28日、中国の元駐大阪総領事で現在は中国国際問題研究基金会研究員の王泰平氏は、中国メディアの環球網に寄稿した記事で、日中関係を改善するための5つの課題について論じている。資料写真。

写真拡大

2017年9月28日、中国の元駐大阪総領事で現在は中国国際問題研究基金会研究員の王泰平(ワン・タイピン)氏は、中国メディアの環球網に寄稿した記事で、日中関係を改善するための5つの課題について論じている。

王氏はまず「中日関係に存在する構造的かつ深刻な問題の解決には、非常に高度な政治的知恵が必要であり、10〜20年先を見れば希望がもてる」とし、今後の10年前後について「チャンスとリスクが共存する時期であり、中日関係の前途を決める極めて重要な時期であり、敏感な時期でもある」と指摘。日中関係を改善するためには、以下の課題に正確かつ適切に対処すべきだと提言している。

1つ目の課題は「戦略面から相手を正しくポジショニングすること」だ。王氏は「今後の中日関係の発展は、双方が各自の心理的問題を解消できるかどうかが大きな鍵となる」と指摘する。日本については「中国に対する優越感を改め、現実を直視し、中国の発展を正しく見直す必要がある」とする。一方、中国の人々に対しては「国家の地位にふさわしい自信を持つべきであり、過去100年余り受けてきた日本の侵略と圧迫による精神的な傷から抜け出し、日本への対抗心と弱者心理を捨て、問題に理性的に向き合って処理し、感情的になることを防ぐべきだ」としている。

その上で、日本が対中関係における重要な問題に正しく対処できるかは「中国の変化を客観的に認識し、心理面で中国の発展に適応し、戦略面から中国を正しくポジショニングし、中国はパートナーであるかライバルであるかという認識面での問題を解決することにかかっている」と述べている。

2つ目に指摘しているのが「歴史問題」だ。王氏は「歴史に正しく向き合うことが、中日関係の政治的基盤であり、中日の信頼関係の確立の出発点だ」と指摘する。日本に解決が待たれる大きな課題は「中国とアジアの人々が深刻な災害に遭ったという歴史を認め、否定するのではなく、併せて、実際の行動でアジア諸国の懸念を取り除くことがだ」としている。

また、「中国人は中日関係において一貫して前向きな態度を持っている。45年前に中国は過去の憎しみを捨て、日本と国交を正常化し、不愉快な歴史のページをめくることを望んでいる。だが残念なことに、国交正常化からの45年間、歴史問題が常に両国関係に影を落としてきた。これは中国人が古いことを蒸し返すのが好きだからというわけではなく、『中日共同声明』の精神が汚され、民族の感情が傷つけられた状況下で、やむを得ない反応であり、『風で揺れている樹木が静かになろうとしても、風が止まないため静かになれない』ためなのだ」とした。そして「国交正常化45周年に際し、こうした経験や教訓を総括し、共通認識に至ることは、21世紀における健全な中日関係の発展に極めて必要だ」と論じている。

3つ目の課題は「台湾問題」だ。王氏は「台湾問題は中国と各国との関係における重大な原則だ」とし「台湾問題の鍵は、外国が中国の内政に干渉せず、中国の統一を損ない、中国人の感情を傷つけるようなことをすべきでないということだ」と指摘する。

その上で「45年の日中関係を振り返ると、台湾問題は常に重要な敏感な問題として存在していた。『中日共同声明』と両国指導者が合意した関連の協議と覚書を順守するかどうかが直接、中日関係の健全かつ円滑な発展に関連することであり、中国政府と国民が一貫して関心を抱いていることだ」とし、「一つの中国を堅持し、分裂に反対し、外来の干渉に反対するという中国の立場は揺るぎのないものだ」「この国家の主権と領土の完全、民族の尊厳に関わる問題において、いかなる柔軟でゆるみのある余地も存在せず、妥協や譲歩はなおさら不可能だ」と強調。「日本政府は、『二つの中国』の製造に参加せず、台湾との公式な関係も発展せず、台湾独立を支持しないという約束をした。中国はこれを重視している。日本はこの約束を誠実に守るべきだ」としている。

4つ目は「尖閣諸島問題」だ。王氏は「釣魚島(尖閣の中国名)問題で、中国と日本にはそれぞれの立場があり、意見の相違が存在している」とした上で、「意見の相違を認めないことは、自分をだまして他人もだますことだ」とし「両国は、この問題が両国関係の大局に影響を及ぼさないよう、共通認識に至り、意見の相違をコントロールしなければならない」としている。

最後の課題は「日中の経済関係」だ。王氏は「中日の経済関係は中日関係における重要な内容だ」とし「過去45年間の中日関係の発展の重要な成果の一つは、両国が経済面で各自の優位性を有し、相補性の強い関係を形成できたことだ」と指摘する。

その上で「中日経済協力の大きな発展は、中日の政治関係の絶え間なく堅固な発展を前提にして達成された。政治面での良好な関係なくして、実りある経済関係が存在しないことは、45年間の経験から証明されている。両国関係にある問題を正しく取り扱い、適切に対処し、中日関係が妨害を受けず長期的に安定した発展を維持することは、真の共存と共通の繁栄を保証するものだ」と論じている。(翻訳・編集/柳川)