29日、中国共産党系の人民日報傘下の環球時報は、「安倍晋三首相が中国との関係改善を望むシグナルを発した」と題する社説を掲載。普段は強硬な論評が目立つ同紙だが、関係改善へ前向きな論評をしている。資料写真。

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2017年9月29日、中国共産党系の人民日報傘下の環球時報は、「安倍晋三首相が中国との関係改善を望むシグナルを発した」と題する社説を掲載。普段は強硬な論評が目立つ同紙だが、関係改善へ前向きな論評をしている。

記事は冒頭、安倍首相が28日夕方に、日本の首相としては15年ぶりに中国大使館主催の国慶節祝賀セレモニーに出席したことを伝えた。安倍首相はスピーチで、日本のホストによる日中韓首脳会談の年内開催、日中首脳会談の速やかな実現、習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪日を望んでいることを述べた。記事は、「両国関係が低調な中、安倍政権が中国に向けて発した関係改善のシグナルと言える」と分析した。

そのうえで、「2012年の尖閣諸島国有化以降、5年に及ぶ関係の冷却化と摩擦を経て、日中双方で関係改善に向けた潜在的な願いが強まっている。緊張状態の終結は、両国の外交情勢に大きな改善をもたらすからだ」と指摘する。

記事は、現在日中間に存在する各種の問題の多くは「意地の張り合い」によるものだと論じ、解決が難しい一方で「容易に避けて通れる」ものだという。「両国の対立は、互いに大国化を目指す中で生じる衝突が原因。しかし重要なのは、日本がアジア最強の国であるという時代はすでに過ぎ去ったということ。国家戦略を調整して、新たな情勢への適応に努めることが、未来に向けた唯一の戦略である」と、日本側が中国の台頭を受け入れるべきと論じた。

そして、「日中の友好路線回帰は理性的な選択だが、昨今は中国でも日本でも強硬姿勢が国内世論に喜ばれる傾向にある。米国の存在やネット世論の影響力上昇により、日中友好のハードルはとても高くなっている」と憂慮を示す一方、「5年の時間を経て中国はより寛容になり、日本社会の対中認識もより客観的になった。一挙に改善することは難しくとも、改めて両国が近づく要素を少しずつ積み重ねていくことは十分に可能だ」と前向きに論じている。(翻訳・編集/川尻)