【YOUNG GUNS TALK/第2回】東口順昭×市丸瑞希…ガンバ大阪の先輩と若手が互いの想いを語り合う

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■市丸 “どこかでチャンスをもらえれば、やれる自信はある”

原: まず東口選手、ロシア・ワールドカップ出場、おめでとうございます。

東口: ありがとうございます。

原: 緊張感あった?あのオーストラリア戦は。

東口: そうですね。合宿で集まった時から、みんなピリピリしてました。集中力高くトレーニングしてましたし、いつもとは違いましたね。

原: 次がアウェイでのサウジアラビア戦ってことを考えれば、引き分けでも難しくなる可能性があったからね。

東口: 実際にそのあと、サウジアラビアには負けてしまいましたし、本当にオーストラリア戦で決まってよかったです。

原: 市丸はオーストラリア戦、テレビで見ていたの?

市丸: 僕はいちサポーターとして見てました。勝ったらいいなと。

原: チームメイトの井手口(陽介)がゴールを決めた時はどうだった?

市丸: あれは、思わず声が出ちゃいましたね。

原: 同年代の選手の活躍に刺激を受けたと思うけど、市丸は最近チームで試合に出られてない。その現状をどういうふうに捉えている?

市丸: 足りていない部分ははっきりとわかっているので、もちろん悔しい思いもありますけど、そこまで焦りはないです。

原: 今20歳でしょ。U-16代表の時から知っているけど、センスはあるなと思っていたよ。ガンバは良い選手が多いからね。井手口がいて遠藤(保仁)がいて、コンちゃん(今野泰幸)がいて。井手口なんかはまさにそうだけど、ガンバのなかでポジションを取れれば、代表に行けるくらい。そういう意味でも、まずはガンバで試合に出ることが求められるね。

市丸: そうですね。まずはそれが目標です。

原: 練習を見たけど、全然見劣りしないし、堂々とやっている。チャンスはあるんじゃない?

市丸: そうですね。どこかでチャンスをもらえれば、やれる自信はあります。

原: 試合に出るために何が必要だと考えている?

市丸: やっぱり全体的な能力が他の選手よりも低いと感じています。足も遅いので、もっと考えてもっと動かないといけないですし、球際ももっと強くしないといけないと思っています。

原: 遠藤も足は速くないけど、予測とか周りを常に見ていて、相手の裏をかくプレーをしているよね。良い見本が近くにいるから、学べるものもたくさんあるんじゃない?

市丸: そうですね。練習からヤット(遠藤)さんはそういうプレーを狙っているし、そこが見えているんだと、驚かされることもよくあるので勉強になりますね。

原: 東口から見て、市丸がもっとこうしたらいいと思うことはある?

東口: 技術は高いので、自分から要求して、もっと周りを動かすくらいにやったほうがいいんじゃないかなと。まだまだ遠慮を感じますね。

原: 東口も大事な時に怪我をしたりして、なかなかブレイクできなかったよね。

東口: そうですね(苦笑)。

原: 新潟で試合に出て、代表に東口を呼ぼうかと考えていたときに、ファン感謝デーで怪我したりして。

東口: そうです(笑)。

原: 今なら笑って言えるけど、前十字靭帯だがから半年以上かかったでしょ。

東口: それを2回やってますからね。

原: どうやって乗り越えてきたの?

東口: いや、なんもないですけどね。8カ月リハビリしてましたから。絶対治して戻ろうというモチベーションもあるんですけど、最初のほうは曲げ伸ばしもできないし、歩けないので、そのモチベーションもすぐになくなってくる。けど、リハビリをしないといけないので、しょうがない感じでやってましたね。

原: そんな日々がありながら、新潟からガンバに移籍して、今では代表にも入っているというのは、すごいよな。

市丸: すごいですね。

原: 市丸は大きな怪我は?

