9月27日から29日まで東京ビッグサイト東ホールで開催の国際福祉機器展。この中で車椅子のレーシングドライバーとして有名な青木拓磨さんがトークショーを行っていました。

青木拓磨さんは1995年と1996年に全日本ロードレース選手権スーパーバイククラス2年連続チャンピオンを獲得し、 1997年にはロードレース世界選手権GP500クラス、今のmotoGPにフル参戦。世界を舞台に表彰台を獲得するなどの活躍を見せましたが、1998年にレースマシン開発テストの際に転倒し脊髄を損傷。

その後は車椅子の生活を余儀なくされるのですが、車椅子でもクルマの運転は出来る、と海外ラリーレイドに参戦するなど四輪車に転向。2010年からスーパー耐久、2012年からGTアジア選手権、そして2016年にはアジアンルマンに参戦するなどツーリングカーレースに精力的に参戦しています。

青木さんは「ハンディキャップがあっても夢はつかめる。目標はル・マン参戦」とのこと。運転スキルなどの技術的な問題以外にも競技ライセンス発給に対しての政治的な問題にも正面から取り組んで、自身のレース実績とともにハンディキャップのある方々のレース参戦の道を切り開いています。

そんな青木さんは足にハンディキャップがあってもレースを戦えるハンドドライブキットの開発にも携わっています。昨年のアジアンルマンに参戦したポルシェに装着されていたハンドドライブキットはアクセル、ブレーキの両方の操作をハンドルから手を離さずにできるパドルが装着されていました。

そんな青木さんのレース活動のフィードバックなどから生まれたのがGuidosimplexの最新型のハンドドライブキット。

これまではアクセルとブレーキをレバー操作で行っていましたが、この「背面リング」モデルはハンドルの裏に装着されたリングを動かすことによってアクセル操作が可能となっています。ブレーキは左下のレバーで操作します。

特にスポーツタイプのクルマとの相性を考えたというこのハンドドライブキットは、アクセル操作だけであればハンドルを両手で保持でき、これまでのハンドドライブキットに比べて操作性と安全性が飛躍的に向上したとのこと。

こちらの「前面リング」タイプはカジュアルドライビングに向いているというもので、ハンドル前面のリングでアクセル操作ができます。

握りこむことでアクセルが開いていきます。そして離すとアクセルが全閉。

背面リングタイプも前面リングタイプもアクセルの微妙な調整を可能とするために開発されているので、高速道路や一般道はもとより、車庫入れなどの低速域の速度調整もしやすくなっているそうです。

国際福祉機器展には車椅子利用者のためのクルマが多数展示されていましたが、それらはどちらかというと「乗せてもらう」というもの。ハンドドライブキットは自ら積極的に運転する「乗る」ためのものとして、これからも進化を続けていくことでしょう。

(写真・文:松永和浩)

ハンディがあっても運転をあきらめない!ハンドドライブキットの「今」を国際福祉機器展で見た(http://clicccar.com/2017/09/28/515545/)