クルマファンには日本でもなじみの深い「駆け抜ける歓び」のキャッチコピーどおり、運転する楽しさを大切にしてきたBMW。ダイムラーのような3階建て構造ではありませんが、フランクフルト・モーターショーのBMWブースは延べ150メートルの「サーキット」が設けられた大規模なもので、地元ドイツメーカーとしての底力が感じられるものでした。

会場に入るとすぐ目に入るのが「BMW i」の文字。ゴールドに輝くハイブリッド・スーパーカー「i8」がガルウイングを開けて来場者を迎えます。その周囲には、電気自動車(EV)の「i3」第2世代から「2シリーズ」、「7シリーズ」やSUVの「X5」に至る同社の電動化車両と充電機器やバッテリー、電動ドライブなどの展示が並んでいます。

ブースの一番目立つ場所で、BMWの電動化に関する技術解説が分かりやすく行われていたのが印象的でした。(説明の一部がドイツ語オンリーだったのは、少々違和感がありましたが…)

BMWは、2025年までに12種類のEVを含む25の電動化モデルを市場投入する計画を発表し、EVのコンセプトカーもワールドプレミアしました。「BMW i Vision Dynamics」と名付けられた4ドアクーペは、華麗なデザイン、ドライビング・プレジャーと革新的技術を融合させ、乗る人の感性(emotion)に訴えかけるEVという提案でした。

一回の充電で600kmの走行が可能な一方、0-100km/h加速が4.0秒、最高速度は200km/hを超える性能だそうです。将来においても、ダイナミックな走りとエレガントなデザインを追求するのがBMWの電動化の姿勢であることがはっきりと読み取れるコンセプトカーでした。

その考え方は、量産モデルであるコンパクトカー「i3」にも表れています。フランクフルト・モーターショーで同じく初披露された新型には、「i3s」というスポーティー・バージョンが用意されています。

モーター出力をアップすると同時に、セッティングの最適化が図られたDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)を備えてシャシ性能も向上させ、コンパクトカーにおいても、「ドライビング・プレジャーと環境性能をいかに両立させているか」をアピールしています。さらに、来年市販が開始される予定の最高峰SUV、「X7」にもプラグイン・ハイブリッドシステムを搭載し「Concept X7 iPerformance」としてワールドプレミアしていました。


一方、一足先の8月にアメリカのペブルビーチで行われたイベントで公開された「Concept Z4」や、来シーズンからル・マン24時間レースを含む「世界耐久選手権シリーズ(WEC)」に参戦する「M8 GTE」など走りのモデルも展示。革新的な電動車両と伝統的なスポーツカーやレーシングカーの競演が印象的なBMWブースでした。

「Die Zukunft ist Jetzt. This is tomorrow. Now. = 今が未来だ」というテーマで今回のモーターショーに臨んでいるBMW。同社の提案するクルマの未来は、その楽しさと環境性能を高いレベルで共存させるところにあるようです。

(Toru Ishikawa)

【フランクフルトモーターショー2017】ドイツ勢の電動化・環境戦略 BMWは次世代の「駆け抜ける歓び」を提案(http://clicccar.com/2017/09/28/513115/)