昨年4月、意思決定の迅速化を目的に社内カンパニー制を導入して1年半が経ったトヨタ自動車。

「先進技術開発カンパニー」や「コネクティッドカンパニー」など、従来の組織を7つのカンパニーに分け、開発から製造まで一体となった「もっといいクルマづくり」を目指すべく各カンパニー完結型の開発体制に切替えたことで、新型「カムリ」など、商品性向上に向けた取組み成果が具体的に表れつつあるようです。

そうしたなか9月28日、トヨタ、マツダ、デンソーの3社が、一堂にエンジニアが会して効率良くEVを共同開発する新会社「EV C.A. スピリット」を設立しました。

出資額はトヨタが900万円、マツダとデンソーが各50万円の計1,000万円。代表取締役にはトヨタの寺師茂樹副社長が就任、本社は愛知県名古屋市のミッドランドスクエア37Fに設けられ、発足当初の社員数は約40名となっています。

おりしも、温室効果ガス削減に向けて各国・各地域で規制の強化が進み、一定割合の電動車の販売を義務化するといった新たな規制導入の動きが出ていることから、幅広いパワートレーンや技術開発が必要となっており、排気ガスを出さない「FCV」(燃料電池車)に加え、「EV」の開発が急務となっています。

一方、EVの普及・販売台数が不透明で読めないなか、求められるクルマ像は地域やニーズにより多種多様のため、各自動車会社が単独で全ての市場やセグメントをカバーするには膨大な工数、費用、時間が必要になるという課題があります。

そこで、トヨタ、マツダ、デンソーの3社は市場動向に柔軟かつ迅速に対応するため、幅広いセグメント、車種をカバーできるEVの基本構想に関する技術を共同で開発することに合意したという訳です。

「トヨタ」のHV・PHVで培った電動化技術や、「マツダ」の低コストで少量多品種開発など、それぞれが強みを持っており、そこへ電装品開発に長けた「デンソー」が加わることで、新会社では軽自動車からSUV、小型トラックまで幅広い車種に対応したEV開発が可能になると予想されます。

また、新会社ではオープンな体制作りを目指しており、小型車を得意とするダイハツやスズキ、中型車を中心とするスバル、商用車の日野自動車にも参加を促すとみられ、仲間作りを進めることで各社が保有する技術力を結集、急速な世界情勢への変化に対応する考えのようです。

一方、ルノー・日産・三菱連合は2020年までにEV専用の共通プラットフォームを開発、2022年までに12車種のEVを発売する計画のようで、独VWもグループで2025年までに50車種のEVを投入、世界販売の25%をEV化する方針とか。

欧州大手のダイムラーやBMWに加え、テスラや中国のBYD等がEV攻勢をかけるなか、今後、新会社「EV C.A. スピリット」が、いかに魅力的なEVを送り出して来るのか、海外メーカーからも大きな注目を集めそうです。

(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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