末恐ろしい大器、V・ジュニオール。本人が楽しみにしていたU-17W杯へに出場は見送られた。(C)Getty Images

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 まさに、急転直下の展開だ。ブラジルU-17代表でフラメンゴ所属のFWヴィニシウス・ジュニオール。すでに大会エントリー済みだったU-17ワールドカップ(インドで10月6日に開幕)への出場が見送られることとなった。
 
 現在17歳のジュニオールは、今年5月にレアル・マドリーが4500万ユーロ(約54億円)の巨費を投じて獲得したことで、一躍その名を世界に轟かせた。FIFAの国際移籍規定により18歳になるまでは国外移籍ができないため、正式な移籍は次の誕生日である2018年7月18日以降。プロデビューしたのは今年3月ながら、すでに鋭い仕掛けと天性のゴール嗅覚で得点を重ね、フラメンゴの前線になくてはならない存在となっている。
 
 ほんの1週間前、ブラジルの大手ネットワーク『GLOBO』の取材に対して、ジュニオール本人は「絶対にコパで勝って、インドでみんなと一緒に世界一になりたい」と意気込みを語っていた。コパ? 実はフラメンゴとブラジル・サッカー連盟(CBF)はひとつの約束事を交わしていた。コパ・ド・ブラジル決勝でフラメンゴが優勝すれば、ジュニオールをインドに派遣すると。だが9月28日に行なわれたクルゼイロとの決勝第2レグはスコアレスドローに終わり、2戦合計1-1。フラメンゴはPK戦の末に敗れてしまった。
 
 翌金曜日、レイナウド・ルエダ監督は「あらゆる点を考慮して、ジュニオールの代表行きをキャンセルすることにした」と結論を述べ、「彼は代表チームの何週間に及んだ強化合宿に一日も参加していない。重要な戦力なのは理解しているが、いまや我々にとっても大切な存在なんだ」と理由を説明し、理解を求めた。
 
 背景にあるのは、こんな事情だ。
 
 フラメンゴはコパ・ド・ブラジル優勝に全精力を傾けていた。頂点に立てば、来季のコパ・リベルタドーレスの出場権を獲得できるからだ。もしこれを逃せば、ブラジル全国選手権で上位に食い込まなければならない。シーズンは佳境で、フラメンゴは現在7位。出場権が与えられるのは6位までで、シリアスな戦いが続いている。
 
 CBFのスポークスマンは「彼はすでにインドのビザを持ち、金曜日には合流してくれるものと期待を寄せていたが、フラメンゴは敗れてしまった。再度先方と協議はしたが決定は覆らず、残念ながら招集を断念するに至った」
 
 ブラジルU-17代表はひとり少ない20名で、ビッグトーナメントに臨む。
  
 グループリーグの成績次第ではラウンド・オブ16で日本と戦う可能性があり、ブラジルが誇る至宝と久保建英、平川怜らとの対戦も十分に起こり得た。ジュニオール自身の声明は発表されていないが、さぞや落ち込んでいることだろう。