からだエイジング : わきが、加齢臭はもうたくさん! クサいにおいを無くす方法

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汗をかくと同時に気になるのが「におい」。とくに現代人はにおいに敏感であるといいます。前回、汗のメカニズムについてお話しましたが、今回は汗とにおいの関係性について、東京女子医科大学皮膚科教授・講座主任 川島 眞先生にうかがいました。

「汗はもともと無臭なのですが、毛穴に常在している細菌により汗に含まれている脂質やタンパク質が分解されると、臭気を発する物質がつくられます。それが“わきが(腋臭症)”や“加齢臭”の臭いの元となっているのです。クサいにおいを封じるには、まずは汗を止めることが先決」と川島先生。具体的な対処法や予防法について紹介していきます。

 

汗がクサい! わきがはナゼ起こる?

ここで汗のメカニズムについておさらいしましょう。汗は汗腺という皮膚の真皮の部分に存在する組織でつくられており、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種があります。汗自体に“におい”はありませんが、アポクリン汗腺でつくられる汗が毛穴に常在している細菌と交わると、汗に含まれている脂質やタンパク質が分解され、臭気を発します。いわゆる“わきが(腋臭症)”や“加齢臭”の臭いの元となります。

関連記事:汗が止まらない! それってもしかして「多汗症」では? 

わきがとは、わきの下の汗の量が多く、さらにそのにおいが不快な悪臭であることをいいます。不快感は本人の主観ですが、欧米と日本ではにおいの捉え方がかなり異なりますね。

おもしろいデータがあるのですが、欧米人は体臭に悩むという人が少なく、患者数も多くありません。一方、日本人はわきが、頭皮臭、足臭、加齢臭など、においにとても敏感です。最近では、不快なにおいは人間関係に支障をきたすともいわれているため、体臭は“エチケット”としてケアする人が多くなりました。

 

わきがのセルフチェック方法を紹介! わきがになりやすい人はこんな人

なかでも、クサいにおいの代名詞といわれるのが“わきが”。わきがを発症するアポクリン汗腺は思春期のころから活発になりますが、実はわきがになりやすい人・なりにくい人がいるということをご存知ですか?

ここではわきがになりやすい人の傾向を挙げてみました。

 

親子や家族内で多汗症または、わきがを発症している人

遺伝的要素が深く関係しているため、家族内でわきがを発症しているとその率は高くなります。

耳あかが湿っている人

外耳道にはアポクリン汗腺があり、「耳あかが湿っている=わきがになりやすい」という報告があります。韓国では、わきが症の約65%が湿性の耳あかである、という研究データが発表されています。

汗をかいてもそのままにしている人

先ほども話したとおり、汗自体は無臭なのですが、常在菌と交わることで悪臭をもたらします。汗をかいてもそのままにしておけば菌の宝庫に。

においや刺激の強い食事が好きな人

たとえば、にんにくやニラなどの香りの強い食材が体内で消化されずにいると、香気成分として汗と一緒に排出されるケースも。

 

クサいのはもう嫌! お家でできるわきが、多汗症の対処法

では、クサいにおいを無くすには、どのような対処法があるのでしょうか?
多汗症、わきがの程度にもよりますが、共通していえることは、

  • わき汗を減らすこと
  • 汗腺のある部分を清潔に保つこと

が大切です。身近にできる対処法は以下のとおり。

  • 抗菌剤入りアイテムの使用
  • わきの下を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ
  • 香りの強い食材、アルコールを控える 

汗をかいたらこまめに洗う、エチケットシートやデオドラントアイテムでわきを拭く習慣を心掛け、細菌の繁殖を抑えましょう。最近のデオドラントアイテムは汗そのものを抑えたり、雑菌を除去したり、高い機能を備えています。シャツのわきじみを防ぐ“わき汗パッド”などを併用して、わき汗、においを封じる手も。また、香辛料や香菜などの香りの強い食材、アルコールなどを控えるだけでも効果が出る場合もあるので、食生活の見直しをすることをおすすめします。

 

それでも「汗が止まらない!」「わきがクサい」人の対処法は?

每日の生活習慣を見直しても「汗が止まらない」「わきがが治らない」という場合は、

  • ボトックス注射
  • 汗腺除去などの外科的治療 

をおすすめします。ボトックス注射はしわ治療として知られていますが、A型ボツリヌス毒素製剤は神経の末端からのアセチルコリンの放出を防ぎ、神経から汗腺への情報伝達を遮断することで発汗を抑制します。クサいにおいの元となる“汗を出さない”という手段です。このほかに、神経ブロック、レーザー治療、内服療法、精神心理療法など併用して治療する方法が増えています。汗、においでお悩みの方は一度、専門医に診てもらうことをおすすめします。

(文・長谷川真弓)