第一滝本館で温泉らしい香りを楽しむなら「美肌の湯」へ

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広〜い北海道。満喫するなら1週間くらい休みがないと、なんて思ってませんか? 初日は11時台の飛行機で向かい3日目の午後には福岡に着いているという2泊3日のスケジュールでも新鮮な海産物に温泉、アイヌ文化と欲張りに体験できるんです。北海道の秋を感じる旅へ出かけましょう。

キムチ味のカニ、という意外性にもひかれる地獄のカニめし(1480円)

■ 1日目11:45 正午前のフライトで福岡空港から新千歳空港へ

11:45発のPeach 福岡発MM455便に乗り、新千歳空港へ。2時間20分のフライトですでに秋が深まっている北海道に到着です。JR、もしくは高速バス「はやぶさ号」で初日の宿泊地、登別温泉に向かいます(温泉街へは共に登別で下車後、路線バスを利用)。

■ 1日目16:30 湯けむりにかすむ登別温泉へ

9種もの泉質のお湯を有する登別温泉では、宿泊した宿はもちろん、日帰り入浴も利用してなるべく多くのお湯を楽しみたいもの。老舗の第一滝本館では5種の泉質を7つの泉源から引いています。ザ温泉、の硫黄の香りを楽しむ「酸性―硫黄温泉(硫化水素型)」、肌の角質を溶かす作用がある重曹成分を含み肌がつるつるになると言われている「ナトリウム・カルシウム・マグネシウム―塩化物・炭酸水素塩泉」、体が芯から暖まる「ナトリウム・カルシウム―塩化物泉」など効能や気分によってぜいたくに選べます。

第一滝本館 ■住所:登別市登別温泉町55 ■電話:0143・84・2111 ■料金:日帰り入浴大人2000円 小人1000円(9:00〜16:00)、大人1500円 小人750円(16:00〜18:00) ■休み:なし

温泉を楽しんだあとは、辛口の「地獄」メニューでもうひと汗。温泉街にある「温泉市場」ではほぐした毛ガニをキムチのタレで味付けした「地獄のカニめし」(1480円)、旬の魚介を使ったピリ辛の「登別閻魔やきそば」(980円)を食べられます。

またラーメン店「味の大王 登別温泉店」ではまさに地獄級の辛さの「地獄ラーメン」(850円)が。温泉→地獄フード→汗を流すために温泉、というエンドレスループも登別ならではかもしれません。

温泉市場 ■住所:登別市登別温泉町50 ■電話:0143・84・2560 ■時間:10:30〜21:00※食事は11:30〜(変動あり) ■休み:不定 ■席数:42席(分煙)

味の大王 登別温泉店 ■住所:登別市登別温泉町29-9 ■電話:0143・84・2415 ■時間:11:30〜15:00(LO14:50) ■休み:火曜 ■席数:18席(喫煙可)

■ 2日目10:00 秋の海の幸を満喫

10月8日(日)は室蘭市の追直漁港で年に一度のイベント「室蘭さかなの港町同窓会」が開催されます。登別駅からはJRで室蘭駅に移動し、駅からはタクシーで追直漁港へ。新鮮な魚介や水産加工品が格安で販売され、なんとサケのつかみどりも(10:30から配布される整理券が必要。中止になる可能性あり)。魚介の炭火焼や9:20〜は大鍋で作る「サケの1000人鍋」(なくなり次第終了)もあり、おなかを空かせて行きたいイベントです。

■住所:室蘭市舟見町 追直漁港 ■電話:0143・22・1118(室蘭市役所経済部農水産課) ■時間:9:00〜13:30(「サケのつかみどり」整理券配布は10:30〜) ■料金:入場無料

■ 2日目 14:45 アイヌ文化が凝縮された異空間へ

JRで室蘭駅から移動し、白老駅下車。徒歩で15分ほどのポロトコタン(大きな湖の村の意味)ことアイヌ民族博物館へ。カヤで作られたチセ(家)が湖畔に立ち並ぶ様子は雰囲気たっぷり。その上館内放送はなんとアイヌ語! 一瞬で外国に来てしまったかの気持ちになります。

