ちょっとリッチな大人旅!そうだ、宇宙へ行こう〜旅行編

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「このままのスピードで世界がまわったらアポロ100号はどこまで行けるんだろ?」−とポルノグラフィティが歌ってから17年が経った。次の連休は家族で宇宙に旅行でも……と星空を眺めながらそろそろ予定を立てたいものだ。
しかし民間の宇宙旅行事業はなかなか進んでいるようには見えず、最大手のJTBでさえも「現在宇宙旅行の催行めどがたたない」(公式サイトより)状況だ。「教えて!goo」にも「気軽に宇宙旅行できるようになるには、あと何年?」を切望する声が後を絶たない。一体私たちはいつになったら気軽に宇宙へ行けるのだろうか。宇宙ビジネスコンサルタントを務めるスペースアクセス株式会社代表、大貫美鈴さんにお話をうかがった。

■宇宙旅行

「民間の宇宙旅行自体はすでに実現しています」と大貫さん。

世界初の宇宙旅行は2001年。アメリカの宇宙旅行代理店、スペースアドベンチャーズ社がロシアのソユーズロケットにより実現させた。世界初の旅行者となった米国実業家のデニス・チトー氏は2000万ドル(約22億円)もの「旅行費」を支払い、国際宇宙ステーション(ISS)に一週間ほど滞在したという。1998年にISSの建設が始まり、2000年11月から宇宙飛行士のISS滞在が始まった。そのわずか半年後というのだから驚きだ。この旅行が初のISSの商業利用だともいう。これまでに1人のリピーターを含む8回、7人が宇宙旅行をし、ISSに「宿泊」しているそうだ。

ただ、と大貫さんは言葉を濁す。「NASA(米航空宇宙局)のスペースシャトル引退で有人宇宙飛行の機会が減少したこともあり、2009年を最後に宇宙旅行は行われていない」からだ。

■もしかすると来年には……

しかし、と大貫さんは続ける。「商業機が2018年に最初の有人飛行を目指しています」。ISSまでのアクセスとしてNASAが計画中の輸送サービスを開発しているスペースX社のドラゴンや、ボーイング社のスターライナーの運用が始まれば、これらの商業有人機を利用した宇宙旅行も始まり、またソユーズによる宇宙旅行の再開も期待できるというのだ。

注目されるのは「準軌道(サブオービタル)宇宙旅行」。前述した「ISS滞在ツアー」は、高度400kmの「地球周回軌道(オービタル)」を回る宇宙旅行で、高額なうえ長期の訓練などが必要なのだとか。

引き替え「サブオービタル宇宙旅行」は高度100kmと比較的「近場」な宇宙への弾道飛行ツアーだ。現在、試験飛行が進められており、アメリカでは以下の2社が2018年にも運行開始を予定しているとか。

一社はヴァージンギャラクティック。ヴァージングループ創業者、リチャード・ブランソン氏の宇宙企業だ。パイロット2人を含む8人乗り空中発射型のスペースシップ2を開発しているという。

もう一社はブルーオリジン。こちらは通販サイトでお馴染みAmazonの創業者、ジェフ・ベゾス氏の宇宙企業だ。6人乗り垂直型のニューシェパードを開発しているそうだ。

いつになることかと半ば断念していた宇宙旅行、もしかすると来年には「地球は青かった」などと感慨に耽っていられるのかもしれない。

■いくらくらいで旅行できる?

そうとなったら宿泊先を決めなくちゃ。現在計画段階という宇宙ホテル、なんともロマンチックでいい響きだ。是非とも泊ってみたいのだが、やはりお値段が気になるところ。

「宇宙ホテルを含む商業宇宙ステーションへの滞在ツアーは、ISS滞在ツアー同様、数十億円。近場のサブオービタル宇宙旅行でしたら数千万円で販売されています」と大貫さん。
……高い。

いま現在、世界で唯一商業利用が可能な有人機はソユーズロケットだが、スペースシャトル引退以降、値段が高騰してしまったのだという。初め20数億円程度だった「旅行費」は、2009年の宇宙旅行では60億円と跳ね上がった。ただ今後、ドラゴンやスターライナーの商業運行が始まればコストが下がると見込まれているので希望は捨てないでおこう。

一方、比較的安価なサブオービタル宇宙旅行には、新たな市場形成が期待されているそうだ。実際、スペースシップ2での旅行は25万ドル(約2700万円)で販売されており、世界中の700人を超える予約者が旅行する日を心待ちにしているという。ニューシェパードのコストは未発表で募集も行われていないが、数千万円台であるといわれているようだ。

いくら「格安」で行けるようになったとしても、だ。宇宙はまだまだ庶民の手には届きそうもないじゃないか……そう気を落としていると、大貫さんはこう肩をたたいてくれた。

「サブオービタル宇宙旅行では、家族旅行、記念旅行、取材などの出張、そして宇宙ウェディングやハネムーンなどの利用が見込まれています。企業プロモーションなどのキャンペーンに当選することによって、お金がなくても宇宙に行けるようになるでしょう」

予想以上に目前に迫っているのかもしれない。「そうだ、宇宙へ行こう」と、リュックサックを背負う日が。

●専門家プロフィール:大貫美鈴
スペースアクセス株式会社代表取締役/宇宙ビジネスコンサルタント
革新的商業宇宙開発・利用に挑戦するニュースペースを推進している。著書に『来週、宇宙に行ってきます』など。日本女子大学卒業。東京都出身。

(オダギリ)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)