全7大会で争われる2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権も、いよいよ来月下旬の最終戦・鈴鹿大会を残すのみとなった。


マレーシアGPでF1デビューが決まったピエール・ガスリー

 9月24日にスポーツランドSUGO(宮城県)で行なわれた第6戦では、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季2勝目をマーク。ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)が2位、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が3位に入り、この3人がSUGOの表彰台を飾った。

 ランキングトップの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は6位。前戦までに築いていたアドバンテージは一気になくなり、ランキング2位のガスリーとはわずか0.5ポイント差となった。さらにフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)も5ポイント差の3位につけている。

 ランキング上位勢のなかでも注目は、第4戦・もてぎと第5戦・オートポリスで2連勝したガスリーだろう。第6戦・SUGOでもガスリーは圧巻の走りを見せた。「シリーズ屈指の難コース」と言われ、コースとタイヤバリアとの距離が近い古いタイプのサーキットであるSUGO。わずかなミスが即クラッシュにつながる、非常にリスクの高いコースだ。しかし、高低差があって速度域の高いコーナーも多いので、ギリギリまで攻め込んでいかないとタイムが出ない難しさもある。

 レースの週末に初めてSUGOを走行したガスリーだったが、そんなことはまったく感じさせない走りを披露した。予選3番手を獲得し、決勝でも抜群のスタートを決めて2位に浮上すると、トップの関口と白熱したバトルを繰り広げた。ただ、最後ラップでは0.2秒差まで追い詰めたものの、レース中に5回使えるオーバーテイクボタンをすべて使い切ってしまって逆転ならず。レース後、ガスリーは「オーバーテイクボタンが残っていれば……」と悔しがっていた。

 それでも3戦連続で表彰台に立ったガスリーは、チャンピオン争いでリードする石浦と、ほぼ横一線の状態で最終決戦を迎えることになる。これには石浦も「最終戦を制した人がチャンピオン。シンプルでいいと思います」と、鈴鹿での対決を楽しみにしていた。

 ガスリー自身は今シーズンを振り返り、ここまでの活躍は予想外だったという。

「開幕前テストでは3番手のタイムとか出せていたけど、正直シーズンが始まったらもっと難しいものになると思っていた。各コースもよく知らないし、ヨコハマタイヤも慣れていないことが多くて、最初は難しく感じていたから。だから、序盤戦からパフォーマンスを少しでも上げることに集中して一生懸命やったよ。その結果、ここまで来ることができたので本当にうれしい。最終戦もこれまでどおり、全力で攻めていくだけだよ」

 最終戦の舞台となる鈴鹿サーキットは、開幕戦ではポイントを獲得できず(10位)に悔しいレースとなった場所だ。これについて、ガスリーは「シーズンを通してさまざまな部分を改善してきたから問題はない」と語る。

「たしかに開幕戦は苦戦したけど、あれからクルマのパフォーマンスはかなりよくなったし、タイヤに関しても理解度が深まった。間違いなくシーズン序盤より力強い走りができると思うよ。しかも開幕戦ではトラブルもあって、自分のパフォーマンスを最大限に出せなかった。エキサイティングなレースウィークになると信じているよ」

 そんなガスリーに、朗報が飛び込んできた。かねてから噂されていたF1参戦がついに実現することになったのだ。レッドブル・レーシングの姉妹チームであるスクーデリア・トロロッソが今週末のマレーシアGPでダニール・クビアトに代わってガスリーを起用すると発表。2018シーズンでのレギュラー起用を見据えて、そのパフォーマンスを確認するためのようだ。

 そこで気になるのは、ガスリーがスーパーフォーミュラ最終戦(鈴鹿)に参戦するのか、という点だろう。同じ週末にはF1アメリカGPが予定されており、「最終戦は欠場してF1を優先するのではないか」という噂がスーパーフォーミュラのパドックでも上がっていた。

 現時点での情報では、スーパーフォーミュラを優先してアメリカGPではクビアトがトロロッソのシートに復帰する予定と報じられている。だが、何が起きてもおかしくないのがF1界だ。ガスリー自身はSUGOでの記者会見で「今の段階では最終戦の鈴鹿に出るつもり。そのためにチームと一緒に準備をしている。チャンピオン獲得の可能性が高いポジションにいるから、そこに向かってがんばりたい。今の僕のメインターゲットは、(スーパーフォーミュラでの)チャンピオン獲得だよ」とコメントしていた。

 第7戦・鈴鹿が行なわれるのは10月21日〜22日。最終戦は2レース制で争われ、優勝ドライバーにはボーナスポイントが各レースで3ポイントずつ与えられ、ポールポジションボーナス(2レース分)も合わせると最大18ポイントを獲得することが可能だ。よって、現在ドライバーズランキング8位の国本雄資(16ポイント/P.MU/CERUMO・INGING)までチャンピオン獲得の可能性を残している。

 トップから5ポイント差につけているフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)は、第6戦・SUGOで表彰台こそ逃したものの、タイヤ無交換・無給油作戦を見事に完遂して5位に食い込んだ。これまでタイトル争いに関してコメントを控えてきたローゼンクヴィストだが、「第6戦を終えた時点でチャンピオン争いに残れたのは本当にうれしいね。鈴鹿での開幕戦では苦戦(11位)したけど、そこからパフォーマンスを毎回改善してきたので、最後までベストを尽くして一生懸命がんばるよ」と語り、最終決戦を楽しみにしているようだ。

 また、今回のSUGOで優勝を果たした関口も、トップから8.5ポイント差のランキング4位で鈴鹿を迎える。「昨年も経験しましたが、最終戦は優勝者にボーナスポイントがつきます。だから2レースのうち最低でも1勝は必要。昨年のリベンジをしたいですね」(関口)

 開幕戦の優勝以降は苦戦が続いている中嶋は、現在11.5ポイント差でランキング5位。「失うものも何もなければ、自力で獲れるわけでもないので、思い切ってやるだけと思っています」(中嶋)

 はたして、最後の決戦はどんなレースとなるのか。今年は例年以上に激戦の鈴鹿となりそうだ。

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