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テレビが新聞の広告をぬくのには22年かかった事実から

2005年08月30日04時47分 / 提供:PJ

pj
2004年度の日本の総広告費は、5兆8571億円だった。そのうち、テレビや新聞といったマスコミ4媒体の広告費の合計が3兆6760億円(62.8%)を占めている。

テレビ 2兆436億円(34.9%)
新聞 1兆559億円(18.0%)
雑誌 3970億円( 6.8%)
ラジオ 1795億円( 3.1%)
インターネット広告費 1814億円(3.1%)

 テレビの2兆円はダントツだが、ラジオ広告費は、インターネットに追いつかれた。1995年をインターネットのデビューとすると、約10年かけて、ラジオの広告費に追いついたことになる。伸び率では、4大メディア平均が前年比100.8%に対して、インターネット広告費は153.3%。ネット広告は可能性を秘めているといえよう。

 広告とメディアの歴史を眺めてみると、1953年に精工舎(現:セイコー)のCMでテレビ放送とテレビ広告がスタートし、ラジオ広告費を抜いたのが1959年である。たったの6年でラジオ広告費を追い抜いた。インターネットの爆発的な普及以上に、テレビ広告はインパクトが大きかった。テレビ広告費が広告メディアの王者、新聞を追い抜いたのが1975年。テレビ登場から、なんと22年もかかっている。

 メディアとしてのインターネット広告費が急増したとしても、テレビに追いつくには4半世紀以上必要だろう。むしろ、インターネットの単なるバナー広告ではなく、検索時に表示される「検索広告」や購入を目的とした「オークション」、知人の推薦による「アフィリエイト」などの広告関連市場に注目すべきだ。企業にとっても、直接、効果が見えるこれらのほうが、費用対効果が見えやすいはずだろう。

 まだ厳密な広告費としての数字に見えてこないが、「CGM」といわれる「コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア」と称される、ブログや、掲示板、SNS、ポッドキャストの広告市場もすでに誕生している。CGMのブログ関連市場だけで、2004年は34億円であったが、2006年には約1377億円と推測される(総務省調べ)。なんと2年で40倍の成長モデルと予測されている。もちろん、この中に広告費も含まれているが、アフィリエイトという概念は広告費以上の実経済効果も含まれている。

 メディアを経由した広告は、川上から川下への一方通行による情報伝達の手段から、CGMという、コンシューマーの生活メディア(古くから言われるコミュニティ・メディアとは違った概念)に変革しようとしている。むしろ、これは広告という企業側のメッセージだけではなく、口コミレベルの情報も付加された新たな「コミュニティ広告」として、流布されることだろう。

 CGMの中にはオークションという流通システムも含まれるだろうし、アフィリエイトによるブローカーや、メディアレップ的なブロガーの存在も介在していくことだろう。また、新たなAPI(Google MapやGoogleローカル)を利用した新サービスも続々と誕生している。

 広告を頼りに商品やサービスを購入していた時代から、価格比較サイトやオークション、知人の評価サイト、知人のブログ、商品コミュニティなどから、情報を検証し、スマートに買い物をする人たちが増えていくことだろう。もちろん、やみくもに買い物する人たちもいるので、この限りではないが、TVスポットで、単純にモノが売れる時代ではなくなってきていることだけは確かだ。

 さらに、地上波デジタル放送をどうしても、普及させ、2011年にアナログ地上波を廃止しなければならない総務省は、ついに地上波デジタル放送の普及の遅れに対して、IP放送網による地上波デジタル放送を開始するという「パンドラの箱」を開け放ってしまった。「通信と放送の融合」は、思わぬところから結果的に実現されることとなった。融合するという本来の意味ではなく、あくまでもIPがインフラ的に活用される点に注目したい。

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 神田敏晶

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