時間がない、メニューが浮かばない、疲れて面倒…。日々の食事づくりの悩みは尽きることがありません。料理のプロは、はたしてどのように毎日を乗り切っているのでしょうか? 日々の夕飯を30分で完成させているという、料理研究家が実践しているとっておきの時短調理術を伝授します。悩まない・考えないから早い!簡単!

おいしいだけでなく、調理の手早さでも定評のある料理研究家の近藤幸子さんは、2人の女の子の母親でもあります。仕事と子育てに忙しいなか、普段のご飯づくりを手早くすませるにはコツがあるそう。「その場でなにをつくろう、と悩まずにすむよう、自分のなかにいくつかルールをもっています。たとえば、使い回しのできる食材は前日に加熱しておいて、ゼロからつくらなくてもいいように、といった感じです」。さっそく時短調理術について、教えていただきました。同時調理を味方につける

近藤さんの手にかかれば夕飯は30分で完成するというから驚きです。その過程でキモとなるのが、同時調理。ひとつの鍋で2つの料理ができあがるというのです。<明日のために「先取り調理」>


「夕飯をつくりながら、一緒になにかしら下ごしらえしておくと、翌日1品がすぐにできて便利」。ついで仕事なので加熱時間をあまり気にせずにすむ根菜や卵などの食材がおすすめです。●圧力鍋は2段使い


圧力鍋を使うときは必ず蒸し器を使って2段調理をすることに。「サツマイモやカボチャなど火のとおりにくいものを一緒に入れておきます」。翌日はあえ物などに活用。●あいたコンロを活用


2口コンロの片方を使うとき、もうひとつがあいていたら先取りのチャンス。「キャベツやコマツナをさっと煮、翌日のみそ汁の具や煮びたしに利用」。どうせコンロの前に立つのなら、明日の仕事をも一緒にすませてしまって、作業を効率化します。●土鍋の内ブタに卵を置く


ご飯は土鍋で炊く近藤さん。「内ブタのくぼみに卵を置いておくと、同時にかたゆで卵が完成します」。翌日のサンドイッチの具やおかずのトッピングに。<メインとサブを同時調理>

オーブンやフライパンを使い、メインとサブを同時につくるのも、時間を大幅に短縮するテクニック。「クッキングシートを使えば、味が混ざることもありません。一度の調理ですむからラクですよ」。●オーブンで2品調理


ソースをからめた肉と、塩とオリーブオイルをふった野菜を一緒にオーブンへ。「オーブンに入れている間はほったらかしにできるので、焼いている間に洗い物をすませます」。●フライパンでも2品調理


魚や肉を焼くとき、クッキングシートに野菜と塩、少量の水を加えたものを一緒に並べ、魚や肉は片面が焼けたら裏返しながら、フタをして蒸し焼きに。大きくつくれば、省ける手間もある


料理の既成概念を取っ払うことも大事と近藤さん。「この料理はこうつくらなきゃ、という思い込みを捨てると、ラクにできる方法がいろいろ見つかります」。人数分を一度に大きくつくってしまうのもそのひとつ。「個別につくる手間が省け、同時にできたてを食べられるし、見た目も豪華。洗い物も少なくてすむ、といいことずくめです」。


メインも副菜もドーンと大皿で出し、それぞれが小皿に取り分けて食べるのが近藤家の食事スタイル。●丸ごとジャンボ茶碗蒸し

【材料(4人分)】
卵2個、A[みりん大さじ1 しょうゆ小さじ2 塩小さじ1]、水11カップ、ホタテ貝柱缶(ほぐす)1缶、豆腐(絹ごし)1丁、ワカメ(戻したもの)50g

【つくり方】
(1) ボウルに卵を割り入れ、Aを加えてよく溶きほぐし、分量の水を加えて軽く混ぜたらザルでこす。ホタテを加え混ぜる。
(2) 豆腐はひと口大に切り、ワカメはざく切りにして耐熱の器に入れ、(1)を静かに注ぎ入れる。
(3) (2)を蒸し器に入れ、強めの中火で5分、表面が白くなったら弱火にして10〜15分蒸す。中央に竹串を刺してみて、透明な汁が出れば蒸し上がり。
[1人分 116kcal]

●教えてくれた人
【近藤幸子さん】
料理研究家・管理栄養士。夫、長女、二女の4人家族。料理研究家のアシスタントを経て、仙台で自身主宰の料理教室「おいしい週末」をスタート。2004年より東京に拠点を移し、雑誌やウェブなどで幅広く活動中。著書に
『がんばりすぎないごはん』(主婦と生活社刊)など

<撮影/難波雄史 取材・文/ESSE編集部>