写真撮影/SUUMOジャーナル編集部

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寝心地が悪くてぐっすり眠れない、朝起きたとき体が痛い……。そんな人は寝具が体に合っていないのかもしれません。自分に合った寝具は人それぞれ異なり、ピッタリの寝具を選ぶのは意外と難しいものです。そこで、都心の百貨店では珍しい、寝具選びのコンサルティングルームを設置した伊勢丹新宿店で、「寝具コンサルティング」サービスを受け、自分に合った枕や敷きマットを探してみました。

数ある寝具のなかから、自分にぴったり合った寝具を選ぶには?

伊勢丹新宿店(東京都新宿区)本館5階の寝具コーナーでは、専門知識をもつ販売員「スリープコンシェルジュ」から「寝具コンサルティング」を受けられるサービスを行っています。寝具の知識やフィッティング技術、快眠のメカニズムや快適な寝室づくりの知識が豊富な「スリープマスター」「ピローフィッター」などの認定資格をもつ寝具のプロが、さまざまな寝具選びや眠りについての相談に応えています。休日や、平日でも時間帯によっては混雑することもあるので事前に予約してから行くとよいそうです。

【画像1】ベッドマットレスから掛敷布団、カバー類まで品ぞろえ豊富。マットレス約20種、敷きマット約20種、枕は約150種を扱っています。※時期により取り扱い内容が異なります(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部、金井直子)

寝具コーナーの奥には、コンサルティングルームが5室あります。個室なので、ほかのお客様を気にせず気軽に相談できます。個室は部屋毎に壁の色や調光できる照明、香りなどを変えていて、五感に訴える睡眠環境も体験できます。部屋に置かれたマットレスは硬さが異なり、自分の好みの硬さのマットレスを試すことができます。枕選びでは、普段使っているベッドマットレスや敷き布団に近い硬さのもので試すとよいそうです。

【画像2】コンサルティングルームの前には、中身の素材、形、厚さなどが異なるお試し用の枕がずらり。このなかから希望の硬さや体形に合うものをチョイスしてもらいます(写真撮影/金井直子)

【画像3】マットレスの硬さや、色合い、雰囲気が部屋ごとに異なるコンサルティングルーム。自宅の寝室に近い環境で寝具を選べるように、ほどよい明るさでお休み前の寝室を再現しています(写真撮影/金井直子、SUUMOジャーナル編集部)

【敷きマットのフィッティング】寝心地だけでなく、客観的データではっきり分かる!

まずは、カウンセリングシートに沿って、就寝や寝具に関する悩み、寝具の硬さや素材の好み、要望、普段の寝姿勢などの質問に回答します。スリープコンシェルジュは、この回答に沿って、合いそうな寝具を数種類チョイスしてくれます。筆者は自宅のマットレスが硬くて寝づらいことと、自分に合った枕が欲しいと回答。

マットレスの買い替え時期は約10年と言われることが多いですが、体に合わないからといってそう頻繁に買い替えることは難しいものです。そういう場合はマットレスの上に重ねる敷きマットがお勧めとのことで、まず、敷きマットをフィッティングして選びました。

敷きマットやマットレス、敷き布団と枕を同時に買い替える場合は、敷き寝具を先に決めてから枕を選ぶと良いそうです。敷き寝具の硬さに合わせて枕の高さや硬さを決めないと、頭が沈み込みすぎて、寝づらくなってしまう可能性があるからです。

フィッティングでは素材の異なる3タイプの敷きマットを試してみました。コンシェルジュがお勧め製品を部屋に運び込んでくれます。そして、仰向けになるだけでなくゴロゴロ寝返りをうったり、うつぶせになってみたりして試します。

敷き寝具を選ぶときに重要なのは寝返りのしやすさ。敷き寝具が柔らかすぎると寝返りがしにくくなったり、快眠を妨げる可能性があるそうです。人は1晩に20〜30回は寝返りをうつと言われています。その寝返りをスムーズに行えることが理想の寝具の条件になります。

