イラク・クルド自治区アルビルの空港(2017年9月28日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】イラクからの独立の賛否を問う独立投票を強行したクルド自治区に住む外国人の間で、域外に退去する動きが広がっている。投票を受けてイラク政府が自治区の中心都市アルビル(Arbil)などに乗り入れる国際線の運航を全面禁止し、域内に取り残される恐れが出ているためだ。地元では影響を懸念する声が上がっている。

「来週渡航の予定だったんですが、今日の便に変えました。ご存じの通り、全ての便が来週から運航停止になるからです」。自治区で国際NGOの物資輸送の調整に当たっている南スーダン出身のハイダル・アフマド(Khider Ahmad)さんは、アルビルの空港でそう説明した。

 背中にかばんをしょってスーツケースを引きながら出発便への搭乗を待っていたアフマドさんは「ここで身動きできなくなるのは避けたい」と話す。

 クルド自治政府は25日、イラク政府などの反対を押し切って住民投票を実施。結果は独立賛成が92.7%に達した。これに対してイラク政府は、アルビルと自治区第2の都市スレイマニヤ(Sulaimaniyah)の空港に発着する国際便を29日から全て運航停止する報復措置を取った。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による被害に遭った人の支援に携わるアフガニスタン系米国人のゼナト・ドラウン(Zenat Drown)さんも、3年暮らしてきた自治区を幼い息子2人と一緒に退去する決断をした。「住民投票のために去るのです。空港閉鎖や何やらで」

 フランス領事館は、イラク政府発給のビザ(査証)を所有しない全ての国民に対して、29日より前に退去するよう求めている。

 アルビルの空港の責任者タラル・ファイク・サレハ(Talar Faiq Saleh)氏は「自治区には国際的なコミュニティーがあるので、運航停止はクルド人だけに対するものではない」と説明し、運航停止が長引かないよう望んでいると述べた。
【翻訳編集】AFPBB News