どうすれば高齢者が安心した老後生活を送れるのかという問題が再び人々に注目されるようになっている。

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このほど、「一番困るのは、父親が急に倒れてしまっても、あなたが父親の側にいないとき」という「空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)」についての報道が多くの人を涙で包んだ。多くの人たちが空の巣老人のその無力さを感じており、自分の子供に迷惑をかけたくないという親心も分かる。どうすれば高齢者が安心した老後生活を送れるのかという問題が再び人々に注目されるようになった。

「哀哀たる父母、我を生みて劬労(くろう)す」(苦労して自分を生み育ててくれた父母の死を悼み、その恩に報いることができなかったことを嘆く)。親孝行をするのは当然だが、今は親のそばにいて親孝行をするのはますます難しくなっているようだ。中国の社会学者の費孝通氏は、アメリカの「リレーパターン」と違って、中国の親孝行は「還元パターン」だと述べた。つまり、親は子供を育て、老後になったらまた子供に面倒を見てもらうことで、一言で言えば「子供を育てるのは老後のためだ」ということだ。しかし、中国の都市化が進む中、親と子供の住む場所が離れているのはすでに普通になっている。他の都市で働いている子供にとっては、親の面倒を見るのはなかなか難しい。ましてや、「居にはすなわちその敬を致し、養にはすなわちその楽を致し、病にはすなわちその憂を致す」となおさらだ。いかにして遠く離れて暮らす親に幸せな老後生活を送らせるのかは社会の課題となった。

情報化の社会に暮らしている私たちは、視野をもっと広げ、老後生活の課題をより多元的な高齢者ケアモデルと組み合わせて考えるべきだ。例えば、他人の力や技術の力、制度の力で老後生活の問題を解決させる。現在、多くの地域で、住宅をベースとしてコミュニティーに頼ることができ、機関がそれを補える高齢者ケアサービスモデルを積極的に打ち出している。これが実現すれば、子供がそばにいなくても、何か困ったことがあれば、家の近くのコミュニティーや機関に助けを求められるようになる。

そのため、現在の中国では高齢者ケアモデルは費孝通氏が述べた「還元パターン」から「多元的なパターン」にすでに変わってきており、家庭でのケアとコミュニティーでのケアの組み合わせ、機関が補助を行うことを強調している。新築の住宅団地には高齢者ケアサービス施設を整備しなければならない。一部の地域では補助金政策を調整し、補助金の効果をさらに追求している。失能老人(自分一人で身の回りのことができない高齢者)の増加、高齢者が病気にかかりやすくなる状況などを解決するために、「医療養護結合」というモデルを打ち出す機関もある。「老後の拠り所から病気の治療まで、ケアから心の安らぎまで」。高齢者ケアモデルはますます健全になり、高齢者の老後生活の質がさらに保障される。

全世界を取り巻くスマート化ブームは高齢者ケアモデルにも結び付けられる。一部の地域が打ち出した仮想老人ホームがその例だ。仮想老人ホームは「囲いのない老人ホーム」とも呼ばれ、スマート化と情報化を利用して、政府主導の下で企業が運営する。具体的には、インターネットによって大きな仮想コミュニティーを構築し、スマートホーム・高齢者ケア情報化プラットフォームでサービスメカニズムを確立させ、より多くの高齢者ケアの情報をまとめて提供し、高齢者が家を出なくても便利で的確なサービスを受けられる。こうした「インターネットプラス」から派生した高齢者ケアモデルの改革により、高齢者は落ち着いた生活を送ることができ、子供たちも安心できる。

「高齢者にとっての春を作り上げる」ことは社会全体の責任だ。老年期は、これまでの成果が現れ、進歩が見られ、人生を楽しむことができる重要な段階でもある。高齢者ケアモデルの多元化、社会保障の全面化に伴い、私たちは将来的にさらに多くの可能性があると信じ、「高齢者にとっての春」の実現を期待できるだろう。(提供/人民網日本語版・編集HQ)