【画像4】左右にゴロゴロと寝返りをうってみます(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

勧められた3製品のうち2製品の寝心地がよかったのですが、どちらがより自分に合うのかいまいち分かりません。そんなとき頼りになるのが、自分に合うかどうかを客観的に測ってくれる秘密兵器。写真(画像5)にある「体圧分散測定器」です。これで体圧がうまく分散されているかどうかをチェックします。体圧測定の結果、一方は体への負担が少し多いことが分かりました。違いがあまり分からないようなとき、迷ったときは、客観的なデータを元に選べるのが良いと感じました。

【画像5】コンサルティングルームの1室には、体に掛かる圧力を視覚的に確認できる体圧分散測定器が置かれています。体圧が掛かりすぎている部分は赤や青に表示されます。全体が黄緑色に表示されるのが望ましいそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像6】敷きマットの中身の見本。指で押すと、体圧を分散して受け止めてくれる素材だと分かります(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【枕のフィッティング】首のカーブを計測し、ぴったりの高さをチョイス

続いて枕のフィッティングです。
人の頭は思った以上に重さがあります。体重比で8〜13%ほどもあるとか(体重50 kgなら頭は約5kg)。合わない枕を使うと、寝ている間に首回りの筋肉を使ってしまうことになるので、体が休まりません。首のカーブが大きいほど、首と敷き寝具との隙間が大きくなるのですが、その隙間を埋めて、快適な寝姿勢にしてくれるのが枕の役割。

その人に合った枕の高さや形状を確認するために、専用器具で首のカーブを測り、それを元に、コンシェルジュが数タイプの枕を選んで持ってきてくれます。約150種もある枕のなかから合う枕を自分で探すのは手間も時間もかかりますが、ぴったり合いそうな枕をこうして瞬時に選んでもらえるのは、とても良いサービスだと思います。

【画像7】首のカーブに合った枕を選ぶために計測中(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

素材の異なる3タイプの枕を試してみると、柔らかさの違いを感じます。そのなかから、自分の感覚で快適に感じるタイプを選びます。「枕は硬いほうがいい、柔らかいほうがいい」とは一律に言えないもの。人それぞれ寝やすさや快適さを感じる硬さ・柔らかさは異なるからだそうです。だから、もっと柔らかいほうがいいと感じたり、違う素材にしてみたいという場合、気になるタイプの枕を全て試したほうが良いでしょう。

自分に合った素材が決まったら、低めの枕からフィッティングして、少しずつ高さ調整をし、体に合った高さを決めていきます。頭の高さに合った枕でないと、寝づらかったり体に不調を生じさせたりする可能性があるためです。

枕のフィッティングの際には、理想の寝姿勢を教えてもらい、その姿勢で枕に頭を乗せて確認します。そして、
左右にゴロゴロと寝返りをうって、横になったときに肩に圧力がかからないかを確認します。両側が高く、中央が低いつくりになっているタイプの枕は体を横にしたときに肩がつぶれないので、お勧めだそうです。

【画像8】枕の中央に頭だけを乗せ、肩が乗らないように横になります。あごをあげないようにし、目線は3、4m先の斜め上を見ます。横向きになったときは、首筋と鼻筋が一直線になっているのが正しい寝姿だそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像9】最近の枕は高さ調節がしやすいよう、パーツが分かれているタイプが人気だそう。写真のように中から高さ調整シートを抜いて高さを変えられます。ほとんどの枕はこのシートを買い足せるので、購入後の調整も可能(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

所要時間は敷きマットと枕のフィッティングで1時間かからない程度でした。寝具コンサルティングを受けてみて分かったことは、自分の感覚だけで寝具を選んでいては、自分に合ったものを探すのが難しいということ。「柔らかい枕がいい」といった自分の感覚に加えて、プロの知見と計測器による客観的データを合わせることで、本当に自分にぴったり合った寝具に出会えると分かりました。

人は、人生の4分の1以上の時間は寝具の中で過ごしています。体に合った寝具に変えると、毎日の睡眠の質はぐっと上がるはずです。今の寝具が寝づらい、体が休まらないと感じたら、「何となく良さそう」という感覚だけで購入せず、こうしたプロに相談できる場所で選ぶのがお勧めだと実感しました。

●取材協力
伊勢丹新宿店
(金井直子)