日本と中国が1972年に国交を正常化して45年。2012年の沖縄県・尖閣諸島国有化をきっかけに冷え込んだ両国の間には依然としてわだかまりが残る。海を隔てた隣国同士の関係改善の歩みは鈍いままだ。資料写真。

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2017年9月29日、日本と中国が1972年に国交を正常化して29日で45年。中国は日本を抜いて国内総生産(GDP)が世界2位の大国に発展したが、2012年の沖縄県・尖閣諸島国有化をきっかけに冷え込んだ両国の間には依然としてわだかまりが残る。海を隔てた隣国同士の関係改善の歩みは鈍いままだ。

日中の関係改善が遅々として進まない根底には両国の国としての成り立ちが大きく異なることがある。中国共産党中央委員会機関紙・人民日報の電子版は8月末、「混乱と停滞の西側諸国、安定と発展の中国」とのコラムで、「まさに中国の特色ある社会主義の制度的優位性のために中国はグローバル化の過程における花形となり、圧倒的多数の中国人はその受益者となったのだ」と強調した。

政治制度については「中国には民衆全体の利益を代表する政治勢力があるが、西側諸国にはない。西側の政党は『一部の利益の党』であり、各政党は各集団の利益を代表する。したがって、国の政策は揺れ動き、各政党間、各利益集団間でしばしば引き裂かれる」と指摘。「中国共産党は誠心誠意人民に奉仕する党であり、中国の近代化事業において全局を総覧し、各者を調整する指導中核としての役割を発揮している」と誇示した。

経済制度に関しても「新自由主義政策のために西側諸国は金融危機、債務危機、経済危機に陥った」と説明。「中国の発展させる社会主義市場経済の本質は『見えざる手』と『見える手』が有機的に結合し、公有制経済と非公有制経済が共に発展する新たなモデルだ。市場経済によって資源配分の最適化を図ると同時に、社会主義によって最大の公平と正義を担保する」と自賛している。

さらに、中国におけるナショナリズムの台頭も日本をはじめ近隣諸国の警戒心を呼び起こしている。韓国・中央日報は4月の米中首脳会談で中国の習近平国家主席が「韓国は中国の一部だった」と発言したとされることに触れた記事で、「中国共産党の執権正当性問題」を取り上げた。

この中で同紙は「労働者と農民のための社会主義国を建設すると言っていた中国共産党は改革・開放以降は資本家まで抱きしめる事実上の全民党になった」と解説。「社会主義理念ではこれ以上国民を武装させることができなくなった中国共産党が代替理念として切り出したのが愛国主義だ。これは攻勢的民族主義の別の名前だ」と危惧している。

日本政府観光局によると、昨年1年間に日本を訪れた中国人観光客は637万3000人。45年前には全く想像もできなかった数字だ。その一方で中国が領有権を主張する尖閣諸島の日本領海への中国公船による侵入はすっかり常態化している。価値観が違う隣人との付き合いはやはり難しい。(編集/日向)