高齢者の家庭内事故が急増中!?転倒を防ぐ対策とは

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最も安らげる場所である自宅。しかしながら、実は家の敷地内で発生する事故が非常に多いことをご存じだろうか。特に、足腰の弱った高齢者にとって怖いのが「転倒」。骨折や、最悪の場合寝たきりになるのを防ぐため、専門家に危険な場所と対策について聞いてみた。

■高齢者が最もよく転ぶ場所とは

お話を伺ったのは、福祉用具のレンタルや住宅改修を手掛ける株式会社カンパニュラ代表取締役、磯貝一さん。

「転倒の場合に限ると、最もリスクが高いのは庭。次いでリビング、玄関、階段です」(磯貝さん)

家庭内で転倒する場所というと階段が真っ先に思い浮かぶが、意外にも第4位。庭というだけでも驚きだが、8割は平面における転倒なのだとか。

「洗濯物を干している最中などに平面でつまずき、骨折などの怪我に繋がるケースが非常に多いです。私が実際に目撃したケースで言うと、掃き出し窓のご家庭で、庭に出るときにつまずいて転んでしまうことがとても多く見受けられました」(磯貝さん)

続いて、家族がくつろぐリビングでは、どのような危険があるのだろうか。

「リビングでは、カーペットなどの敷物を敷いているご家庭も多いですよね。部屋一面に敷いてある場合は特に問題ないのですが、テーブルの下など一部に敷いてある場合、床との間に1cmほどのわずかな段差ができます。あと、敷物の端がめくれあがっている場合がありますので、こうした段差につまずいてしまうようです」(磯貝さん)

ほんのわずかな差でも、足腰の弱い人にとっては転倒する要因になってしまうとのこと。転んだ先に机があった場合、角に頭を打つなど、さらに被害が出る場合があるので注意しよう。

■加齢により明るさを感じにくくなる!?

玄関や階段の場合、明らかな段差があるのでイメージしやすい。特に階段では、お年寄りが自覚しにくいある要因が絡んでいるようだ。

「年を重ねると、下半身の筋力が低下します。加えて、つま先が上がりづらくなるのも原因であると推察されます。実は、私たちが階段などちょっとした段差を上るとき、つま先は少し上に上がっているんです。しかし、高齢者の場合は上がりません。なので、つま先が引っかかって転倒しやすくなっているんですね。あと、高齢になると当然視力は低下しますが、実は明るさを吸収する能力も低下するんです。つまり、同じ明るさでも、若い人に比べて高齢の人は暗く感じているのです」(磯貝さん)

足元を暗く感じることにより、さらに転倒のリスクが高まるのだという。
 
■介護保険を利用すると、住宅改修費が支給される!

では、転倒を避けるための対策として、何をすればよいのだろうか。

「庭の場合なら、ステップや手すりをつける工事、敷石を撤去する工事が必要です。リビングの場合なら、敷物を撤去するか、いっそ部屋の全面に敷いてしまうこと。玄関や階段も、手すりが無いなら、手すりをつける工事が必要です」(磯貝さん)

しかしながら、工事やリフォームとなるとお金が掛かるイメージで、なかなか踏み切れない人も多いと思うのだが……。

「その場合は、介護保険を利用しましょう。多くの方が誤解されていますが、介護保険とは介護が必要な状態になってから利用する制度ではなく、原則40歳になると必ず加入させられる強制保険です。要介護状態にならないための『予防』目的もあり、住宅改修費が最大20万円、そのうち8~9割が支給されます」(磯貝さん)

介護保険は、65歳以上であれば「立ち上がりが不安定」といった軽度の人も対象となる。全くどこも問題のない元気な人は対象外だが、いずれにせよ申請が必要なので一度役所に相談してみよう。

ただ、どうしてもすぐに対策したい!という人は、ホームセンターの商品を購入するのがおすすめ。「例えば、階段には滑り止めのシートを全ての段に貼るとよいでしょう。日曜大工が得意な人なら簡単に取り付けられるような手すりも販売されていますので、安く済ませたい方は利用してみてもよいと思います」(磯貝さん)

便利なグッズはたくさんあるが、生活スタイルをガラっと変える必要はなく、あくまで現在の生活導線上に工夫を施すことがポイント。例えば、今まで素足で生活していた人が急に転倒防止用のスリッパを履き始めるなど、高齢者が新しいことを始めると慣れるまでに時間がかかり、それが怪我に繋がる可能性があるとのこと。気を付けよう。

なお、「教えて!goo」では「あなたは家の中で怪我をしたことはありますか?その場所は?」ということで皆さまの回答を募集中だ。

●取材協力:株式会社カンパニュラ

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)