暑さを乗り切った後の貧血対処法と「休む勇気」の関連性とは【写真:Getty Images】

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夏の過ごし方の影響が秋に表面化…体のミネラル分が不足した「貧血」に注意

 残暑もやわらぎ、さわやかな秋風が吹き始めた今日この頃。「スポーツの秋」と言われる季節が到来した。フィジカルトレーナー兼フィットネスモチベーターの中野ジェームズ修一氏が、スポーツトレーニングの舞台裏を語る定期連載。今回のテーマは「秋とトレーニングの共存」だ――。

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 気温と湿度の高い日本の夏は、スポーツをするには非常にハードな環境です。当然、コンディションを崩しかねないと心配される保護者や指導者の方も多いでしょうが、本当に注意しなければいけないのは、夏ではなく「秋」です。

「夏合宿ではガンガン走れていたし、ついていけた。このまま行けば、秋からさらに調子が上がるに違いない」と思った矢先、まったく力を発揮できない。過去、このようなパターンで苦しんだ選手をたくさん見てきました。

 実は、夏の過ごし方の影響は秋になって表面化します。例えば、食欲がないからと栄養をしっかり摂っていなかったり、十分な水分補給を行わなかったりすると、脱水症状からくる不調が現れます。実際、調子が上がらない、体がだるいという選手たちに血液検査をすると、体のミネラル分が不足した「貧血」という結果が出るのです。

 また、「がむしゃらに頑張りすぎる」のも逆効果です。

「なんとなく」の不調が続くときは、休む勇気、休ませる勇気も必要

 元マラソン選手であり、アテネオリンピック金メダリストの野口みずき選手の言葉に、「走った距離は裏切らない」という名台詞があります。あえて、この言葉を借りますが、ときには走った距離は裏切ります。フィジカルの状態やコンディションを無視してハードなトレーニングを続ければ、疲労は蓄積する一方。当然、怪我もするし、体調も崩します。

 もちろん、強くなるためには厳しいトレーニングも必要です。しかし、怪我をしては元も子もありません。貧血の症状は、「なんとなく」疲れる、「なんとなく」調子が出ない、「なんとなく」体が重い、「なんとなく」上手く走れないなど、「なんとなくおかしい」と感じるのが特徴です。「なんとなく」の不調が続くときは、休む勇気、休ませる勇気も必要です。

 夏を調子良く乗り切れたらからといって、安心するのは禁物。「食欲がなくても栄養のあるものをしっかり食べる」「水分を補給する」「十分な睡眠をとる」。この3点は日々、心がけましょう。

長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima