最新技術で完治も不可能ではない 死に至る慢性膵臓炎対策
治療後の痛みもなく、大塚さんは服薬のほか、断酒、食事制限を続けているという。
衝撃波で結石を砕くという治療は、腎臓結石や尿管結石では普及しており、一般的にも知られている。ただし、膵石は患者数が少ないためデータが集まりにくいこともあり、公的な医療保険が使えない期間が続いていたが、2013年から適用されるようになった。
また、全国34施設で'01〜'05年、臨床研究などで実施された膵石患者890人の治療結果を調べたデータでは、石が完全になくなった割合は74.9%で、出血などの合併症も従来の手術と比べ低かった。だが一方で、再発した率は22.2%と、手術の1.5%よりも高いというデータもある。
こうしたことから、前出の報徳会病院・消化器内科担当医は、
「膵石の破砕治療は最初の治療選択肢となりえますが、慢性膵臓炎の進行を完全に止められるところまでは来ていません」
と、説明する。
国内にいる慢性膵臓炎の患者は、厚生労働省研究班の推計によると約6万7000人余り。腹痛で受診しても胃腸の検査では見つからないため、発見したときは進行している場合が多い。日本消化器病学会などは、「より軽度な段階から生活改善や服薬を始める」取り組みを進めている。慢性膵臓炎の早期発見のため、大学病院の研究グループなどとともに、それまでの基準を広げた早期の診断法も作成している。
九州大学大学院医学研究院病態制御内学科の教授は、こう語る。
「'10年までに診断された早期慢性膵臓炎患者(52人)を追跡調査したところ、服薬や生活習慣の見直しで5割の患者の症状が改善しました。反対に、飲酒を続けていた患者は悪化していることも分かりました。これで、アルコールは完全に辞めないと改善しないことが明確になった。ただし、慢性膵臓炎は治らない病気と言われてきましたが、早く見つければ治すことも可能なのです」
慢性膵臓炎には、新しい薬が加わるなど、治療の選択肢は増えているという。検査についても、超音波内視鏡検査ができる医療機関もある。町の医者で診断された場合は、あらゆる完治方法を探るべきだ。
衝撃波で結石を砕くという治療は、腎臓結石や尿管結石では普及しており、一般的にも知られている。ただし、膵石は患者数が少ないためデータが集まりにくいこともあり、公的な医療保険が使えない期間が続いていたが、2013年から適用されるようになった。
また、全国34施設で'01〜'05年、臨床研究などで実施された膵石患者890人の治療結果を調べたデータでは、石が完全になくなった割合は74.9%で、出血などの合併症も従来の手術と比べ低かった。だが一方で、再発した率は22.2%と、手術の1.5%よりも高いというデータもある。
こうしたことから、前出の報徳会病院・消化器内科担当医は、
「膵石の破砕治療は最初の治療選択肢となりえますが、慢性膵臓炎の進行を完全に止められるところまでは来ていません」
と、説明する。
九州大学大学院医学研究院病態制御内学科の教授は、こう語る。
「'10年までに診断された早期慢性膵臓炎患者(52人)を追跡調査したところ、服薬や生活習慣の見直しで5割の患者の症状が改善しました。反対に、飲酒を続けていた患者は悪化していることも分かりました。これで、アルコールは完全に辞めないと改善しないことが明確になった。ただし、慢性膵臓炎は治らない病気と言われてきましたが、早く見つければ治すことも可能なのです」
慢性膵臓炎には、新しい薬が加わるなど、治療の選択肢は増えているという。検査についても、超音波内視鏡検査ができる医療機関もある。町の医者で診断された場合は、あらゆる完治方法を探るべきだ。