中国中央テレビは28日、南シナ海空域を飛行中の中国空軍H−6K爆撃機が台湾軍のF−16戦闘機とみられる航空機に距離10メートル近くにまで接近されて飛行を妨害されたとする映像を放送した。資料写真。

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中国中央電視台(中国中央テレビ)は28日、南シナ海空域を飛行中の中国空軍H−6K爆撃機が台湾軍のF−16戦闘機とみられる航空機に距離10メートル近くにまで接近されて飛行を妨害されたとする映像を放送した。同種の映像が発表されるのは初めて。

映像は2015年3月30日撮影のものとされるが、中台双方のメディアが同映像の公開に強い関心を示した。背景には、16年5月に台湾で蔡英文政権が発足して以来、中国軍機の台湾接近が激増していることがある。中国メディアの新浪網は29日、中央電視台の放送に基づき、H−6K爆撃機の飛行を妨害した航空機は機体尾翼のマークから台湾東部の花蓮に基地を置く台湾空軍401連隊に所属するF−16戦闘機との見方を紹介した。

台湾でも29日になり、多くのメディアが同件を報じた。蘋果日報(アップル・デーリー)は、中国空軍が2016年12月16日、台最高峰の玉山(ユーシャン)を背景にH−6爆撃機が飛行している写真を発表したことも合わせて、中国軍の活動活発化で台湾をめぐる軍事情勢が緊迫していると伝えた。

中華民国国防部(台湾国防部)によると、中国の空母「遼寧」が2016年末に初めて台湾本島より東側で訓練を行った際に、艦載機が台湾の防空識別圏に侵入している。17年7月には、中国空軍のH−6爆撃機を含む編隊が初めて台湾海峡を通過して訓練を行った。台湾への接近は繰り返され、24日はH−6爆撃機8機と電子偵察機、情報収集機からなる大編隊の飛行では、台湾の防空識別圏内への侵入も発生したという。

中国国防部の呉謙報道官は28日の定例記者会見で、2016年5月20日に台湾で蔡英文政権が発足して以来、中国軍機が台湾を周回して飛行することが不断に増えており、台湾では大陸による軍事的威嚇として憂慮する声が出ているとの指摘を受けた。

呉報道官はまず、「台湾は中国の一部分だ」と述べた上で、空軍の訓練は年度計画によるものであり、同様の訓練は今後も継続すると表明。さらに、憂慮の声に対しては「台湾独立の動きさえしなければ、驚き恐れる必要は何もない」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)