安室奈美恵さんが来年引退するそうです。

デビューから25年。トップを走り続けてきた彼女の突然の発表を、アムラーだった多くの30代女性が「すごく寂しいけれど、彼女らしい。やっぱり安室ちゃんはカッコいい」と受け止めています。

知り合いでもなければ、会ったこともない。そんな安室ちゃんのどこを見て、突然の引退宣言を「彼女らしい」と思うのか。それは、彼女がもつ「孤高の人」という印象なんじゃないかと思います。「自分の信念に基づいて生きている感じがする」といった意見も多く聞かれました。

発表の当日まで事務所幹部にさえ知らされていなかった、という報道もされていました。そこからも「大切なことは自分で決める」彼女の姿勢のようなものが伝わってきました。

かわいくってカッコよくって、歌もダンスも最高にうまくて。とくに、『Body Feels EXIT』からの小室哲哉時代に中高生だった30代女子にとっては、青春時代の自分=安室ちゃんだったという認識も強いようです。

トップアーティストであると同時に、当時の安室ちゃんはファッションアイコンでした。厚底ブーツにミニスカート、眉毛は細眉……日本中にアムラーが発生したものです。安室ちゃんが歌う歌をカラオケで歌い、安室ちゃんが踊る曲を文化祭で踊り、安室ちゃんが着る服を着て中高性時代を過ごした30代。「いちばん楽しくてキラキラしていた時代」、自分たちは安室ちゃんだったんです。

そんな彼女は20歳で結婚して、子供を産んで、そしてずっと「(きっと)自分のやりたい歌を歌い続けてきた」。それは、結婚したりしなかったり、子供を産んだり産まなかったりしながら、“やりたいことだと思ったけどよくわからなくなってきちゃった”まま仕事を続けている30代にとって、すばらしくカッコいいことに思えます。

そんな彼女が出した結論だから、「彼女にとって、正しいに決まっている」、「応援したいし見守りたい」と口々に言います。

“アムロス”なんて言葉が取りざたされていますが、実際に元アムラーちゃんたちに聞いてみると、「ずっと大好きだったのに。安室ちゃんがいなくなった人生を、これからどうやって生きて行けばいいんだろう……」というロス感よりも、「安室ちゃんのおかげで、キラキラした人生が送れた。私の青春時代にいてくれてありがとう!」という気持ちでいる人のほうが圧倒的です。

安室ちゃんは同世代の「大好きな友達」

アムラーより上の世代からすると、安室ちゃんは同世代の女性たちの神的存在なのだと思っていました。でも彼女は、もっとずっと寄り添った、「かわいくておしゃれでカッコいい、大好きな友達」のような存在なのだと思い知らされました。

そうなんです。アラフィフ世代の筆者にとって、安室ちゃんの引退は、本当に意外でした。NHKのニュース速報で知った時には「え!?」と思いました。

絶頂期のアーティストの引退、ということで山口百恵さんの名前がたびたび上がっていますが、彼女にしたって、引退の理由には結婚がありました。「結婚して家庭に入るので」引退です。個人的な人選で恐縮ですが、中条かな子さんも、仙道敦子さんも榎本加奈子さんも、「え、このバカ売れのときに引退しちゃうんですか⁉」という方々は、みなさん、結婚して家庭に入ったんです。次のステージがすでに決まっている中での引退です。

でも、安室ちゃんは?日本人女性の平均寿命の半分にも満たない40歳。第2の人生はもちろんあるでしょう。でも、第2の人生で安室ちゃんは何をするんだろう。というのは、自分が“今”を引退して、第2の人生を想像するに、何もやりたいことが思い浮かばないからです。

「とりあえず、遊んで暮らせるだけのお金があるんだからさ。京都の豪邸に住んでさ、のんびり京都でお寺巡りをしたり」「それから?」「お友達とおいしいレストランでゆっくり食事を楽しんだり」「それから?」「それをブログに書いたりインスタにアップしたり……」「あー、それは絶対にないよね?」「ないね。やらないね、安室ちゃんは」というくだらない話を、知人としてみたり。

そこはかとなく今がもやもやしていても、自分たちは「今までずっと頑張ってきたんだから、来年引退して別のことをやろう!」という発想にも決断にもたどり着けません。残念です。そして、その最たる理由が「大して頑張ってこなかったからなぁ……」なのも本当に残念です。

だからカッコいいんだよなぁ……。安室ちゃん。安室ちゃんの引退後の生き方も、やっぱり知りたいと思ってしまいます。

茶髪にメッシュ、細眉、ミニスカ、厚底、バーバリー……。当時のかわいいJKはみんなアムラーだった。

「安室ちゃんお疲れさまでした!ありがとう!」〜その2〜では中高時代アムラーだった30代女子に今回の安室ちゃん引退宣言について、どう感じたかを聞きました。