ヌーヴォーとクリスマスでおしまいです。


これからお手頃になるのはフランスやスペイン産のワイン!




ヨーロッパでは水より、ワインのほうが安いから

柳「日本人がヨーロッパの人たちみたいにワインをガブガブ飲まない理由はいろいろある。そもそも論として、前にも話したとおり日本人がアルコールに弱い人種ということ。

ワインのアルコール度数は12〜14度くらいあるから、ビールの3倍近くになってしまうワイン1本とビールの大瓶3本でほぼ同じ。

それから文化的なことを話せば、ワインが食中酒ということだね。ほらっ、昭和っぽい話になるけど、家で晩酌といったら、ご飯の前にビールと枝豆でしょ。

日本人は食事中にお酒を飲むという習慣がもともと希薄。それに対して、ヨーロッパの人は食前にワイン、食中にワイン、デザートを甘口ワインで締めるくらいだ。」

――徹底してますね。日本だと、フレンチレストランでさえ、お水しか飲まない人がいるくらい。

柳「それよ、それ。さすがに水道水を出してるフレンチレストランはないと思うけれど、日本は水道水がふつうに飲める国。

ところが、フランスの水は石灰が強いうえ、水質の悪い地方もあるから、水道水はあまり飲まない。それでミネラルウォーターを飲料水として買うわけだが、昔はワインのほうがミネラルウォーターより安かった。だから人々は水代わりにワインを飲んでたのさ。」

――水代わりにワイン! パリのカフェとかスペインのバルで飲んでる人たちはまさにそんな感覚ですよね。日本だとやっぱりお値段も張るから、なかなか浸透しないのかしら?

柳「それでもずいぶん安くなったと思うよ。チリワインはEPAのおかげで現在関税がほぼゼロだから、スーパーで1本500円なんて商品もあるくらい。」

――うちの近くのスーパーもチリワインのオンパレードで、ちょっと食傷気味。安い日本ワインはないんですか?関税かからないはずですし。


南フランスとスペインのお手頃ワインが台風の目

柳「日本は人件費が高いからなかなか難しいかな。それでも一升瓶入りの甲州やマスカット・ベーリーAなら、1,500円なんてのも見かけることがある。大勢でガブガブ飲むならこれもありだよね。」

――そういえば、ヨーロッパとのEPAも大枠合意で、ワインにかかる関税は即時撤廃と聞きました。

柳「うん、これが決まれば、チリワインのひとり勝ちを食い止められるかもしれない。ワインの関税は15パーセントまたは1リットルあたり125円のいずれか低いほうだから、何万円もする高級ワインにとっちゃ無関係だけど、低価格ワインへの恩恵は大きい。

南フランスやスペインのラ・マンチャあたりには、お値ごろで品質の高いワインがたくさんあるから、君がスペインで見たように、日常的にワインを楽しむ光景が日本でも広がるかもしれないね。」

――カチャカチャカチャカチャ(カスタネット打ち鳴らす音)、オレッ!



たとえば、こんな1本
「アルマグロ・クリアンサ」

スペイン中部、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のバルデペーニャスで造られる赤ワイン。自社畑で収穫されたテンプラニーリョを用い、オーク樽で6ヵ月熟成させて、このお値段は感激。柔らかな果実味とスパイシーな余韻。生ハムやチーズを摘みながら、気軽に味わいたい。

¥890/スマイル TEL:03-6731-2400




教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える




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