謝罪会見を行う豊田真由子氏(写真:日刊現代/アフロ)

写真拡大

「このハゲーっ!」ですっかり有名になった後に行方をくらまし、約3カ月の時を経て、「文藝春秋」(文藝春秋)や記者会見で涙ながらに自らの正当性を主張した豊田真由子氏。「次の総選挙に出ませんと申し上げているわけではなく……」と出馬もにおわせた。

 しかし、彼女を知る国会議員や秘書たちは「嘘ばっかりで、あきれてものも言えない」と憤慨しているという。

 その証拠に、9月25日には公設第二秘書の女性が退職を決意したことも報道された。この第二秘書は、一連の報道を受けて豊田氏が入院した後の事務所を守ってきたが、それについて豊田氏から謝罪やねぎらいの言葉は一切なかったという。

 国会議員秘書歴20年以上のベテランである神澤志万が、豊田氏への思いを綴った。

●謝罪会見終了後にスタッフを罵倒か

前略

豊田真由子様

 衆議院が解散され、総選挙は10月10日公示、22日投開票となりました。

 9月に入ってから、引退を表明されたベテランの衆議院議員の方もいらっしゃいます。先生方の功績を思い起こすと、感無量です。「長らく、日本のためにありがとうございます。お疲れ様でした」と申し上げたいです。

 でも、豊田先生は引退を表明されないのですね。予想はしていましたが、私たち永田町の秘書はあきれるばかりです。衝撃的としかいいようのない「このハゲーっ」の音声公開から3カ月間の雲隠れの果てに、突然メディアの取材に応じ、自分を正当化するような話をされたことには驚きました。それに対して、秘書たちは「ちーがーうーだーろー」と言っていますよ。

 矛盾だらけの記者会見は、真の姿を知っている秘書たちからすると、“茶番”でしかありませんでした。会見中、時折涙ぐみ「めまいがする」としゃがみこんでいたのに、終了後はスタッフに強い口調で文句を言っているのを見ていた人もいます。さすがに「このハゲーっ」は出なかったようですが……。

 9月25日に、公設第二秘書のAさんの退職が報道されました。とても残念ですが、予想はしていました。ただし、報道がAさんの意思に基づくものかどうかは疑問がありますが。

 6月に「週刊新潮」(新潮社)で秘書への暴行や暴言が報じられた後で、豊田先生が音信不通となった3カ月間、Aさんはずっとメディアや支持者の対応に追われていました。政策秘書で青森県板柳町町議会議員の松森俊逸氏と、その妻で第一秘書のCさんにも取材が殺到しました。

「豊田先生とは連絡が取れない」と言っても、信じてはもらえなかったでしょう。とても大変だったと思います。

 でも、突然メディアの取材を受けるために出てきた豊田先生は、Aさんに謝罪もねぎらいの言葉もなかったそうですね。これでは、どんな秘書もすぐに辞めてしまいますよ。

「文藝春秋」のインタビューでは、辞めた秘書の数を「15名程度」とおっしゃっていますが、この3ヵ月ですでに、「新潮」報道にあった政策秘書のBさん、松森氏、そしてAさんと、3人も公設秘書が辞めています。以前はもっと辞めていたし、クビにしたこともありますね。

●「汚部屋」「片付けられない女」

 発端となった「ハゲ問題」も、「Bさんのミスがひどすぎたせい」とのことですが、果たしてそうでしょうか。まず大前提として、バースデーカードの宛名を間違えたのは、「ハゲ」と罵倒されたBさんではなく、第一秘書のCさんでした。

 それらをすべてBさんのせいにして、「嫌がらせのようにしょっちゅう間違えてばかりいるBさん」を思わず厳しく叱責した……という話にしていますが、その前提からしておかしいと言わざるを得ません。

 そして、長くバースデーカードの発送作業を担当していたスタッフを問答無用でクビにしたのは、豊田先生ご自身ですね。クビになった担当者はきちんと引き継ぎ書をつくっておいたのに、Cさんがそれを見ないで作業したことがミスの原因です。

 そもそも、なぜBさんはICレコーダーを用意して録音しようと考えたのでしょうか。それは、豊田先生が常に怒鳴っていたからです。あの日だけ「思わず声を荒らげてしまった」のであれば、録音はできませんし、しようとも思いません。

 そして、Bさんだけでなく、ほかにもたくさんの元秘書たちが豊田先生の暴言を録音しています。この大量の録音データがいっぺんに世に出たら、どのように説明されるのでしょうか。

 豊田事務所のスタッフは公設秘書からアルバイトまで常に怒鳴られ、家族のことまであげつらわれて、クビにされたり自ら辞めたりしています。身を守るために録音しようと思うのは当然のことでしょう。

 また、豊田事務所は、「汚部屋」でも有名ですね。突然辞めさせられた(あるいは辞めた)スタッフたちの私物も多く、誰も引き継いでいない書類があちこちに散乱しているようです。

 また、豊田先生ご自身も「片づけられない女」として有名です。デスクの上は病的な乱雑さだと聞いています。そんな汚部屋で建設的な政策立案はできないと思います。

●元秘書たちは「甘く見るな!」と憤っている

 スタッフとまったく連絡を取らなかったのに、いきなりメディアの取材を受けたことも問題だと思います。一連の報道を受けて自民党に離党届を出してからの3カ月間は、どちらにいたのですか?

 国民の血税から給料をいただいている以上、せめて病状や入院先の病院を公表すべきでした。もっとも、豊田先生は以前から秘書をまったく信用せず、独断専行でしたね。秘書をはじめ、他人を信用してこなかったツケが回ってきたということに気付いているのでしょうか?

 また、ママ友もいないと聞いていますが、やはり誰も信用できないし、自分より能力が低い方とはお付き合いしないからではないでしょうか。有権者に選ばれる議員としての資質に疑問符がつきます。

 どんな仕事も1人ではできません。国会議員も地元のみなさんと事務所のスタッフとの連携があって初めて仕事として成り立ちます。私たち秘書は、豊田先生ほど優秀でなくても、お互いの足りないところを補って助け合うことを大事にしています。

 政策立案など、本来の仕事以外でも連携し、豊田事務所のようにブラックな事務所の情報も共有しています。被害に遭う秘書が少なくなるように協力しているのです。

 私たち秘書のネットワークを甘く見ていませんか? あなたの嘘は、すべてお見通しです。あれだけの騒動を起こしておきながら、まったく反省せず、今も事務所のスタッフたちにイライラをぶつけていますね。永田町では、みんな知っていることです。それでも、総選挙に出馬するのでしょうか。

 豊田事務所の元秘書たちは「私たち秘書を甘く見るな!」と憤っています。 総選挙が見ものです。

 報道によれば、9月18日の支持者への説明会には、後援会長はもちろん、ほかの自民党関係者も出席していなかったそうですね。無所属のあなたの選挙を、誰が助けてくれるのでしょうか。第二秘書のAさんも辞める以上、選挙は戦えないでしょう。

草々

神澤志万 拝
(文=神澤志万/国会議員秘書)