昨年開発が発表された"FULL ACTIVE"ディスプレイ(写真: ジャパンディスプレイの発表資料より)

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 ジャパンディスプレイ(JDI)は26日、スマホ画面のフレーム部分をほとんど感じさせない(0.5mm)新型液晶パネルを発表した。iPhoneの導入が喧伝されるため、スマホ全体が有機ELパネルに移行しているかの錯覚を抱きがちだが、単一供給メーカーであるサムスンの量産立ち上げが難航しており、iPhoneですら止む無く発売時期を繰り下げているのが実態だ。

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 JDIも新しい経営再建策の中で有機ELの開発を加速させる旨の発表をしているが、有機ELの量産技術の確立には相当のハードルがある。例えば有機ELテレビに採用されている大型有機ELパネルは韓国LG電子の独壇場で、スマホ向けの小型有機ELパネルはサムスンのみが生産中である。

 有機ELは大型が生産できれば自動的に小型も生産出来たり、その逆が可能というような単純なものではなく、技術的な相違点や生産上の課題がそれぞれ固有に存在している。危機感を抱いたJDIでは、社長直轄の有機EL量産化プロジェクトチームを発足させ、研究開発部門や設計部門から400名の精鋭を集めて量産体制確立に動いているが、それでも、19年半ばに量産技術を確立し、20年に本格量産に踏み切る計画を策定するのが限界なのである。

 今回ミネベアミツミなど8社の先端技術を持ち寄って開発した新型ディスプレイ「FULL ACTIVEディスプレイ(フルアクティブディスプレイ)」は、液晶画面の四辺のフレーム部分をほとんど感じさせない幅に抑えて自由に設計できる利点を持ち、中国スマホ大手の小米(シャオミ)が旗艦モデル「MIX2」に採用するほか、中国最大手の華為技術(ファーウェイ)が採用する意向をみせており、アップルも有機ELの供給不安が拭えないことから、18年モデルに液晶を残す意向を示しているという。新型液晶パネルが次期iPhoneへ採用されるか否か、JDIの経営再建の今後を暗示させることは間違いない。

 他社との差別化が難しく価格勝負の泥沼に陥っていた液晶パネル業界にあって、優位性をアピールできる新型ディスプレイの持つ意味は大きく、価格面での有利な取引に復帰できる状況になって来た。スマホのみならず車載やパソコンなど様々なディスプレイに応用を進めて、厳しい見通しとなっている2018年、19年の収支状況を改善させることが大いに期待される。