わずか8分間の出場時間でゴールという結果を残して本田。日本代表指揮官のハリルホジッチにも強い印象を与えたはずだ。 (C) Getty Images

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 パチューカの本田圭佑のコンディションが上向いてきたようだ。9月27日(現地時間)のクルス・アスル戦でダメ押しゴールを決めている。
 
 超攻撃型サッカーを身上とするパコ・ヘメス率いる難敵クルス・アスルを本拠地に迎えた一戦で、3試合連続ベンチスタートとなった本田だが、82分から1トップとして出場機会を与えられると攻守に奔走する。
 
 そして、チームが3点をリードして迎えた89分、自陣からのカウンターで敵陣に果敢に飛び込んだ日本代表MFは、そのままペナルティーエリア内までドリブルで持ち込んで、最後は得意の左足で豪快なシュートを決めてみせた。
 
 6節ベラクルス戦以来となるメキシコリーグでの2点目をゲットした本田の活躍もあり、パチューカは4-0で勝利し、リーグ戦の連敗を3で止めた。試合後、現地メディアは、短い出場時間ながら殊勝の活躍を見せた日本人を称えた。
 
 スペイン紙『マルカ』のメキシコ版は、パチューカの快勝を伝えたうえで本田の得点シーンを振り返り、「ケイスケ・ホンダはクルス・アスルを相手に完璧なゴールを決めた。中盤から飛び出し、相手DFを置き去りにしてゴラッソを叩き込み、チームメイトの手洗い祝福も躊躇せずに受け入れた」と称賛している。
 
 さらにメキシコ・メディア『Wラジオ』は、「日本人ストライカーが、パコ・ヘメスが率いるチームを止めた」と、後期リーグ11戦無敗を誇っていたクルス・アスルからの勝利に貢献した本田の出来を絶賛した。
 
「中盤でボールを受けた本田は、2人の守備者をもの物ともしなかった。一人目をフェイントでいなし、最後はパワーで相手GKヘスス・コロナを打ち負かした」
 
 また、「我々は素晴らしい試合をした。自信を取り戻しつつある」とチームを称えた指揮官のディエゴ・アロンソは、「今日はとてもダイナミックでタイトな試合になると考えていた。だから、ケイスケが試合に入るのは難しいと思ったんだ」と、本田のベンチスタートの理由を明かした。
 
 しかし、ウルグアイ人指揮官は、12月に待ち受けるクラブワールドカップに向けて、本田の重要性も説いている。
 
「我々には、12月に最も重要な争いが待っている。ケイスケは細かいディディールを磨く必要はあるが、必ずチームにとって良い役割を果たすはずだよ」
 
 奇しくも「もっとクラブで試合に出てほしい」というヴァイッド・ハリルホジッチ監督の考えから、28日に発表された日本代表メンバーからも外れた本田。しかし、コンディションも上がってきており、この調子を維持できれば、パチューカでも、サムライブルーでも重要な存在となれるだろう。