【しつけ】自分の子どもはどのタイプ?4つの性格からわかる「叱る時に気をつけるポイント」

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朝起きてから夜寝るまで、気がつけば子どもに1日中怒っている……。

キレない子どもを育てるには?大きな影響を与える3歳までの生活習慣のポイント

公共の場だと周りの目もあるし、つい「ダメダメ!」と言ってしまう。褒める子育てをしたいのに……。そんな私はダメなママなの?

叱ることについて悩んでいるママは多いのではないでしょうか。

今回は、長年発達心理学を専門に研究され、人間発達教育科学研究所の所長でもあるお茶の水女子大学の菅原ますみ教授に、発達の観点から見る「子どもの効果的な叱り方」をポイント別にお聞きました。

「叱る」ってどういうこと?

人間社会には無数のルールがあります。刑法・民法といった法的ルール、社会的ルール(道端にゴミを捨てない、信号を守る)から道徳的ルール(仲間外れにしないなど)、慣習的ルール(挨拶をするなど)、家庭のルール(寝る前にお風呂に入る、ゲームは1日30分など)。

子どもはまっさらの状態で生まれてきて、この膨大なルールを数年でたくさん学ばなくてはいけません。

このルールを教える作業が「しつけ」です。
子どもに社会のルールを学ばせ、導いてあげる!それこそが親の大事な役割なのです。

叱る=怒る、ではありません。叱る=しつけと考えていただくと良いです。

どんな場面で子どもを叱っているか考えてみよう!

朝なかなか着替えない、遊び食べをする、片付けない、準備をしない、お風呂に入ろうとしない、夜寝ない、など。

それはだいたい親の思うスピードで子どもが動いていないという場面です。

イライラするママの気持ちもわかりますし、それが必要な場面もあります。

でも必要以上に叱らないためには、ある程度叱る場面を限定することも大切です。

絶対に叱らないといけない場面とは?

ある程度場面を限定することをオススメしましたが、この3つは最低限教えて行かなければなりません。

ケガにつながるような危険なこと人に対して乱暴する社会のルールを守らなくても平気でいる

ほかにも、これはして欲しくないということがあれば増やしてもいいです。

ただし、あまり増やしすぎない方がいいでしょう。

子どもの発達と個性を知ると叱り方が見えてくる!

子どもの年齢と発達の関係や、個性を知った上で子育てをすると、なるほど!と思うことがたくさんあります。

下記を参考に、年齢と子どものタイプをじっくり考えてみてみましょう。

年齢

しつけを始める適齢期は1歳半〜2歳です。

この頃はイヤイヤ期のピークです。子どもにはまだ、わたし・ぼく、という意識しかなく、他の人の都合や気持ちがわからない時期です。

しかもまだ我慢するコントロールがついていない時期。しつけの練習期間と思いましょう。大人の環境設定を見直してみることも大切です。

子どもは、この時期から繰り返し起こる小さい出来事をちゃんと学習しているのも事実。そのため、なんども言い聞かせていくことも必要です。

コントロールのできないこの時期、子どもにどう接したらいいのでしょうか。

子どもの頑固なわがままに対しては、他のことで気を紛らわす、触って欲しくないものなどは子どもの手の届くところには置かない、少しでも我慢できたらほめてあげるなど、とにかくあらゆる手段を使って人生最大のわがまま期を乗り切っていくことにしましょう。

3歳くらいになると言葉もかなり発達し、親の言葉がけにしたがって自分の気持ちを少しコントロールできるようになります。そのため本格的なしつけは3歳過ぎから!と考えてください。

この世にはルールがある、ことを少しずつ教えなければなりません。子どもの性格を知って効率的にルールを教えてあげましょう。

子どものタイプ別叱り方

次に、自分の子どもはどんな性格をしているか考えてみましょう。下記の図を参考に当てはまる部分を確認してください。

今回は、性格(個性)=統制性×活動性の2軸タイプでご紹介します。

【統制性】衝動性・自己コントロール力のこと。欲求や感情を制御しやすいかどうか。

【活動性】エネルギーの大小を指す。エネルギーが旺盛で外に向かう子ほど目立つタイプに。

■A :がんばりやさんタイプ

行動的でガッツがあるタイプ。頭ごなしに怒鳴ると素敵な個性をつぶしてしまうので、「あなたならできる!」
といったポジティブな勇気づけが必要。

■B :おだやかさんタイプ

「これはダメかな」と自分で不安に感じて自制できるタイプ。そのため厳しい言い方は逆効果。恐怖で行動を制限してしまいます。多くを要求せず、優しく許すことを繰り返しながら自信を育てていきましょう。