毎時15分からは古式舞踊の舞台があるので、ぜひ。踊りのほか、歌の披露やアイヌの代表的な楽器であるムックリやトンコリの演奏もあり、濃い30分を楽しめます。

チセ群手前の民族博物館ではアイヌの歴史や文化、アイヌの人々とカムイ(神)との関係性などを知ることができます。その出口付近にある売店ではアイヌ雑貨を扱っており、演奏を聞いたばかりのムックリ(500円)も購入可能。アイヌ模様をあしらったメモ帳など気軽なお土産選びにもぴったりです。人気マンガ「ゴールデンカムイ」に登場するアイヌの少女のマタンプシ(はちまき)と同様の模様が施されたものも販売されています(4900円)。

アイヌ民族博物館 ■住所:白老郡白老町若草町2-3-4 ■電話:0144・82・3914 ■時間8:45〜17:00 ■料金:大人800円 高校生600円 中学生500円 小学生350円 ■休み:なし

■ 2日目18:00 海鮮居酒屋でアイヌ文化を舌と目で楽しむ

白老駅からJRで札幌駅へ移動し、狸小路近くの居酒屋「海空のハル」へ。アイヌのチセ内部を模した個室で、見てきたばかりのアイヌ文化の余韻を文字通り味わえます(要予約。1日8食限定。チセでのアイヌ料理の提供は17:00〜19:00。それ以外の時間は要相談)。

チセで食べられるのはアイヌ伝統料理セット(2138円)です。

左からチタタプ(サーモンのたたき)。チポロイモ(マッシュポテトのようなもの)、ユク(鹿)の串焼き、カムイトノト(米麹とヒエで作られたお酒)、サケのオハウ(汁物)です。チセもこの料理もアイヌ民族博物館の監修のもと作られており、調理法は当時のものを踏襲していますが味つけは現代風に少しアレンジされています。

同店にはほか、道内の酒蔵をテーマにした個室があり、地酒と北海道の新鮮な魚介が自慢です。チセ滞在後は、ぜひそちらでも北海道の味を満喫してください。

海空のハル ■住所:札幌市中央区南3西4 J-BOXビル5F ■電話011・231・6868 ■時間17:00〜23:30(LO22:45) ■休み:なし ■座席:160席(喫煙可)

さてまだ宵の口。札幌で新定番となりつつあるのがシメのパフェ! お酒とおつまみ、パフェのバランスに配慮しているという「パフェ、珈琲、酒、佐藤」だったら同行者に「シメは強めのお酒派」がいる時も安心です。

一番人気は「堪能コース」(2484円)。700円以下のお酒、日替わりの5種類のおつまみ、コーヒー、パフェ(フルーツパフェ以外)の大満足セットです。ちなみにアイスやムースはすべてお店で作ったもの。お酒を飲んだ後のアイスが大好き、という店長の佐藤智史さんが素材からこだわったおいしいパフェを食べることができます。

パフェ、珈琲、酒、佐藤 ■住所:札幌市中央区南2西1-6-1 第3広和ビル1F ■電話:011・233・3007 ■時間:18:00〜24:00、㊎〜26:00、㊏13:00〜26:00、㊐13:00〜24:00(LO各30分前) ■休み:月曜(祝日の場合は翌日)■席数:25席

■ 3日目5:15 市場でせり見学後、場外市場で朝食&お土産のカニゲット!