市丸: 1カ月以上の怪我は中1の時以来ないです。

原: 身体は丈夫なんだ。

市丸: だと思います。

原: 怪我でダメになっちゃう選手は多いから、いいことだと思うよ。じゃあ、もっとやれるんじゃない?

市丸: そうですね(笑)

■東口 “ユース育ちには負けたくないという気持ちはある”

原: 同世代のライバルは誰?。

市丸: やっぱり、一個上の(井手口)陽介くんは、越えないといけない存在だと思っています。

原: 井手口は代表で活躍して、自信もってプレーしている感じはあるよね。井手口に負けないっていう強みはなに?

市丸: 僕はどちらかというと周りを生かすプレーが得意なので、チャンスメイクのパスだったり、アシストだったりで、違いを見せたいと思っています。

原: 守備はどうなの?

市丸: 高校まで自信を持ってやっていましたけど、プロに入って、今野さんだったり、陽介君と一緒にやってみると、まだまだ足りないなと感じますね。

原: 東口はガンバのジュニアユースで、本田(圭佑)と家長(昭博)と一緒だったんでしょ?

東口: そうです。でも、俺と圭佑はユースに上がれなくて。

原: その2人が今、代表でやっていているっていうのは、市丸にとってもヒントになると思うよ。市丸はある意味エリートでやっているけど、東口はどうやって、自分を変えていったの?やっぱり悔しい思いとかが原動力になった?

東口: 悔しい思いはめちゃめちゃありましたね。高校や大学の時は、見返してやろうという気持ちでやっていました。その結果、戻って来れたので良かったですけど、やっぱりユース育ちには負けたくないという気持ちはあります。

原: 一回エリート街道から外れたような選手のほうが、この野郎という想いはあるよね。もちろん順調に来た選手にも強い気持ちはあるだろうけど、その気持ちを出すか出さないかで、全然違う。本当はあるのに出さないのはないと同じ。市丸は今、本当に大事な時期にいると思うよ。そこを越えられれば、すごく変わると思う。

市丸: はい。

原: 東口は大学から、なんで新潟に行ったの?

東口: ガンバと新潟に誘われたんですが、最初に誘ってくれたのが新潟っていうのもありますし、大阪で生まれたけど新潟の大学に行って、そこに縁があるんじゃないかなと感じていました。新潟に恩返ししたいなっていう気持ちで、アルビレックスに入りました。

原: それでガンバに戻ってきて、ユース上がりの選手に感じるものもあったんじゃない?

東口: そうですね。確かに上手い。だけどっていう……。

原: だから市丸も、練習の中でガンガンやって、変わってきたなって周りに思わせることが重要だよ。そうすれば監督も、メンバーに入れようか、ってなるはず。ちょっとしたことだけど、そこを越えていくというのを俺は期待しているね。

市丸: そうですね。その通りだと思いますし、もっとやらなくてはいけないっていうのを今日、改めて気付かされました。明日の練習から、先輩後輩関係なく、ポジション奪う気持ちでやっていきます。

原: いいね。口だけじゃだめだからね。東口にちゃんと見ていてもらうから。

市丸: はい(苦笑)。

■東口 “最近の若手はおとなしい”

原: ちょっと話は変わるけど、今までで一番プレッシャーを感じたことってなに?

市丸: 僕は、去年の10月にあったU-19アジア選手権のグループ予選第3戦のカタール戦が、一番緊張したというか、プレッシャーを感じましたね。1、2戦目は出れなかったんですが、同じボランチの神谷優太(湘南)が怪我をして、3戦目にチャンスが来たんです。負けたら敗退、引き分けでも突破が難しいなかで、自分が出て負けたらどうしようという気持ちがありました。結果的に3-0で勝てたので良かったですが、負けたらやばかったですね。

東口: 僕はJリーグで先発デビューした時ですかね。

原:何年の時?

東口: 2010年ですね。前の試合で正GKの黒河(貴矢)さんが怪我をして、途中からピッチに立ったんですが、1分後に失点してしまって。次の試合は自分が先発って決まっていて、しかも相手がガンバ。プレッシャーで、前日は寝られなかったですね。

原: 結果はどうだったの?

