米アマゾン・ドットコムは、好調な音声アシスタント機器市場でシェアをさらに拡大すべく、大胆な一手を打った。

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競争激化する音声アシスタント市場

 同社は9月27日、AI(人工知能)搭載アシスタント機器の新モデルを発表した。従来であれば、新モデルを一つずつ発表し、顧客の動向を見ながら、販売戦略を固めていく、というのが同社のスタイルだが、27日に発表した新モデルは実に、6種類ある。

 この市場では、今年12月に米アップルが、AIアシスタント「Siri」搭載のスピーカー型機器「HomePod」を米国、英国、オーストラリアで発売する予定。アップルは2018年にその販売地域を拡大し、日本向け製品も登場する見通しだ。

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 また先ごろは、米グーグルが、AIアシスタント「Google Assistant」搭載のスピーカー型機器「Google Home」に、小型モデルを追加すると報じられた。Google Homeについては、より高級なハイエンドモデルを開発しているとも伝えられている(米9to5Googleの記事)。

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発表した6製品とは

 こうした中、アマゾンが発表したのは、(1)「Amazon Echo」の新モデルと、(2)ホームオートメーションを利用する際に必要となる外部機器の機能を組み込んだ上位モデル「Echo Plus」。

 さらに(3)丸形ディスプレーを備えた小型モデル「Echo Spot」も発表。(4)これらEchoシリーズと、家庭の固定電話機をつなぎ、音声命令で手軽に電話をかけられるようにする周辺機器「Echo Connect」も明らかにした。

 このほか同社は(5)映像配信機器「Fire TV」の新モデルも発表。こちらは、Echoと連携し、音声命令で、同社のアシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」を呼び出せるようにした。

 最後に発表したのは、(6)Echoシリーズと接続し、家族や友達同士で、Alexaを使った早押しクイズなどを楽しめるようにするボタン型機器「Echo Buttons」。

来年にはBMWにAlexaを搭載

 同社が明らかにしたのは、これだけではなかった。アマゾンはドイツ自動車大手のBMWグループと手を組んだ。来年半ばにも、BMWとMINIの乗用車で、Alexaが利用できるようになる。これにより音声命令で、ルート案内サービスを受けたり、電話をかけたり、家にある家電を操作したりできるようになるという。

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 果たして、今回発表したすべての製品が、これまでのように消費者に受け入れられるのかどうかは分からない。しかし、同社は今回、異例の「撃ちまくり」戦略に出たと、米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 家庭は、いまだスマートフォンによって完全に支配されていない分野。しかも、家庭は我々の生活の大部分を占める場だ。

 米国の音声アシスタント機器市場では、アマゾンのEchoが7割のシェアを持っている。しかし、同社はライバルに攻め込まれる前に、家庭市場におけるライバルとの差をさらに広げようとしている。

筆者:小久保 重信