■C :マイペースタイプ

のんびりだらだらで怒られがちなタイプ。「叱る」より「支える」を意識して守らせたいルールは1つか2つに厳選。
小さな「できる」をたくさん増やしていくことが成長につながります。

■D :やんちゃタイプ

とにかくパワフルなタイプ。してはいけないことはその場で止めて、きっぱり叱るのが基本。
自己コントロール力を伸ばせるように、親が根気よくサポートしてあげましょう。

たとえば、2歳のイヤイヤ期に我慢するよう言い聞かせても、年齢的にまだ理解することができなかったり、4歳の不安の強く自制できるタイプの子どもにきつい言い方をすると萎縮して次の行動に移れなかったり、やんちゃな子に静かに注意しても聞き流されてしまったりします。

子どもの発達や性格によって叱り方を変えていくことで、個性を潰さず聞き入れてくれるようになってきます。

子どもの社会性はゆっくりと育つもの。他者間の気持ちや考えを第3者の立場から見られるようになるのは、9歳頃。長い発達の道のりが必要なのです。

※詳しく知りたい方は書籍「その叱り方!問題です」のなかで項目別にチェックする「子どもの個性チェックテスト」があります。

叱る時に気をつけるポイント

ママが一生懸命叱っても相手に通じてなければ疲れ果ててしまうだけです。

ここでは叱る時に気をつけたいポイントを紹介します。

子どものした行動を叱るその場で短い言葉で伝える他の子と比較してしからない次はどうして欲しいかを伝え改善を届ける

そしてルールをちゃんと守れたときには褒めることが大切。叱るだけでは何がOKかわからないからです。(とくに家族以外の人に褒められると効果が高いそうなので、ママ友と相談するのもアリですね)

菅原教授から毎日がんばるママたちへのメッセージ

「子育てに大事なことは気長に待つことです。小さな子どもにルールを教えてもすぐに身に付くことは難しく、失敗して叱られ、守れるようになってほめられ、少しずつ実力があがっていきます。

だから他の子と比較して育てづらいな、と思っても粘り強くルールを教えてあげると、年齢が上がってそれが良い結果に繋がることもたくさんあります。

ママが一番のコーディネーターになってあげることが大事ですが、発達や子どもへの接し方に悩んだ時は、専門家に相談してください。

子育てをしていると大変な場面に遭遇することもいろいろありますが、どうしても解決できないその時は「撤退する勇気」も大切です。電車のなかで子どもが機嫌を直せないときは、降りてひと休みしたり、騒いでお店では買い物ができない時期は通販でしのいだり。

長い人生のなかでのほんのひとときのイヤイヤ期です。臨機応変に工夫して乗り切りましょう。

そして一番大事なのはママのコンディションです。ママがしんどい時は心にも余裕がなくて些細なことにイライラするもの。そんな時は周りの人にヘルプを出してください」

いかがでしたか?

2歳児を育てている筆者も納得することばかりでした。

自分が怒っている場面を考えたら確かに親の都合が多かったとか、叱ること自体あまりよくないのかな、と思っていたので、「叱ることはルールを教える」。という言葉は、素直に心に響きました。

また、年齢による発達を知ることで「まだ、その時期ではないんだ」と思えることもあり、気持ちが楽になりました。

息子もこれから3歳を迎え、本格的なしつけが始まりますが、個性をちゃんと見て接してあげたいと思います。

子育てはいつの時代も大変なことなのに、サポートもなく頑張るママたちがたくさんいます。

それを周りがわかってあげることも大事なことなのではないでしょうか。

<取材協力>菅原ますみ

お茶の水女子大学基幹研究院 人間科学系教授。同人間発達教育科学研究所 所長。文学博士。
専門は発達心理学・発達精神病理学。パーソナリティの発達に影響する環境のあり方について、乳児期からの追跡調査によって検討している。

著書『子ども・家族への支援計画を立てるために―子ども自立支援計画ガイドライン』『保育の質と子どもの発達』『子ども期の養育環境とQOL』『貧困と保育』ほか多数