お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、村守絵理子さん(仮名・制作会社勤務・29 歳)からの質問です。

「ねんきん定期便の見方がわかりません。どこを見れば、将来自分がいくらもらえるかわかりますか?」

届いていますか?届いていますよね、ねんきん定期便。とりあえず開いてはみるものの、なんだかよくわからないから放置!ってなっていませんか? 

せっかくのお手紙です。大事なことが書いてあるかもしれません。ほら、契約書とか規約書ってちっちゃい字で、すごく損することが書いてあったりするじゃないですか。ちゃんと見とかないと、損しちゃうかもしれません。で、どこをどう見たらいいんでしょう。

さっそく、森井じゅんさんに聞いてみましょう。

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え!?ねんきん定期便じゃ年金がいくらもらえるかわからないの!?

毎年1回、誕生月に届くハガキ、「ねんきん定期便」。

なんだかよく分からない……と放置している人もいるのでは?

ねんきん定期便とは、これまで保険料を納付してきた実績や将来の年金給付に関する情報が記載してあるお知らせです。

しかし、質問の「自分がいくらもらえるか分かりますか?」へのお答えは「はっきりとした数字は分かりません」です。

ねんきん定期便にはいろいろな情報が書かれています。なじみのない方も多いと思いますので、ざっくりと記載内容をお話しますね。

ねんきん定期便に書かれている内容とは……!?

ねんきん定期便は、誕生月の2か月前までのデータを基に作成されていて、具体的に記載されている項目は大まかに次のおとりです。

1)これまでの年金加入期間

年金は、「国民年金」「厚生年金保険」の合計月数が120月に満たない場合には、受けることができません。もちろん現時点で120月を超えている必要はありません。これまでどれくらい加入期間があるかの目安にしてください。

2)これまでの加入実績に応じた年金額

これが相談者さんの「自分がいくらもらえますか」への答えに近い部分です。この数字は、現時点の納付実績から計算した、将来毎年いくら受け取ることができるか、と いう想定の金額です。

定期便作成時点までに支払われた実績に基づく額なので、金額が少なく見えると思いますが、慌てないでください。今後の加入実績が増えることによって、将来受け取ることができる実際の年金額は変わってきます。

ちなみに、50歳以上の方のねんきん定期便には、現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定した、現時点の年金想定額が記載されます。

加入実績に応じた年金額と並んで、これまでの保険料納付額の記載があります。これは、これまで納付してきた国民年金保険料や給与から天引きされてきた厚生年金保険料の累計額です。

3)QRコードとアクセスキー

「ねんきんネット」を利用する場合に使うものです。「ねんきんネット」については少し後に詳しく説明しますね。

4)直近1年間の月別状況

国民年金と厚生年金保険に分かれて記載がなされています。国民年金については、納付済や未納、免除等の記載があります。

厚生年金の欄には、給与水準である標準報酬月額や標準賞与額の記載、納付した保険料の記載があります。この数字には事業主負担は含まれていません。給与から天引きになってきた額になります。

ところで、35歳、45歳、59歳の方には、封書の「ねんきん定期便」が届きます。ハガキのねんきん定期便には、直近1年間の納付状況が記載されていますが、封書のねんきん定期便には、これまでのすべての納付実績の詳細が記載されています。

ねんきん定期便のチェックポイントは?

ハガキのねんきん定期便でも封書のねんきん定期便でも、いちばん確認していただきたいのは、月別の加入状況や納付状況です。

特に気を付けていただきたいのは「未加入」もしくは「未加」という記載があるかどうか。

加入していて納付していたはずなのに未加入と認識されているケースでは、年金記録に「漏れ」や「誤り」が含まれている可能性があるのです。

学生のときに国民年金に加入していた、いろいろな名前の読み方がある、勤務先の会社が、合併・社名変更・倒産したなどのケースでは漏れや誤りの可能性が高くなります。

しっかり確認しましょう。

『ねんきんネット』を使いこなそう

漏れや誤りがあった場合にそのままにしておくと、将来もらえるべき年金がもらえない可能性があります。ご自身のデータを確認して、誤りや漏れがあった場合には、必ず年金事務所に相談してください。

封書のねんきん定期便に同封されている「年金加入記録回答票」に漏れや誤りを記載して郵送することもできます。

また、ねんきん定期便の内容を確認したいけれど紛失してしまった、という場合には再発行も可能です。ただし再発行には2〜3か月時間がかかってしまいます。

そこで便利なのが『ねんきんネット』です。

日本年金機構のねんきんネットのページから、電子版ねんきん定期便の確認ができます。

電子版では、封書のねんきん定期便のように、これまでのすべての加入期間の詳細な情報を確認できます。ねんきん定期便に記載されているアクセスキーが分かれば、すぐにIDを取得しデータを確認できます。

たとえ、アクセスキーが分からなくても、基礎年金番号を準備して利用登録をすることができます。利用登録をするとユーザーIDが郵便で送られてきますので、そのユーザーIDを使ってデータを確認できるようになります。

ユーザーIDを取得するまで5日程度はかかってしまいますが、ねんきん定期便の再発行よりは短時間です。

登録すればいつでも確認できるようになります。

年金手帳ありますか?基礎年金番号わかっていますか?

実は、割と多い相談が、これまで年金についてあまり考えたこともなく、年金手帳もみあたらず基礎年金番号も分からないというケースです。

基礎年金番号が分からない場合には、年金事務所で教えてもらうことも可能です。年金手帳の再発行も、最寄りの年金事務所でできます。身分証明書を持って最寄りの年金事務所に行ってみましょう。

現状だと、年金もらえるのは65歳からだとか。春には花見、秋には紅葉って、のんびり眺めながら生きていくくらいしか思いつかないんだけど、老後、それすらもムリなんですかね。

 



■賢人のまとめ
ねんきん定期便でわかるのは、「現状、いくら年金がもらえるか」まで。将来の確定した年金額はわかりませんが、目安にはなります。漏れや誤りがあると、もらえるはずの年金がもらえなくなる場合も。まずは、「未加入」「未加」という記載がないかをチェックしてください。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。