古巣戦でチームを勝利に導いた吉田達磨監督

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[9.30 J1第28節 柏0-1甲府 柏]

 鮮烈な恩返し弾となった。降格圏の16位ヴァンフォーレ甲府は後半44分、FWドゥドゥが劇的な決勝ゴール。ドリブルで縦に運んで左サイドからカットインすると、DF中谷進之介、DF中山雄太を振り切り、PA手前から右足を一閃。「ここしかない」と狙い澄ました一撃は日本代表GK中村航輔を破り、豪快にネットを揺らした。

 古巣戦となった2人が“交代劇”を乗り越えた。スコアレスで迎えた後半30分すぎに甲府ベンチはドゥドゥを下げようと交代準備を進める動きがあったが、ドゥドゥがプレー続行を志願し、取りやめとなった。会見に出席した吉田達磨監督はこの場面について「ドゥドゥのサインが『○』か『×』かよく分からなかった」と裏話を明かした。

「ブラジルの『○』なのか分からないんですけど…。『×』だと思って、ドゥドゥを代えようと思ったら『○』だと言うので(笑) 」。結果的に、ピッチに残った背番号10のゴールが値千金の決勝点となり、指揮官は「危うく大きな采配ミスをするところでした」と報道陣を笑わせた。

 ハーフタイムに骨盤付近に痛みがあったというドゥドゥは「監督は自分のことを心配していたけど、『残してくれ』と頼んだ」と後半もピッチに立った。両手で「○」を示したサインが反対に伝わったことには「疲れていたからサインが△になっていたかもしれない」と冗談交じりに話した。

 痛みを押してプレーした理由には、古巣戦というモチベーションもあった。「ブラジルでは『古巣クラブと対戦するときFWは99.9%決められる』と言われています」。母国の言い伝えを披露したヒーローだったが、「柏サポーターにリスペクトがある」とゴール後のパフォーマンスは控えめに。横浜FM戦(3-2)に続く2戦連続ゴールで2連勝を呼び込み、「たとえばこれが第4節だったら蹴れていなかった。自信がついてきた」とニヤリ。目覚めたブラジル人ストライカーが、甲府をJ1残留に導く。

(取材・文 佐藤亜希子)


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