歴史上に名を残す核兵器の数々を地図上の好きな場所に落とし、死傷者数や放射性汚染物質による影響範囲などをシミュレートできるのが「NUKEMAP」です。ハーバード大学で歴史科学の博士号を取得したAlex Wellersteinさんが作成したもので、作った理由は、度々話題にのぼることのある核兵器がどれくらいの破壊をもたらす可能性があるのかを理解してもらうためだそうです。

NUKEMAP by Alex Wellerstein

http://nuclearsecrecy.com/nukemap/



NUKEMAPを使うには画面右上から順番に必要な情報を設定していきます。まずは爆心地の決定。



赤枠部分をクリックすると世界の主要都市を選ぶことが可能。



マップ上のピンをドラッグ&ドロップで動かしてもOK。



赤枠部分に地名を入力して「Go」をクリックしても……



爆心地を変更できます。



続いて、爆発する核爆弾の威力を決定します。



数値で入力することもできますが、よく分からない場合は赤枠部分をクリックして歴代の核爆弾の威力を参照することも可能です。最も威力が小さいのは「Davy Crockett」というアメリカで作成された爆弾の中でも最も小さいもの。最も威力が高いのは、ミニットマンIII大陸間弾道ミサイルのMIRV弾頭として運用されている「W78」。日本の広島と長崎に落とされた「リトルボーイ」「ファットマン」の名前もあります。



次にあるのはオプション。「Height of burst」は爆弾が爆発する高さを示しており、「Airburst(空中)」と「Surface(地上)」のいずれかを選ぶ必要があります。さらにオプションで、「Casualties(死傷者)」と「Radioactive fallout(放射性降下物)」が選択可能。



さらに、その下に小さく配置されている「Advancex options」の黒色三角をクリックすると……



空中で爆発する際の詳細や、爆発によって生じる衝撃波の威力、イオン化放射線、熱放射、さらには爆発時の風向きや風速まで設定できます。



すべての設定が終わったら「Detonate」をクリック。



すると、地図上にシミュレーション結果が表示されます。



推定の死亡者数は1590人、負傷者数は7340人。



マップ上の色ごとの意味は以下の通り。黄色の円は爆発により生じる火の玉のサイズ。紫色の円は爆発による圧力が20psiを超えるエリアで、この中ではコンクリート製の建物も破壊されてしまい、人間はほぼ100%死んでしまうとのこと。緑色は線量当量が500remを超えるエリアで、医療処置がない場合、急性効果のみで死亡する確率が50〜90%にものぼるエリア。青色の円は爆発による圧力が5psiまでの範囲で、ほとんどの建物が倒壊し、多くの死傷者が出るエリア。そしてオレンジ色の円は範囲内の人が3度熱傷を負う範囲。



風速15mph(約6.7m/s)の風が吹いている場合のエリアごとの吸収線量は、黄色(爆心地から最大275km先)が1rads、オレンジ色(爆心地から最大192km先)が10rads、さらに濃いオレンジ色(爆心地から最大108km先)が100rads、赤色(爆心地から最大9km先)が1000radsです。



マップを広域表示にすると影響を受けるエリアがいかに広いかわかります。



なお、地図上にある旗アイコンは自由にドラッグ&ドロップで位置を変更可能で、場所を変更すると風向も変化して影響範囲なども変わるので、再び「Detonate」をクリックして死傷者数などを再計算する必要があります。