家電の進化が止まらない(写真:時事通信社)

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 家電の機能は日進月歩。しかし作り手が張り切りすぎるあまり、使う側がついていけないという“需給ギャップ”もしばしば起きる。たとえば、東芝の電子オーブンレンジ「ER-PD7000」には、なんと450種類もの自動調理メニューがある。

 えっ、450種類? メーカーは「具材が違えば細かな加熱時間が違うため、その調節に苦労した」(東芝ライフスタイル広報担当)というが、ユーザーの50代主婦・Aさんはこう話す。

「いろんな料理にトライしようと、10万円かけて購入したのですが、パン・ピザだけで100種類、スイーツも100種類もメニューがある。なかには『じゃがいもとかぼちゃのドフィノア』というメニューもありましたが、ドフィノアなんて料理、聞いたことも見たこともない。いつか作る日は来るんでしょうか」

 ちなみに「ドフィノア」は、フランス料理でじゃがいもを使ったグラタン。メニューの採用基準までは残念ながら教えてもらえなかった。

 同じく電子オーブンレンジのシャープ「ヘルシオAX-XW300」(実勢価格約10万円)は、献立を提案してくれる。

「晩ごはん、何がいいかな」と問いかけると、「寒いので煮込みハンバーグはいかがですか?」「肉料理が続いているから、魚料理はどうですか?」と、人工知能(AI)が調理履歴や冷蔵庫にある食材、その日の気温などをもとに、オススメのメニューを紹介してくれるという。

 献立に悩む主婦にとって心強い味方になるはず……と思いきや、ユーザーの40代主婦・BさんはなかなかAIの提案に応じられないという。

「家族の“これが食べたい”というリクエストや子供たちの好き嫌いもあるので……。提案されたメニューが作れず、宝の持ち腐れになっています」

 結局、家族はBさんの“いつものレパートリー”を味わう日々という。

※週刊ポスト2017年10月6日号