アンチェロッティの後任を探せ!トゥヘルか若手有望株かはたまた…バイエルン新監督候補は?

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カルロ・アンチェロッティがバイエルン・ミュンヘンの指揮官を解任された。イタリア人指揮官はドイツで指揮した最初のシーズンでブンデスリーガ優勝を勝ち取ったが、バイエルンがタイトルを渇望するチャンピオンズリーグ(CL)は準決勝で敗退。また新シーズンは低調なスタートとなり、その代償を払うことになった。

バイエルンは今シーズン6試合を終えて首位ドルトムントと勝ち点3差をつけられ、また水曜日のCLパリ・サンジェルマン戦では0−3の完敗を喫していた。イタリア人指揮官との別れを決めたバイエルンだが、行く手には難しい状況が待ち受けている。シーズン残りを託す後任として選択可能な指揮官は限られているからだ。

『Goal』ではバイエルンがアンチェロッティの後任として選びうる3人の候補者を選出し、それぞれの可能性を探った。

■トーマス・トゥヘル

かつて現役時代バイエルンでプレーし、今シーズンからアンチェロッティのアシスタントコーチを務めていたウィリー・サニョルが、正式な次期監督を見つけるまでの暫定監督として指名された。

時間が許せば、クラブは来夏に完璧な後任を見つけるだろう。だが残りのシーズンをサニョルの手腕に任せる自信をクラブ幹部が持てなければ、今できるだけのことを尽くして後任を探すはずだ。

そこで、まず挙げられるのはトーマス・トゥヘルだ。44歳の指揮官は昨シーズン終了と同時にドルトムント監督を退任し現在はフリーの身だ。トゥヘルは素晴らしい経歴と、鋭い戦術眼の持ち主として評価されている。だが彼はジグナル・イドゥナ・パルクでクロップほどの功績を残すことはできなかった。5月に獲得したDFBポカールのタイトルが、彼が在任期間中に勝ち取った唯一のタイトルである。そのクロップも、ペップ・グアルディオラが率いたバイエルンからブンデスリーガのタイトルを奪うことはできなかったわけだが。

バイエルンがトゥヘルとの契約を結ぼうとした場合、彼らはトゥヘルが短期的にも長期的にも仕事を果たす男だと信じてサインする必要がある。かつてマインツを率いたこの男はプロジェクトに沿った役割を果たすタイプの指揮官で、ただシーズン終了までの穴埋めとして暫定的に任せられる人間ではない。トゥヘルは3年以上というスパンでクラブを前進させられる監督で、応急処置的な対応が上手いわけではないことを念頭にバイエルンは検討すべきだろう。

■ユリアン・ナーゲルスマン

ホッフェンハイムの希望ともいえる青年監督ユリアン・ナーゲルスマンは、まさにバイエルンが求める次期監督像に合致する。ナーゲルスマンはミュンヘンの街とのつながりが非常に深い。そして彼はいずれドイツ最大のクラブを率いてみたいという野望を隠していない。

彼は最近にも『ユーロスポーツ』でこう語っていた。

「バイエルン・ミュンヘンでの仕事は私の仕事における大きな夢だよ。何年もミュンヘンに住んでいたからね。出身地のランツベルク・アム・レヒはミュンヘンからそう遠くないんだ。私の妻も子供たちもミュンヘンに一時的に住むことになる。今そっちに自宅を建設中なんだ。私たちのホームタウンになる。今の人生でもとても幸せさ。でもバイエルン・ミュンヘンとなるとその幸せはさらに増すことになる。でもだからといって私の人生がすべてバイエルン次第というわけではないよ」

しかし彼はまだ30歳で、トップチームの監督としても2シーズン目を迎えたばかりだ。アンチェロッティとの残り2年の契約を全うした後で、彼の招聘に乗り出したとしても悪いスケジュールではなかっただろう。

ホッフェンハイムで昨シーズン4位につけCLプレーオフ出場権を獲得したこの青年監督の才能に疑いはないが、それでも彼と契約することにはリスクがある。自身より年上のアリエン・ロッベンやフランク・リベリといった頑固なベテラン勢を説得することができるのだろうか。

ホッフェンハイムはCLプレーオフでリヴァプールに敗れヨーロッパリーグにまわったが、そこでも初戦でブラガ相手に黒星を喫し、2戦目でもルドゴレツに敗れている。彼はまだ手綱の扱いを学んでいる最中であることを忘れてはならない。

またナーゲルスマンがシーズン途中でホッフェンハイムを投げ出すのかという問題もある。彼らは今シーズンここまで6試合負けなしと好調で、リーグではバイエルンより勝ち点1上回っている。

バイエルンが本気でナーゲルスマンの才能を買っているとしても、こうした状況をどう乗り越えて彼を迎えるのか考える必要がある。それが今すぐか来夏になるかは、サニョルがいつまでその勤めに耐えられるか次第といえる。

■あるか、サプライズ…

今見てきた2人以外にもバイエルンは広く候補者を探していることは間違いない。

ラルフ・ハーゼンヒュットルはナーゲルスマンやトゥヘルほどの押しはないが、昨シーズンは2部から昇格したばかりのRBライプツィヒを率いてブンデスリーガ2位へと導いた。バイエルンに惜しくも及ばず2位に終わったライプツィヒだが、強豪とされるドルトムントやホッフェンハイムではなく彼らが年間を通して王者バイエルンと優勝を争い続けていたのだ。まさに大旋風を巻き起こしたわけだが、スポンサーの大きな後ろ盾があって成し遂げられたという点も考慮すべきだろう。

バイエルンが今シーズン末までと区切ってサニョル以上の経験を持つ指揮官を探すのであれば、かつてクラブでプレーしたニコ・コヴァチという選択肢もある。コヴァチはアイントラハト・フランクフルトを指揮し、2015-16シーズンには辛くも降格を逃れた。昨シーズン前半は6位で折り返すなど好調だったが、徐々にフォームを崩し最終的には11位でリーグを終えた。このクロアチア人指揮官は限られた戦力の中でなんとかやりくりしており、バイエルンへのキャリアアップのチャンスが巡ってくれば喜んで手を挙げることだろう。

そして最後にユルゲン・クロップの可能性だ。バイエルンは自分たちのタイトルを最後に阻んだこの男に関心を抱いていた。だが相思相愛というわけではないようだ。

バイエルンの上層部が彼の手腕を評価したとしても、クロップはこれまですべてが整えられたクラブを指揮することに関心を示さず、ただ純粋に必要な手段を講じてトロフィーを勝ち取ることを追求してきた。
いま彼はアンフィールドでいささか難しい時間を過ごしているが、リヴァプールを離れそうにはなく、バイエルンにやってくる見込みはないだろう。

文=オリ・プラット/Oli Platt