糖質制限ダイエットの流行により、ごはんが悪者扱いされることもしばしば。それでも、日本人としてはやっぱり、ごはんが恋しくなりますよね。そんなダイエットとごはん愛の間で揺れ動くオヤジ心に突き刺さる炊飯器を、アイリスオーヤマが発売するというではありませんか! 早速発表会に参加してきましたので、その詳細をレポートします。

↑新製品の「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器(KRC-ID30-R)」(左)と「圧力IHジャー炊飯器(KRC-PA50-B)」(右)

 

糖質制限ブームや共働き世帯の増加など多様なニーズに対応

アイリスオーヤマが今回発表した炊飯器は「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器」(KRC-ID30-R)と「圧力IHジャー炊飯器」(KRC-PA50-B)の2機種。家電事業部統括事業部の石垣達也事業部長は、新製品の開発背景について、「国内の米の消費量は年々減少しています。ダイエットや生活習慣病による糖質制限、単身・少人数世帯、共働き世帯の増加が主な理由。これらの環境変化によって食生活も多様化しているため、新製品ではぞれぞれのニーズに合わせたモードを搭載しました」と語ります。

↑石垣達也 家電事業部統括事業部長

 

↑新製品に搭載される、多様化する食生活に合わせた各モード

 

↑新製品2機種の搭載モード早見表

 

【銘柄量り炊きIHジャー炊飯器 

よそうだけで簡単にわかる! 新機能「カロリー計量モード」

「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器」は3合炊きで、10月14日発売。市場想定価格は3万2800円(税別)。本体が分離式になっており、上部はおひつとして食卓まで持ち運べ、下部はIH調理器としてフライパンや鍋を使った調理に使用することができます。

新製品の目玉は、新たに搭載したカロリー計量モードです。この機能の開発者は、実際に健康面の理由で医師からカロリー制限を受けていたため、日々のごはんのカロリー計算が簡単にできたら良いのにと考え、開発に取り組んだそうです。

↑カロリー計算モードの換算値

 

使い方は簡単。最初にカロリーボタンを押し、炊飯器から茶碗にごはんをよそうと、よそったぶんのカロリーの目安が液晶に表示されます。継ぎ足したり、釜に戻した場合にも対応。また、通常炊飯だけでなく、玄米、おかゆモードで炊飯した場合でも問題なくカロリーを計算できます。

↑よそったごはんの量からカロリーの目安を算出します。自分がいつも食べる量を試してみると、120kcalとの表示が。もうちょっと減らそうかな……

 

中年太りを気にして糖質制限ダイエットをしているオヤジ記者としても、心惹かれる機能です。糖質制限をしているとはいっても、例えば納豆が食卓に出てきたら白米を食べたくなりますよね。気になるけど食べたい、そんなときにカロリー計算できるのは非常にありがたいです。

 

【銘柄量り炊きIHジャー炊飯器◆

水位線で正確に量れる人は約半数!? 自動で水量を量る「銘柄量り炊き」が進化

新モデルではさらに、従来モデルでも好評な銘柄量り炊き機能に9銘柄が追加され、合計40銘柄で炊き分けが可能となりました。

 

家電開発部・大阪R&Dセンターの原 英克統括マネージャーは、「当社が考える美味しい条件は“炊き方”。他社は内釜の違いに注目していますが、当社では加熱の仕方と全体のバランスで味が決まると考えています。それが、適切な釜の厚み、熱伝導率、保熱力、米の特徴に合わせたプログラムです」と説明します。

↑原 英克統括マネージャー

 

↑他社モデルを含めマイコン、IH、圧力IH、高級圧力IHの4つの炊飯器で炊いたをごはんをブラインドテストしたところ、10万円台の高級モデルが必ずしも1位にならないという結果が得られたそう

 

