先日、文部科学省が全公立小中学校へのスクールカウンセラーの配置を前倒しにする方針を決めたという報道がなされました。深刻化するいじめ等に対してどれほどの効果を上げることが出来るのでしょうか。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では同ネットの事務長である丸山秀和さんが、カウンセラーの配置は歓迎すべきことではあるとしながらも、それだけではいじめは解決できないということを文科省は認識するべきであると記しています。

いじめ解決に目を向けて

9月12日、文部科学省が、平成31年度を目標にしていた全公立小中学校へのスクールカウンセラーの配置を、1年前倒しにする方針を決めたという報道がありました。その報道によりますと、29年度に2万6,000校に配置されたスクールカウンセラーが、30年度には2万7,500校に拡大されるということです。

文部科学省の言うスクールカウンセラーとは、児童生徒の心理に関して、専門的な知識を持つ専門家で臨床心理士などを指します。学校への配置は、週1日4時間が基本で、貧困・虐待対策では週1日追加する重点配置も行うということです。

文科省の担当者は「子供は悩みの背景に複合的な問題を抱えている。幅広い知見を持つカウンセラーが教員と連携することで、教員には相談しにくい悩みを引き出すことが期待できる」と話していますが、週1日4時間だと面談の事前予約で埋まってしまうというのが現実で、担当者も「今後は時間的な厚みも増やしたい」と話しているとのことです。

いじめにあった子供たちに対して、心のケアをするというのは、とても大事なことだと思います。その点においては、スクールカウンセラーの配置は効果があるかと思います。しかし、スクールカウンセラーを配置しただけでは、いじめは解決できないということを、知っていただきたいと思います。

いじめは、いじめ加害者に、いじめを止めなさせなければ解決できません。そして、そのいじめ解決に一番の障害となっているのが、動かない教育現場なのです。いじめ問題の相談をしても、

いじめとは認めない。話は聞くが、何の対策もしてくれない。モンスターペアレンツ扱いをして、話を聞かない。何事もなかったと隠蔽する。

実際にこのようなことが起きています。文部科学省もこういった現場に、もっと目を向けてもらいたいと思います。動かない教育現場に困っている人たちに対して、相談の窓口を開設する。調査員を派遣し、実態を調査する。現場を指導し、いじめ解決に対して、誠意を持って対応するようにする。このような部署を、文部科学省が作れないものかと思います。

本来であれば、学校に対しては、教育委員会がこういった役目を果たさなければならないのですが、教育委員会も学校と同じように動かない場合は、文部科学省がその役目を担う必要があると思います。

あの取手のいじめ自殺事件も、文部科学省が出てきたことによって、学校も教育委員会もいじめを認めました。これが教育現場の実態です。だからこそ、文部科学省の力が必要なのです。

私たちも、シンポジウムやセミナーなどを活動を通して、文部科学省に提言していきたいと思っております。皆様のご協力をお願いいたします。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

事務長 丸山秀和

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出典元:まぐまぐニュース!