シュート21本を放つもこのフッキの1得点に終わった上海上港。地元紙は「攻守両面でツメの甘さがあった」と評した。

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 大注目のアジア・チャンピオンズリーグ準決勝、浦和レッズvs上海上港。水曜日に行なわれた上海での第1レグは、1-1のドローに終わった。
 
 圧倒的なボール支配で上回る上海上港に対して、アウェーの浦和はソリッドな守備と鋭い速攻で対峙。15分にフッキに先制点を許すも、13分後に素早い縦への繋ぎから柏木陽介がハーフボレーを決め、振り出しに戻した。後半は敵の猛攻に遭い、シュート数3対21という劣勢に立たされながら、なんとか引き分けで凌いで見せた。
 
 その熱闘を詳報したのが、上海発の中国全国紙『新浪新聞』だ。「上海上港が1-1の停滞を余儀なくされる」と題し、戦評を掲載した。
 
「すでにグループリーグで2試合を戦っている者同士の再戦で、手の内を知り尽くしていただろう。ともにホームゲームで強みを発揮して1勝ずつを挙げた。言わば“狭い道での攻防”。拮抗した展開が予想されたが、あっさりと主導権を握ったのは、フッキ、オスカール、エウケソン、そして地元のシューター、ウー・レイの贅沢なアタッカー陣を擁するホームチームだった。暗黙のコンビネーションで浦和ゴールを襲った」
 
 先制点となったフッキの強力ミドルを「驚異的なフィジカルでこじ開けた」と描写。一方で浦和の同点シーンについては、「いとも簡単にパスをつながれ、まんまと抜け道を突かれてしまった」と表現し、上海上港DF陣の緩慢なチェックを批判した。
 
 後半は守備を固めた浦和に対して一層の攻勢を仕掛けたが、68分にオスカールの直接FKがポストに嫌われるなど勝ち越し点は奪えなかった。「惜しい場面は何度かあったが決定力を欠いた。終わってみれば攻守両面でツメの甘さがあった」と指摘した。
 
 そして最後に上海上港の人気選手で、「中国のジェンナーロ・ガットゥーゾ」の異名を持つ主将、ツァイ・フイカンのコメントを紹介。不動のキャプテンは第2レグに向け、展望をこう語っている。