東口: 0-0でした。結構止めて、仕事できたんで良かったです。

原: そのプレッシャーをどういうふうに乗り越えたの?

市丸: 僕は試合の笛が鳴るまでプレッシャーを感じていて。入場とか国歌斉唱の時は足が震えていました。でも、笛が鳴ったと同時に、パッと集中できて。特別なにかあったわけではないですが、自然と試合に入れたし、動きも良かった。あの試合は自分の中では、ベストに近いパフォーマンスを出せました。

東口: 僕の場合は、前日寝る前に、布団の中で考えすぎてしまうんですけど、しばらくしたら、急に「もうええわ」っていう瞬間が来るんですよ。そこからプレッシャーが一気になくなって、翌日の試合でいいプレーができる。それがルーティーンみたいになっていますね。

原: 市丸に限らず、チームの若手に対して東口はどういう印象を持っている?

東口: 最近の若手はおとなしいですね。

原: レイソルの大谷(秀和)も言っていたな。

東口: ギラギラしてないというか、してるんでしょうけど、もっとやってやろうというのがあまり感じられない。サッカーを黙々とやっている感じですね。

市丸: やっているつもりんなんですけど、自分がやっていると思っているだけではダメ。周りの評価がすべてなんで、もっとやらないといけないと思います。

原: 先輩の選手に、若い世代は……、って言われることをどう思うの?

市丸: 僕は、周りのことを聞き入れちゃうんで。自分のなかで絶対に違うなと思ったら反論しますけど、そう思われているんだなと感じたら、素直に変えていこうと思いますね。

原: 俺だって上の人に言われたし、だんだんいい方向に向かっていくんだろうけど、やっぱりいろんなものを変えていくのは若い人たちなんだよな。若い人たちが怖がらずに向かっていって、先輩も若手に負けたくないと、さらに頑張る。ガンバにはレベルの高い先輩がたくさんいるわけだから、その環境を上手く生かしてもらいたいね。

市丸: はい。

■市丸 “ガンバでポジションを獲ることが、東京五輪への近道だと思う”

原: TAG Heuer YOUNG GUNS AWARDの「革新は、いつだって若い世代から生まれる」っていうテーマを、市丸はどう捉えているの?

市丸: よく世代交代っていう言葉を使われますが、世代交代を待っているだけではだめだと思います。そのポジションを自分から奪っていかないといけないですし、自分が中心になるくらいの気持ちでやっていきたいですね。

東口: やっぱり若い世代の勢いで革新が生まれてきたら、先輩も負けてられないと思うし、それが相乗効果につながる。それはサッカーだけじゃなく、日本の社会全体にとっても大事なことだと思います。

原: 最後に、今後の目標を聞かせてよ。

東口: 僕はずっと日本一のGKになりたいと思っているので、そのためには代表でレギュラーを取らないといけないですし、ガンバでももっと圧倒的なパフォーマンスを見せないとダメだと思う。来年はワールドカップもあるので、そこでしっかりレギュラーとして試合に出て、活躍するのが目標です。

原: 今、Jリーグで韓国人のGKが多いけど、思うところある?

東口: もちろん負けてられないという気持ちもありますし、吸収できるものはしっかりと自分のものにしていきたいです。

原: 海外だとGKのステータスが高い。日本はそうなってほしいよな。

東口: そこを変えられるのは自分らだと思うので。もっとGKの価値を高めていきたいです。

原: 市丸の目標は?

市丸: ひとつは2020年の東京五輪は目標としてあります。でもまずは、ガンバで中心となれるようにやっていきたいです。

原: まずは、そこだな。

市丸: ガンバでポジションを獲ることが、東京五輪への近道だと思うし、A代表にも近づくはず。まずはこのチームでしっかりと、レギュラーを奪い取りたいです。

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】 

Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。

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