【マツダ CX-5で甲州ワイナリーをめぐる旅】ロングドライブで実感した人気SUVの進化と真価

写真拡大 (全12枚)

2017年2月にフルモデルチェンジした、マツダのクロスオーバーSUV「CX-5」。マツダの次世代技術“スカイアクティブテクノロジー”を全面採用した初代モデルの後を受け、2世代目は車両運動制御にも最新テクノロジーを採用するなど、進化を遂げています。

さて、クロスオーバーSUVといえば、アウトドアレジャーなどに使われる方も多いのではないでしょうか。となると気になるのは、ロングドライブでの快適性や実用性。今回は、神奈川の横浜から、山梨と長野にまたがる八ヶ岳まで、往復500kmのロングドライブに出掛け、改めてその実力を検証することにしました。

クルマを受け取り、いざスタート! と、その前に、現行CX-5のラインナップについて、改めておさらいしておきましょう。

駆動方式は、エントリーモデルとなる2リッター車はFF(前輪駆動)のみですが、その他のエンジンでは4WD仕様も設定。搭載されるエンジンは、ガソリンとクリーンディーゼルの2本立てで、ガソリンは2リッター(155馬力)と2.5リッター(4WD=184馬力/FF=190馬力)、ディーゼルは2.2リッターのターボ付き(175馬力)が用意されます。

ボディサイズは、全長4545×全幅1840×全高1690mmと、市街地でも持て余すことのないディメンションで、装備に応じてガソリン車、ディーゼル車ともに3グレードが用意されます。

さて、横浜から八ヶ岳方面へと向かうルートはいくつかありますが、高速道路を使った最も短いコースを進めば、行程は約180km。2時間半ほどで到着します。しかし、自由気ままに寄り道できるのも、クルマ旅の楽しさ。そこで今回は、横浜から乗った高速道路を相模原で降り、“道志みち”と呼ばれる峠道を経由して、まずは山中湖を目指すことにしました。

実はこのルート、行楽渋滞とは無縁なのですが、大小のカーブが続く区間があり、ドライバーにも同乗者にもありがたくないコースかもしれません。

ステアリングを握るCX-5には、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、スムーズな車両挙動を実現する制御技術“GVC(G-ベクタリングコントロール”が搭載されています。GVCは、ハンドル操作の修正量や、修正の頻度を軽減し、乗員にかかるGの変化をなめらかにする電子制御デバイスです。

まさに“人馬一体”をクルマづくりのテーマに掲げるマツダらしいテクノロジーといえますが、実はその効果を体感することは、案外難しいのです。というのも、クルマとの一体感が高まることで体の揺れが減り、乗り心地も向上するというのがGVCの主な効果なのですが、峠道やロングドライブで“疲れを感じない”というのは、なかなか実感できないことなのです。とはいえ今回、約40kmにおよぶ道志みちでもハンドル操作で不安を感じたことはありませんでしたし、助手席に座っている時でも、体や頭が不意に揺れることはありませんでした。

山中湖畔でひと休みした後、中央自動車へと上がり、双葉サービスエリアに併設されたスマートインターチェンジで高速を降ります。山梨といえば、日本におけるワイン発祥の地。ということで、甲州ワイナリーをめぐるべく「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」へと向かいます。

ここは、ワインの製造過程やワインセラーの見学ができるだけでなく、敷地内のぶどう畑や背後の八ヶ岳、遠くに見える南アルプスというロケーションもあって、ちょっとした異国情緒も楽しめます。また、ワイナリーでしか飲めない樽出し生ワインなどの試飲もできる…のですが、今回はドライブ旅なので試飲は我慢。ワインの販売コーナーやチーズ工房もあるので、お土産選びに専念します。

1軒目のワイナリーを後にして、甲州街道を北西に進みます。30分ほどで甲斐駒ケ岳が間近に見える山梨県北杜市に入り、ほどなく2軒目となる「シャルマンワイン山梨ワイナリー」に到着します。