朝ごはんは、とびきり新鮮な魚介を目当てに札幌市中央卸売市場の場外市場へ。その前に、すぐ近くの札幌市中央卸売市場でのせりの見学もおすすめです。水産のせりは5:15〜6:30、青果が6:30〜7:30とちょっと早起きをする必要がありますが、すすきの駅周辺からはタクシーで20分ほど。中央卸売市場の中では唯一カニのせりが行われるなど、ならではの見どころもあります(要事前予約。9名以下の場合は2日前まで。10名以上はガイドつき。10日前までに要予約)。

札幌市中央卸売市場 ■住所:札幌市中央区北12西20 ■電話(市場見学受付):011・611・3176 (市場協会8:00〜16:00) ■時間(市場の見学):5:00〜16:00 ■休み:日曜、祝日、市場が定める休市日

せり見学のあとは場外市場でお目当ての市場めしを。せっかくだからカニを食べたい!という人は卸売センター内の「うめぇ堂」へ。カニの卸売問屋である根室杉山水産が運営しており、新鮮な海の幸を使った丼が自慢です。特に「かに丼」(1800円)は、ご飯の上にほぐしたずわいガニ、たらばガニ、花咲ガニのカニの身がびっしり。さらにその上にたらばガニの棒肉を2本乗せるというぜいたくさです。

うめぇ堂 ■住所:札幌市中央区北11西22-1-26卸売りセンター内 ■電話:011・640・2333 ■時間:7:00〜15:00(LO) ■休み:なし ■席数40席(禁煙)

カニはお土産としても喜ばれますが、正直見た目ではどれがいいかわかりませんよね? 店頭に並んだ茹でガニが目を引く札幌場外市場の「北のグルメ」の平出さんにおいしいカニの見分け方を教えてもらいました。ただし、カニを触って確認する方法なので、実践する場合は必ず店の人に断ってからトライするようにしてください。

毛ガニはカニ味噌を楽しみにしている人も多いはず。「毛ガニを下から手のひらで持ち軽く上下に振り、下におろした時にずっしりとした重さを感じる毛ガニはカニ味噌がしっかり入っている」とのこと。また、たらばガニは足を2本重ねて第一関節を押すと身の入りがわかるそう。ただし強く押しすぎると割れるので注意してください。

ずわいガニは殻が硬いものほど脱皮を繰り返している=身が詰まっているのだとか。ツメの大きいのも成長のあかしです。たらばガニと同様に足でも身の入り具合を確認できます。

海鮮市場 北のグルメ ■住所:札幌市中央区北11西22-4-1 ■電話:011・621・3545 ■時間:6:00〜17:00 ■休み:なし

■ 3日目 11:30 新千歳空港へ

いよいよ旅も終盤。JRで新千歳空港へ。空港ビルで海産物やソフトクリームを物色するのもいいけれど、生チョコレートで知られるロイズのチョコレート工場がある「ロイズ チョコレートワールド」へ行ってみませんか? 同店のオリジナル商品約200種がズラリと並んでいますが、今回のお目当てはチョコレートそのものではなく、パン工房「ロイズベーカリー」。一番のおすすめは生チョコレート[オーレ]のガナッシュをサクサクのクロワッサン生地で包んだ「生チョコクロワッサン[オーレ]」(270円)です。

ロイズの板チョコを大胆に挟んだ「グテ」(303円)は見た目のインパクトも大。口にするとアーモンドとヘーゼルナッツのペーストが効いています。

「チョコメロンパン」(200円)はまさにチョコづくし。ココアを練り込んだパン生地に、濃厚なチョコレートクリームを挟んでいます。

チョコで知られるロイズの「パン」は意外性も抜群。お土産としても喜ばれること間違いなし。難点は、人にあげる前に自分で全部食べてしまいそうなこと…。

ロイズ チョコレートワールド ■住所:千歳市美々 新千歳空港ターミナルビル3F スマイル・ロード ■電話:050・3786・3771 ■時間:8:00〜20:00(ベーカリー9:00〜20:00、ファクトリー8:30〜17:30)※時期により変動する場合あり ■休み:なし

■ 3日目 13:20 新千歳空港発PeachMM456 便で福岡空港へ

15:50に福岡に着く便で帰路に。

ちょっと遠いと思っていた北海道ですが、LCCの直行便で安く行くことができ、しかも充実の2泊3日となりました。秋の連休を使って「ちょっと北海道へ」なんて遊び方、アリですね。

【九州ウォーカー編集部】