英ロンドンで開催されているジャンミシェル・バスキアの回顧展「バスキア:ブーム・フォー・リアル」の展示作品(2017年9月20日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】アート市場が好景気に沸いている。アート市場関連情報の世界的大手、仏アートプライス(Artprice)の年次報告書によると、その背景には覆面グラフィティアーティストのバンクシー(Banksy)といったストリートアーティストらによる現代アート作品の価格高騰がある。

 この1年間で全世界の競売会社での取引額が上位10位に入ったアーティストのうち4人がストリートアーティストだった。その顔触れは、米国人の故キース・へリング(Keith Haring)、シェパード・フェアリー(Shepard Fairey)、カウズ(KAWS)、そして英国人のバンクシー。昨年の調査でリスト入りしたのは、1990年に死去したヘリングだけだった。

 ヘリング作品の過去1年間の落札総額は3400万ドル(約38億円)近くに上り、バンクシーとカウズの競売取引総額は約600万ドル(約6億8000万円)。「Obey」シリーズやバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領を描いた「Hope」の壁画やポスターで知られるフェアリーの取引総額は100万ドル(約1億1000万円)近かった。

 アートプライスによると、新進気鋭のブラジルのグラフィティアーティスト・ユニット、オッタビオ・パンドルフォ(Otavio Pandolfo)とグスタボ・パンドルフォ(Gustavo Pandolfo)兄弟によるオスジェメオス(Osgemeos、ポルトガル語で「双子」の意)の作品は米ニューヨーク(New York)で史上最高の31万ドル(約3500万円)を記録し、また米ニュージャージー(New Jersey)州出身のカウズは6桁の落札価格を次々にたたき出しているという。

 米国人現代アーティストの故ジャンミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の場合は今年5月、骸骨を描いたキャンバス画シリーズの一つ「Untitled」が、現代アートとしては過去最高額となる1億1050万ドル(約125億円)で落札された。落札者は日本人実業家の前澤友作(Yusaku Maezawa)氏だった。

■モディリアーニやムンクに「仲間入り」したバスキア

 薬物の過剰摂取により27歳で死去したバスキアは、この取引によって、アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Modigliani)、フランシス・ベーコン(Francis Bacon)、アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)、エドバルト・ムンク(Edvard Munch)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)といった、1億ドル(約113億円)以上の値で取引されるごく少数のアーティストたちの仲間入りを果たした。

 アートプライスによれば、バスキアは昨年、オークションでの落札総額が3億1350万ドル(約354億円)に上り、アート市場で「最も偉大な」現代美術作家という称号も手に入れている。

 もちろん、すべてのストリートアーティストが右肩上がりなわけではない。バンスキーの壁画の価格は、一部の作品が7桁に届く勢いだった2008年以降は半値に下がっている。だが、それでも依然として現代美術作家としては世界4位の売上を誇っている。

 アートプライスによると、昨年は10%の大きな落ち込みを見せたアート市場だが、今年は上半期だけで14%上昇しているという。
【翻訳編集】AFPBB News