「世界の終わり、延期します」惑星ニビルに翻弄される人々 今度は10月15日?

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 巨大な惑星「ニビル」が地球に接近し、人類のほとんどが滅びるという説が出回っている。本来は9月23日が終末の日と囁かれていたが、特に大きな異常は起きていない。一旦落ち着きを取り戻したかに見えたが、今度は10月15日という新たな説が登場したようだ。惑星ニビルに関する説は2011年ごろから出始めたが、最近になってブラジルの上院議員が肯定したほかNASAもコメントするなど、ちょっとした騒動になっている。

◆黙示録に由来した説が飛び交うも、結果は来月に持ち越し?
 世間を騒がせている一連の説は、陰謀論者として知られるアメリカのデビッド・ミード氏が提唱したものだ。ワシントン・ポスト紙によると、地球に向かって移動中とされる巨大な惑星ニビルが今年後半に地球に最接近し、その引力により、地震、噴火、津波などの大災害が引き起こされるというものだ。

 9月23日を根拠としていた理由は、エクスプレス紙が詳しく説明している。ミード氏が注目するヨハネの黙示録12章1節には、このような記述がある。「大いなる兆候が天空に現れた。女が太陽を身に纏い足元に月を従え、12の星の王冠を戴いていた」「女はまた身ごもっており、陣痛の最中にあった」。

 説の支持者らは「女」が乙女座を指すと解釈している。太陽と重なって「身に纏」った状態になるほか、救世主を示す木星も乙女座と重なるとのことだ。この状態は12年に1度起きるが、今年は他の惑星の配置が「ユダ族のライオン」と呼ばれる珍しい状態になることも重なり、特別視されているようだ。

 しかし周知の通り、結果として特に何も起きることはなかった。冒頭のワシントン・ポストの記事によると、氏は期待通りの結果だと開き直っているほか、10月15日を世界崩壊の始まりとする新たな説を展開しているようだ。

◆過熱する終末論に議員も反応
 23日説は空振りに終わったが、予告された日が近づくにつれて話題性は高まっていた。エクスプレス紙(9月18日)によると、ブラジルの上院議員がこの説を肯定し、NASAから特別な情報を得ていると公言していた。議員は「NASAは、惑星X(又の名をニビル)の接近を認識している」とし、災害や飢饉で地球人口の3分の2が死滅するという予測を披露している。後述するが、当のNASAはニビルの存在自体を否定している。

 噂は一般市民にも飛び火したようだ。BBCの報道によると、説の提唱者と同姓同名のアイルランド市民が殺害予告を受ける事件があった。フォックス・ニュースなどが誤って無関係の同姓同名のツイッターにリンクを貼ったところ、5件もの殺害予告が届いたという。しかし当人はさして気にしていない。自身の展開するレクチャービジネスに、惑星衝突時に適用できる1000%の返金保証をオファーするなど、商魂のたくましさを見せる。惑星ニビルは、議員から市民まで幅広い層を巻き込んだ騒ぎになっているようだ。

◆ついにNASAが否定に動く
  ワシントン・ポスト紙によると、NASAまで動き出し、この情報を虚偽として繰り返し否定している。ニビル自体が存在せず、衝突のしようもない、との解説が頼もしい。公的機関ながら噂にしっかり付き合ってくれる姿勢が好印象だ。

 実際のNASAの特設ページを覗いてみると、当該するページは2012年以前に開設されている。マヤ暦の終焉に伴い同年12月に惑星が衝突するという噂があったが、これを否定するために立ち上げられたページのようだ。この時も惑星ニビルの衝突が噂されていた。今年の終末論の流行を受け、若干の加筆が行われた模様だ。惑星はもとより隕石の接近に関しても、NASAの科学者らが日々「スペース・ガード・サーベイ」を実施し、安全性を確認している。危機をもたらす隕石は観測されておらず、当面地球は安泰だと言えそうだ。