軍によって厳重に管理され、生態系が異常な発展を遂げている奇妙な領域「エリアX」の謎を解くべく送り込まれる決死の調査隊を描くナタリー・ポートマン主役のSF映画「Annihilation」の予告映像が公開されています。

Annihilation (2018) - Teaser Trailer - Paramount Pictures - YouTube

荒涼とした大地を進む調査隊。原作となったSF小説「全滅領域」(ジェフ・ヴァンダミア著)では、この調査隊「第11次調査隊」は女性ばかりの部隊として描かれています。



妖しい雲に覆われる領域が、地上に突如として現れた「エリアX」。この中では、動植物が異常な進化を遂げて通常の地球とはまったく違う光景が広がっています。



エリアXと普通の世界の境界は、妖しく光る透明の壁によって隔てられています。この壁に触れたものは、何者であっても一瞬にして消滅してしまいます。



しかし、1カ所だけ通過できる場所が発見されています。そこから幾度となく調査隊が派遣されましたが、いずれも無事に戻ってくる者はいなかったとのこと。



場面は変わり、ある部屋に隔離されるナタリー・ポートマン演じる主人公。



防御服に身を包んだ男が聞き取り調査。「どんな姿だったか、教えてくれないか」



「嫌よ」



「綿のようなもので できていた?」



「わからない」



野を越え、川を進む調査団



「そいつとは何か会話を?」



菌種のような組織を張り巡らす生命体。その中心には、人の亡きがらのようなものが……



エリア内には海も存在している模様



何かの存在を感じさせるまばゆい光



「あなたの夫は調査任務中にあなたに接触しようとした?」



「いいえ、自分で『入る』と決めたの」



「エリア」の中には、普通では考えられない生き物が。角(つの)の部分に花が咲く動物や……



植物と一体化したような人間の姿



超常現象のような光景が広がるエリア内



女性隊員をいくつもの出来事が襲います







何者かに捕らえられたような一行





砂浜に並べられた骸骨が意味するものとは……



映画「Annihilation」は2018年2月にアメリカで公開予定。記事作成時点では、日本での公開は不明です。



なお、原作となった小説「全滅領域: サザーン・リーチ」は、その後に続く「監視機構」、「世界受容」からなる3部作。そのあらすじは、以下のページでうまく紹介されています。

ジェフ・ヴァンダミア「全滅領域」「監視機構」「世界受容」 - 読書日記

地上に突如出現した謎の領域〈エリアX〉。そこでは生態系が異様な変化を遂げ、拡大を続けている。エリアXと世界の境界は、軍が厳重に管理し、誰も近づくことができず、一般人には「深刻な環境災害が発生し、その回復には数十年以上の年月を要する」とい うような報道がなされている。目に見えない境界に触れた瞬間、あらゆる物体は消滅する。その後、エリアXへの入口が発見され、調査隊が派遣された。最初の調査隊は、1人を残して全滅した。2番めの調査隊は、全員が銃で自殺した。3番目の調査隊は、お互いを銃で射ち合って全滅した。以後、調査隊が何度も派遣されるが、無事に生還できた隊は存在しないという。11次におよぶ調査隊が派遣され、膨大なデータやサンプルが得られるが、エリアXの謎はいっこうに明らかにならない。そして新たに、女性隊員のみからなる第12次調査隊が〈エリアX〉に派遣されようとしていた…。

灯台、廃村、沼地、汽水湖、人間のような目を持ったイルカ。

主人公は第12次調査隊の隊員で生物学者である。隊員たちは名前ではなく「心理学者」「人類学者」「測量技師」という役割名で呼び合うことになっている。また入口を通過する際のストレスを避けるため、全員が強力な催眠誘導を施されている。エリアXの中は、一見、外の世界と変わるところがない。フロリダを思わせる森林、湿原、アシ原、海岸、島などからなる自然豊かな土地である。その中に灯台、塔、廃村など、何となく意味ありげな場所が点在する。棲息している動物も水鳥やワニなど、もともとそこにいた生物のようだが、人間のような眼差しで主人公を見つめる不思議なイルカや不気味な鳴き声を発する謎の巨大な水棲動物など、エリアXにしか存在しない生物も存在している。本書のような作品は、異世界の描き方の塩梅で、面白くなったり、つまらなくなったりする。異世界の描写が現実の世界とあまりにかけ離れすぎると、単なるファンタジーになってしまう。その点、この著者はなかなか巧みだ。時代は現代だ。パソコンも携帯電話も存在する。湿地帯や葦原がどこまで続く風景はフロリダあたりだろうか。描かれるエリアX内の地形や生態系は現実の世界とまったく変わらない。しかし、油断していると、その一部に、とんでもない異変が紛れこんでいる。さっき紹介した、不思議な目を持ったイルカも、その一例だ。何気ない風景の中にひっそりと潜んでいる異変。その異変に気づいた瞬間、世界が反転するように別世界に変わってしまう。見慣れた風景が、恐ろしい悪夢に変わってしまっている…。著者は、そんな手法を駆使しながら、異世界を構築していく。