銘柄による炊き分けは前モデルから搭載されているものであり、他社も訴求している機能ですが、アイリスオーヤマの場合は水量を細かく調整できるのが特徴です。同社によると、米1合を炊く場合、水量を±15g間違えただけで味が大きく変わってしまい、3合の場合は±25g間違えてしまうと美味しく炊きあがらないとのこと。

 

これに関してユーザー試験を行ったところ、内釜の水位線を使って正確に量れた人は55%しかいなかったそうです。さらに、米の銘柄によって適切な水量が変わってくるため、正確な量を目視で量るのは至難の業。アイリスは精米事業も展開しているので米の特性を把握しており、そのデータを使って自動で水量を量る機能を搭載しているのです。

↑内釜の水位線で正確に水量を量れる人は意外に少ないようです

 

↑米の銘柄別にアイリスが推奨する水量の違い(米25gに対して)。1合の場合ではこの6倍の違いが出ます

 

【圧力IHジャー炊飯器 

料理や食べ方に合わせて炊き分ける「こだわり炊き分け」機能を新搭載

一方、「圧力IHジャー炊飯器」はアイリス初の圧力方式の炊飯器で、5.5合炊き。10月14日に発売され、市場想定価格は2万9800円(税別)です。「銘柄炊き」に加え、圧力方式ならではの機能として、料理や食べ方に合わせて炊き分ける「こだわり炊き分け」機能を搭載しました。

まず、料理別の炊き方として、「おむすび」「冷凍ごはん」「丼」「カレー」「すし」の5モードを用意。「おむすび」は、握ったときに米が潰れず、口の中でほぐれやすくしています。「冷凍ごはん」は、冷凍してレンジで解凍したあとでもごはんがやわらかさを維持できるように、「丼」は若干硬めでツユが染みてもベチャッとしないように炊きあがります。「カレー」はルウと馴染みやすい炊きあがりに、「すし」は米の中まで酢が馴染むよう炊きあがりが硬く、粘りのない食感を実現しました。

↑「こだわり炊き分け」6モードの炊きあがりの違い

 

↑「カレー」モードのごはんはルウの通過性が標準モードとはかなり違います

 

↑「すし」モードは米の中まで酢がしっかり浸透します

 

【圧力IHジャー炊飯器◆

不足しがちな食物繊維を補える「食物繊維米モード」

さらに、身体にやさしい「食物繊維米モード」も搭載しています。これは、米の中のレジスタントスターチ(難消化性澱粉)を2倍に増やすもので、米全体の食物繊維量合計では1.4倍増となります。これにより、茶碗1杯でレタス約1/2個分の食物繊維が摂れるとのこと。同社によると、レジスタントスターチには整腸作用や生活習慣病の予防効果がありますが、日本人の多くは不足気味だそうです。

↑食物繊維米モードによるレジスタントスターチの増加量

 

成長著しい炊飯器カテゴリの勢いはまだまだ続きそう

アイリスオーヤマは同2機種の発売を皮切りに順次新製品を投入し、来春までに全9機種(従来は3機種)をラインナップする計画。ラインナップの大幅拡大に伴い、家電量販店での売り場スペースも拡大し、炊飯器市場でのシェア拡大を狙っていく構えです。

↑来年春までに市場投入が決っている炊飯器新モデル全9機種

 

2017年9月期のアイリスオーヤマ単体の売上高は1550億円で、そのうち家電事業は730億円と約5割に達する見込み。10月以降には国内外の4か所で工場・物流拠点の新設・増設を計画しており、さらなる売り上げの拡大に向けた投資に余念がありません。なかでも炊飯器はここ2年ほどで家電事業における最大の売上規模にまで成長しているそうです。糖質制限ダイエットの流行という懸念材料すら戦略に取り込んでしまった今回の新製品を見るに、同社の勢いはまだまだ止まりそうにありませんね。

↑アイリスオーヤマの2017年度の売上高のうち、家電事業は47%も占めます

 

↑なかでも炊飯器事業が最大の売上規模に成長