スウェーデン代表選手がイラン代表に鞍替え!?…決め手はW杯出場権

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 ブラジル出身ながらスペイン代表としてプレーするFWジエゴ・コスタのように、国籍を変更するサッカー選手は少なくないが、この度2018 FIFAワールドカップ ロシアへの出場を決めたイラン代表への鞍替えを決意した選手がいる。

 スウェーデンサッカー協会は29日、同国代表MFサマン・ゴドースが代表チームに参加しないことを発表した。同時にゴドースがイラン代表チームを選択したことも発表している。

 ゴドースは1993年生まれの24歳。イランメディア『IFP News』によると、現在エステルスンドに所属しているゴドースはイラン人の両親を持ち、スウェーデンで生まれ育った。両国の代表でプレーする権利を保持していたが、2016年末にスウェーデン代表に招集されるとこれに応じ、親善試合2試合に出場して1ゴールを決めていた。

 しかしゴドースは今年8月25日にイランのパスポートを取得したことを公表し、翌日にはインスタグラムでイラン代表に合流すると発表。27日にW杯アジア最終予選の韓国戦、シリア戦に向けたイラン代表に初めて招集されたが試合出場はなかった。これによってスウェーデン代表での出場資格を失わなかったゴドースを、同国代表が今月27日に再招集。W杯欧州予選のルクセンブルク戦、オランダ戦に臨むチームのキャンプに合流していたが、最終決定としてイラン代表を選択することを伝えたという。

 スウェーデンメディア『SPORT BLADET』は29日ゴドースとのインタビューを公開。「多くの理由があったが、自分のキャリアにとって最良のものを選択したかった。イランがW杯出場を決めているのは大きな理由だった」と明かしている。

 FIFAは、公式戦での出場がなく、かつ親の国籍や滞在期間などの条件を満たした選手は1回限りで所属する協会(=代表チーム)を変えることをリクエストできると規定している。国際親善試合はこの規定の公式戦にはカウントされていない。こういった事例は過去にも存在し、D・コスタ(ブラジル代表→スペイン代表)やイタリア国籍を所有していた同国代表MFチアゴ・モッタ(ブラジル代表→イタリア代表)、幼少から過ごしたイングランドから両親の祖国に変更したコートジボワール代表FWウィルフリード・ザハ(イングランド代表→コートジボワール代表)らがいる。