「学生数が多い大学」ランキングTOP10

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東京・お茶の水にある日本大学理工学部のキャンパス。学生数日本一を誇り、都内だけでなく、各地に数多くのキャンパスがある (写真:Mugimaki / PIXTA)

やはり数は力なりなのか――。

「総資産が多い私立大学ランキングトップ200」や「『売上高が大きい国公立大学』ランキング150」といった配信記事を通して、これまで売上高や資産額など大学の規模の比較をしてきた。今回は財務的な指標ではなく、人の規模、つまり在籍する学生数の多寡について見たのが、「学生数が多い大学ランキング」だ。

学生数は大学によってまちまち。数万人いるマンモス校もあれば、数百人という、中学や高校より少ないような大学も数多くある。学生数が多い大学のメリットは、「仲間の数の多さ」。仮に1年に1万人卒業生を輩出すれば、20年で20万人になる。それだけ数多くの卒業生が社会で活躍していることを意味する。一方、学生数の少ない大学は、一人ひとりの顔がよく見えるという長所がある。

定員の1.1倍を超えると補助金をもらえない?


データは2016年5月時点の数字で、大学院生を含む数字となっている。『週刊東洋経済』臨時増刊「本当に強い大学2017」の中には、「大学四季報」というページがあり、各大学の財務状況や学生数などの概要について、アンケート調査をしている。今回のランキングはその調査結果を基に作成した。

1位は日本大学で、学生数は7万0677人だ。16学部87学科を擁する超大規模校だけあって、他を大きく引き離す。OB・OGはすでに100万人を超えており、日本武道館での入学式は、今年は2回に分けて行われた。

2位は早稲田大学(5万0439人)。3位は立命館大学の3万5529人で、関西地区ではトップである。以下、4位慶応義塾大学、5位明治大学、 6位近畿大学、7位東洋大学、8位法政大学、9位関西大学、10位東海大学と続く。

国立大学のトップは東京大学の2万7466人だが、この中には大学院生が多く、半数近くの1万2000人に上る。国立大学2位は総合15位の大阪大学、3位は総合16位の京都大学で、公立大学のトップは首都大学東京の9185人となっている。60位までが学生数1万人を超える大学で、5000人超の大学は161大学に上る。

今回はほかに「定員数」と「定員充足率」について付記した。大学が受け入れられる学生の数が収容定員であり、その定員数に応じた教室数や教員数などを確保することが求められている。収容定員に対する在籍学生数の割合を示したものが定員充足率だ。100%を上回ると、”定員超過”、下回ると”定員割れ”ということになる。

「定員の厳格化」

定員を上回っていれば、それだけ授業料(学納金)も増え、「経営としても健全」というふうにみられてきたが、近年では状況が変わってきている。それが私立大学に対する「定員の厳格化」だ。

2015年度までは、入学定員8000人以上の大学は、定員充足率が1.2倍を超えなければ、補助金の支給対象を維持することができた。これが2016年以降、段階的に厳格化され、2018年度には1.1倍以内に収める必要に迫られている。なお4000人以上8000人未満は1.2倍以内で、4000人未満は従来どおり1.3倍以内が基準である。さらに、2019年度以降は、1倍を超えると超過した分だけ減額され、0.95倍〜1倍であれば逆に増額することが予定されている。

表記の定員充足率は大学院を含めた全学生の数字で、入学定員に対する数字ではないが、ランキング上位の大学は定員充足率が110%と、1.1倍を上回る大学が多い。入学者数(=合格者数)の見直しによって、学納金の収入が減り、経営にも少なからず影響が出る可能性がある。