900万円超の手当を騙し取っていた58歳女(画像は『Metro 2017年9月25日付「Benefits cheat caught after taking photos of herself snorkelling」(Picture: PA)』のスクリーンショット)

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市民が収める税金を虚偽の申告で騙し取りのうのうと生活する者に納税者は怒りを隠せない。このほど英スタフォードシャー州に住む女がおよそ15年もの間、障がい者生活手当を不正受給していたことが発覚し逮捕・起訴され、裁判で有罪判決が下された。『Mirror』『The Sun』『Metro』などが伝えている。

スタフォードシャー州タムワースに暮らす4児の母リンダ・ホーイ(58歳)は、同州キャノックにある車の備品を取り扱う会社で17年間フルタイム勤務をしていた。納税者となるべきであるにもかかわらず、リンダがしていたのは世間と「Department for Work and Pensions(DWP 労働年金省)」を欺くことだった。

「退行性関節炎と酷い腰痛のため頭より上に手があげられず、杖なしではほんの少ししか歩けない。階段も後ろ向きにしか降りられず、着替えをするにも介助が必要」といった申し立てにより、15年にわたり障がい者生活手当65,244ポンド(約980万円)を不正受給し、障がい者用の自動車を使用していたことで15,690ポンド(約240万円)のM6 Toll(有料高速道路)料金を特別免除されていた。しかもその自動車は頻繁に新しいものに変えられていた。

ところが同僚らはリンダが杖をついて歩いているところを見たことがなく、元上司も「健康面で問題を抱えていたことなど全く気付かなかった」と言い、熱い飲み物を持ったまま階段を昇り降りしていたという。また、勤務後にはジム会員として定期的に水泳やバドミントンにも参加していたようだ。

今回の詐欺が発覚したのは、DWPへの密告だった。通報を受けた警察が昨年2月24日に家宅捜査を行ったところ、密告の裏付けとなる証拠を発見した。自営業を辞め妻の介護をしていると申し立てていた夫マイケルさんとリンダは、2012年にエジプトへ、2013年には結婚20周年の記念としてモルディブへ旅行していたのだ。警察はリンダがホリデー先の海でシュノーケリングをしている姿や、ハンモックに揺られながら手を頭の上まで伸ばしてストレッチしている姿を収めた写真、またキューを手に持ち体を曲げてビリヤードをしている写真などを押収し、リンダを逮捕した。

9月25日にスタフォード刑事法院で行われた裁判では、「私は嘘をついたわけではない。言葉で表現するのは非常に難しいが、今では歩くたびに身体が痛み、年々動きが鈍くなっている。どんな状態であるのか、申請フォームにはきちんと書いたつもりだ」と言い訳をしたリンダに、アントニー・カーティン検察官は「被告は1997年からデスクワーク勤務を続けており、ずっと同じ姿勢でいることから体に痛みを感じてきたようだ。健康面に複数の問題はあれど、どのようにDWPに申し立てすれば手当を受給できるかということを知ったうえで大げさな申告をし、その詐欺行為により世間を欺いた」と述べ、マイケル・エルソム判事は「被告は自分で車を運転し毎日仕事へ通い、介助なしで歩行や水泳をする姿を見られている。『仕事ができない』と障がい者生活手当を受給していたことは虚偽である。納税者はあなたのような人を嫌悪することだろう」と厳しく糾弾した。

リンダには2001年〜2015年の障がい者生活手当不正受給と、2004年〜2015年のM6 Toll未払いの罪により2年の執行猶予付き18か月の有罪判決が言い渡され、午後7時〜午前7時という時間帯で6か月間の夜間外出禁止と電子モニター監視器具の装着、20日間の更生プログラムへの参加を義務付けられた。

DWPのスポークスマンは「制度を悪用して不正受給する人は、本当に手当を必要としている人たちの給付金を横から奪い取り納税者の金を盗むというものです」と話している。

総額81,000ポンド(約1,220万円)を騙し取るという詐欺行為に、当然のごとく市民は怒りを隠せない。「なんで実刑にならないのか」「こんな奴、吐き気がする」「よくもまぁ15年間ものうのうと…」「きっと今回も氷山の一角に過ぎないよね」「全額返金させろ」「もっと早くに政府機関は気付くべき」「嫁も嫁なら夫も夫だよ」「夫に罪が科せられないのはなぜ?」といった非難の声があがっている。

画像は『Metro 2017年9月25日付「Benefits cheat caught after taking photos of herself snorkelling」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)