シャルマンワインは、1888年に江井ヶ嶋酒造として設立。1919年には百合ブドー酒、1921年には白玉ホワイトワインを発売した老舗醸造所です。1万6000屬里屬匹η星爐飽呂泙譴織錺ぅ淵蝓爾蓮標高600mという丘陵地にあります。標高だけでなくその冷涼な気候は、ワイン用ぶどうの栽培に適しており、フランス・ボルドーにも匹敵する好条件を備えているのだそうです。こうした環境を生かし、シャルマンワインでは、ヨーロッパ系ワイン専用ぶどうを栽培し、本格熟成ビンテージワインの醸造に取り組んでいます。もちろん、敷地内の直売店では、試飲や販売も行っています。

今回は2件のワイナリーを訪ねましたが、山梨は明治初期からワインづくりに取り組んできた国産ワイン発祥の地。現在では約80社のワイナリーがあり、国内生産分の約30%を生産しています。また、近年では品質も急速に向上。“甲州ワイン”として海外でも高い評価を得るようになりました。ワイナリーめぐりというと海外というイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、東京からでも日帰りや1泊程度で十分に楽しむことができるのです。

2軒目のワイナリーを後にした時点では、夕方というにはまだ早いという時刻。そこで、ちょっとだけ足を伸ばすことにし、清里、野辺山方面へと向かいます。

甲州街道から小淵沢インターチェンジを目指し、そのまま北東へ。中央道をくぐった辺りから急な上り坂が続き、気温も下がり始めます。そのまま20mほど山道が続きますが、CX-5は急な上り坂、タイトなコーナーを力強く、かつ軽快にクリアしていきます。特に目的地は決めていませんでしたが、清里を過ぎた辺りでは、風の涼しさから標高の高さを肌で感じるようになります。

東京や神奈川から寄り道をしながら約250km。八ヶ岳周辺というと、近くも遠くもない距離感ゆえ、普段はじっくりと訪れることのなかったエリア。本音としては、クルマで来るにはちょっと面倒かな、と思っていましたが「走ったな!」という達成感を得るには、ちょうど良い距離でした。もしかしたら、開発に当たって“人間中心”を重視したCX-5だったからこそ、さしたる疲労を感じることもなく、長距離ドライブの心地良さだけを実感できたのかもしれません。

さて、現在地はというと、国立天文台の巨大電波望遠鏡やJR最高地点で知られる長野県の野辺山周辺。そして、時計を見ると間もなく日没を迎える時刻。「もっと遠くへ…」という気持ちもありましたが、今回はそこで帰路に就くことにしました。本当は、天文台の見学や周辺の散策もしたかったのですが、それはまた次の機会に。CX-5なら、数百km程度のドライブなんて、大したコトではありませんからね。

ちなみに、今回のロングドライブでは、道中、ガソリン車とディーゼル車の乗り比べも行いました。

まず皆さんが気になるのは、燃費かと思いますが、ガソリン車で11km/L強、ディーゼルはその10〜15%増しというのが、おおよそのデータです。2名乗車+撮影機材、そして全行程の約半分がアップダウンの続くワインディングであったことを考えれば、納得いく結果ではないでしょうか。

そして双方のドライビングの感触は、甲乙つけがたい、というのが正直なところ。高速道路を淡々とクルージングする、また、上り坂が続くという状況ではトルクフルなディーゼルが、一方、ワインディングや街中でキビキビとしたドライブを楽しみたいなら、ガソリンかなという程度の違いにすぎません。

確かにガソリンエンジンの場合、中央道などの勾配の大きい坂道ではシフトダウンするといったシチュエーションも少なからずありましたが、ショックそのものを感じることはありませんでしたし、伸びやかな加速感も魅力といえるのではないでしょうか。静粛性も良好で、長距離クルーザーとして高い資質を備えるディーゼルモデルですが、ドライビングという行為を楽しみたいという方には、ガソリンモデルもまた捨てがたい選択肢になると思います。

<SPECIFICATIONS>
☆25S Lパッケージ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1610kg
駆動方式:4WD
エンジン:2488cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:184馬力/6000回転
最大トルク:25.0kg-m/4000回転
価格:321万3000円

<SPECIFICATIONS>
☆XD Lパッケージ(4WD)
ボディサイズ:L4545×W1840×H1690mm
車両重量:1680kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 ディーゼル+ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:175馬力/4500回転
最大トルク:42.8kg-m/2000回転
価格:352万6200円

(文&写真/村田尚之)