寒くなってきたら冬支度…江戸時代、暖を取るなら火鉢やこたつが必須アイテム

写真拡大 (全3枚)

冷え込む季節になったら寒さ対策

エアコンや灯油ストーブ、電気カーペットなど、さまざまな暖房器具がある現代。冬でも暖かく過ごすことが当時は暖をとるものが火鉢かこたつくらいしかありませんでした。囲炉裏があれば建物全体が暖まるので嬉しい限りですが、火災が多く木造の家が密集している江戸では、一般の家では囲炉裏は難しかったのです。船宿などには囲炉裏があったようですね。

鈴木春信「十二ヶ月(年中行事の内)十月 時雨と火鉢」

寒さ対策でまずやることは厚着でした。ありったけの着物を着れるだけ着込んだら、火鉢に手をかざしたり、炬燵にすべりこんで暖まります。

江戸時代の暖房器具いろいろ

火鉢にも色々あり、金属製・木製・陶製があったようです。大きさも小型のものから大型のものまでさまざま、形も丸火鉢・角(箱)火鉢・長火鉢・提(さげ)火鉢があり、町家では木枠の長火鉢が多く使われていました。室内全体が暖まることはなくても、そばに行けば暖かいので、秋冬には欠かせません。

長火鉢は木炭を使った暖房器具で、鉄瓶を乗せて湯を沸かしてそのまま保温することもできて、とても便利なものでした。引き出しもついていて、タバコや海苔が保管できるので、収納スペースが無に等しい長屋ではさぞかし重宝したことでしょう。

こたつには、掘りごたつと置きごたつがあり、足から暖まると大人気。きっと一度こたつに入ったら、なかなか出れなかったことでしょう。ただ一つ欠点があるとすれば、鉄瓶などが置けないことでした。また、行火(あんか)という移動式の小型暖房具もあり、出先で手足を暖めるのに重宝したそう。

一番の寒さ対策は我慢?

寒くなっても庶民の寝支度は実に簡単なものだったため、夜寝るときもかなり寒かったと思われます。昼間着ていた下着がそのまま寝間着になり、今のような掛け布団はなく、夜着(よぎ)をかけるだけ。夜着は袖と襟のついた大きな着物のようなもので、綿が入っています。敷き布団にも、少し綿が入っていましたが、当時、綿はとても高価なものだったので敷き布団もない家もあり、寒くて寝れなかったこともあるのではないでしょうか。寒さは我慢、が当たり前で、その寒さに慣れてしまっていたかもしれませんね。

冬の寒さが厳しい江戸では、こたつに入って暖をとりながらほっかほかの焼き芋を味わうのが格別のひとときだったのでしょう。

参考文献:花咲一男(2000)「大江戸ものしり図鑑」主婦と生活社、石川英輔(2013)「実見江戸の暮らし」講談社文庫