口内環境とがんにまさかの関係

写真拡大

閉経後の高齢女性は喫煙歴がなくても歯周病がある場合、全がん(すべての部位のがん)発症リスクが14%上昇するとした研究結果が、米テキサス大学とニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者らによって発表された。

歯周病が口腔がんや舌がんなど一部のがんリスク因子になることは指摘されていたが、全がんリスク上昇にも関係していることを検証した研究はほとんど実施されておらず、高齢女性に限定した研究は存在しない。

研究者らは米国で女性の健康に関する知見を収集するために、1991年から行われている大規模追跡調査「Women's Health Initiative Observational Study」から、54〜86歳の6万5869人分のデータを抽出。

自己回答で得ていた歯周病の有無と、2013年までのがん発症率のデータを分析し、歯周病とがんリスクの関係を調査している。

その結果、歯周病があった女性はなかった女性に比べ、食道がんの発症リスクが3倍以上に達していた。また、乳がんもリスクが13%増、肺がんは31%、胆のうがんは73%、メラノーマも23%と高リスクになっており、歯周病が高齢女性のがんリスク要因になっていることは明らかだという。

歯周病は喫煙習慣の有無によって有病率が異なるが、喫煙者・非喫煙者に関係なく歯周病があることでリスクが上昇することも確認されており、独立したリスク要因になっていると考えられる。

研究者らは今回の研究からはなぜ歯周病によってがんリスクが高まるのか、そのメカニズムまではわからないとし、今後より正確な歯周病診断記録や分析結果と併せてがんリスクの検証を行う必要があるとコメントしている。

研究は2017年8月1日、米国がん学会誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」オンライン版に掲載された。

参考文献
Periodontal Disease and Incident Cancer Risk among Postmenopausal Women: Results from the Women's Health Initiative Observational Cohort.
DOI: 10.1158/1055-9965.EPI-17-0212 PMID: 28765338

医師・専門家が監修「Aging Style」