ブロガーの不用意な発言で巨額訴訟騒動

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 中国の著名なブロガーで、SNSのフォロワーも13万人以上いる方舟子氏が、伝統的なお茶、プーアル茶について、「発がん性物質を含んでおり、肝臓がんにかかる可能性がある」などと発言したところ、プーアル茶の産地である雲南省のプーアル茶の生産者の団体などから抗議が沸き上がり、600万元(約1億円)もの賠償金を求めての訴訟を起こすとの通告を受けたことが分かった。

 方氏はあわててネット上の記事を消去し、謝罪したが、生産者の団体は今後、訴訟を取り消すかどうかについては、まだ態度を明らかにしてないという。雲南省のニュースなどを扱うインターネットニュースメディア「雲南網(ネット)」が報じた。

 方舟子氏は、1967年9月28日、福建省で生まれ、現在49歳。中国科学技術大学を卒業し、米ミシガン大学で博士課程を修了。専門は生物化学なだけに、ネットなどで、食品の安全問題や医療問題を中心に論じているが、専門にかかわらず、宗教や環境問題、あるいは政治や役人にまつわる腐敗などの時事問題も幅広く論じている。

 その専門性の高さや歯に衣着せぬ論調の鋭さ、あるいは時として傲慢で、自己中心的な正義感を振りかざすことに対して毀誉褒貶がある。

 今回の論議を呼んだのは、プーアル茶のなかに、カビ毒の一種であるアフラトキシンという成分が含まれており、肝臓がんの発症リスクがあるという説だ。

 方氏はこの説について雲南農業大学が国際的な学術誌に発表した論文から引用したと主張している。

 これについて、プーアル茶を生産している雲南省の団体が北京市在住の弁護士に対して、方氏の意見には根拠がないなどとして、名誉棄損などで600万元の賠償金を求める訴訟を準備することを依頼。弁護士が方氏に連絡したところ、方氏はSNS上からその記事を削除し、謝罪したという。

 プーアル茶はお茶の葉を多湿状態に置くことで発酵させ、長い間熟成させ石のように固めたもので、古いものでは100年以上も熟成させたレアモノもあり、2013年には100年モノのプーアル茶が1kgで500万元(約8400万円)、一杯だけでも1万5000元(約25万円)の値段がついたこともある。2014年からプーアル茶の値段は下がっているものの、それでも貴重な年代物はそれなりに高値で取引されているという。

 それだけに、生産者の団体としては、著名なブロガーである方氏の記事で、プーアル茶の評判に傷がつけば、ビジネスにも影響しかねず、訴訟を検討しているとみられる。

 中国ではここ数年、著名ブロガーの影響力が高まり、閲覧数も1000万回以上に及ぶなど、批判的に記事を書かれた方も自衛対策をとらざるを得ず、今回のような訴訟騒ぎが続発している。中国も西側先進国並みに訴訟社会に突入しつつあるようだ。