「PASPY」のロゴ(画像:発表資料より)

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 2018年春から、広島、香川エリアに交通系ICカード全国相互利用サービスの導入が決まった。西日本旅客鉄道(JR西日本)、広島電鉄(広電)、高松琴平電気鉄道(琴電)など関係各社が28日、発表した。

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 広島エリアでは、2008年からIC乗車カード「PASPY」が導入され、広電のほか、広島県内のバス事業者で利用可能となっている。導入当初から、JR西日本との個別協定により「ICOCA」の利用のみ対応していたが、採算上の理由から、2013年の全国相互利用サービスへの加入は見送られていた。広島空港やJR広島駅等では、路面電車やバス利用者への注意喚起のため、suicaやPASMOが利用できない旨の告知表示がなされていた。

 1月に地元紙で、全国相互利用サービス対応のため2017年度末をめどにシステム改修をすすめる旨の報道がなされており、今回、正式に広電、広島県バス協会、JR西日本の連名で発表された。

 ただし、現行のICOCA対応と同様、PASPYを対象エリア外で使用することはできない。全国相互利用サービスに対応するsuicaやPASMO、PiTaPaといったIC乗車カードを、PASPY対象エリアで使用できる、いわゆる「片利用」方式となるため注意が必要である。

 香川エリアでは、2002年に琴電、四国旅客鉄道(JR四国)などが共通でIC乗車カードを発行するといったん報じられたが、各社の足並みが揃わず、先行して2005年に琴電が「IruCa」を導入した経緯がある。その後JR四国は、2014年に瀬戸大橋線ほか香川県の一部でICOCAを導入し、独自のIC乗車カード発行は断念している。

 2017年3月に地元紙が、IruCaの全国相互利用サービス対応について報じていたが、今回、琴電とJR西日本の連名により正式に発表された。こちらもPASPY同様、IruCaを他社線で利用することができない「片利用」方式での導入となる。また、当初は電車線のみの相互利用対応となり、順次、バス路線への利用拡大も視野にいれるとしている。

 IC乗車カードについては、当初、地域独自のサービス提供などを目的として、全国各地で従来の磁気券方式から独自ICカード方式への切り替えが相次いだ。

 2013年の全国主要10社局による全国相互利用サービス開始後、観光客等の利便性向上のため、全国相互利用サービスへの参加や、IC乗車カードの切り替え事例が相次いでいる。例として、宮崎交通では、2002年に独自のIC乗車カード「宮交バスカ」を導入したが、2015年に西日本鉄道系のnimocaに切り替えを行った。

 全国相互利用サービスの1カ月あたりの利用件数は、当初の8,700万件から今年8月には1億7千万件まで増加しており、今後も相互利用サービスの範囲は拡大していくものと思われる。