共同開発された4K/3D手術用顕微鏡「ORBEYE」(写真: オリンパスの発表資料より)

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 ソニーとオリンパスが医療事業に関する合弁会社として2013年に設立したソニー・オリンパスメディカルソリューションズは19日、3社協業して開発した4K/3D手術用顕微鏡システムを発表した。

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 「それぞれが単独ではなし得ない価値を、親会社2社の技術を惜しみなく投入して、外科領域に提供する」とした自信の作品である。

 この3社が最初に作り上げた作品が2015年に発表した4K内視鏡システムだ。ソニーのイメージング技術に、オリンパスの光学技術および医療事業のノウハウを掛け合わせて開発したものである。この製品のアピールポイントとしては、1)光源からレンズ、イメージセンサー、信号伝送、画像処理、表示までの全ての要素を4K向けに最適化したこと、2)手術シーンで重要な赤色を中心に広い色彩再現性を確保したこと、3)4Kのデジタルズームで広い視野を確保したこと、等があげられていた。

 今回発表されたシステムの最大の特徴は“接眼レンズをのぞく”作業から執刀医を解放したことである。今までの光学式手術用顕微鏡システムでは顕微鏡の接眼レンズをのぞく必要があるため、執刀医の眼精疲労が大きな問題となっていた。新システムでは4K対応のCMOSイメージセンサーで捉えた映像を55型モニターに投影し、モニターを見ながら手術を行えるようになった。

 さらに、専用の3Dグラスをかけることで3D映像を見ることも可能に。また、モニターに投影された術野映像を手術スタッフ間で共有することになり、チーム内での意思疎通がより進み手術時間の短縮による患者の負担軽減も大いに期待される。

 光学式手術用顕微鏡システム分野では、ドイツの2社が市場を独占し、牙城を突き崩すことは困難を極めていた。今回の新システムはイメージセンサーや画像処理に関するソニーのテクノロジーと光学式顕微鏡や販売、サービスに関するオリンパスの知見が融合した戦略商品で、4Kと3Dで顕微鏡手術(マイクロサージャリー)の概念を大きく変貌させるものである。

 オリンパスはこの新システムを主に脳神経外科領域に向け、今後5年以内を目途として20%の市場シェア獲得を目指す考えだ。販売価格については脳神経外科用の光学式顕微鏡システムと変わらない程度に設定して市場競争力を持たせたいとしており、今後の動向が注目される。